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『シンカリオン』座談会|竹達彩奈×真堂圭【連載第2回】

【連載】『新幹線変形ロボ シンカリオン』座談会(第2回)竹達彩奈×真堂圭|“母性”を感じさせる推しキャラの魅力

TBS系にて放送中のTVアニメ『新幹線変形ロボ シンカリオン』。アニメイトタイムズでは本作の放送2年目突入を記念し、連載による座談会企画を実施中。第2回目となる今回は、上田アズサ役の竹達彩奈さんと、セイリュウ役の真堂圭さんが対談!

初期と比較して演じるキャラクターのイメージが大きく変化してきたお二人。そのターニングポイントとなったお話の振り返りや、思い入れが強い互いの“推しキャラ”の魅力について語って頂きました。

“みんなで力を合わせて倒せた”ソウギョク戦

ーーまず直近の放送回を振り返っていきたいと思います。第59話『繋げ!! シンカリオンと鍋の力』は心温まる回でした。

真堂圭:セイリュウがスザクやビャッコやゲンブとの関係が大切なものであるということを改めて考えていた回でしたね。

ハヤトたちのおかげで、スザクが自爆しようとしていたのを止められたということが大きくて。エージェント側との絆と、ハヤトたち人側との絆が感じられて思い出深いお話だったなと思います。

ーーこの回は特にセイリュウの喜怒哀楽の感情が見えて可愛らしかったですね。

真堂:ハヤトたちの影響もあって、もともと持っていたのかもしれない彼の感情的なものが、キトラルザスに居た頃よりもどんどん目に見えて現れてきたなと感じますね。

ーー竹達さんはアズサ目線からご覧になっていかがでしたか?

竹達彩奈:アズサにとってセイリュウは“放って置けない弟分”という感じで、世話を焼いてしまうというか。私自身もそんな目線でセイリュウを見ていて、だんだんみんなと仲間になっていっているんだなぁと感じています。

アズサもあまり表情には出さないですけど、その様子を見て嬉しく感じていると思いますね。

ーーこの回以降、カイレンたちとの最終決戦に向かってお話が展開していきましたが、アズサが中心となって運転士のみんなを引っ張っていたなと感じました。

竹達:気がついたらアズサがすごく頑張っていて、私もすごくビックリしました。アズサは周りのみんなが思うよりも大人で、洞察力が凄いんですよね。

大人も顔負けの彼女独特の見え方があって、その力を所々で発揮する機会が増えてきたなと思うんですけど、こんなに活躍していることに驚いています(笑)。

ーー初期のアズサは「現代っ子の女の子」というイメージだったんですけど、現在と比較してみるとだいぶ印象が変わりましたよね。

竹達:最初の頃は演じている私自身も正直「苦手なタイプだな」と思っていました(笑)。スクールカーストで言うと、アズサはトップの存在で、私がリアルにアズサと同じ学校に通っていたとしても、関わることのないタイプというか。

そんな彼女を演じることにもドキドキしていたんですけど、『シンカリオン』は原作のないオリジナル作品なので、どんな展開になっていくのかもわからないし、当初は「ハヤトたちと同じクラスのユーチューバーの女の子」という情報しかなかったので、「クラスメイトの一人」という認識だったんです。

でも気がついたら、アズサがみんなを引っ張っていく存在になっていて。演じる私としても、とても嬉しいですね。

ーーあの子どもたちのコミュニティはハヤトたち男子が中心に見えていたんですけど、最近ではアズサがみんなの中心になっているなという感じがしますね。

真堂:男の子だけだとたまに考えすぎてモジモジしてしまうんだけど、そこにアズサが打開するような一言をポンッと言ってくれて話が進むということが割と多いんですよね。

「アズサって実はみんなの“核”になっているんだな」と、ハヤトとは違ったリーダーの気質を感じました。

竹達:彼女が動くと、良くも悪くもみんなが引っ張られていくんですよね(笑)。そこがパワフルだなと思います。

ーーバトルを振り返ると、ようやくソウギョクが倒されて、タカラトミーさんが喜んでいましたね(笑)。

竹達:なんであんなに憎まれていたんだろう(笑)。

真堂:ソウギョクへの恨みがすごい(笑)。セイリュウとしては当初「自分がソウギョクを倒すんだ!」という気持ちだったんですけど、“みんなで力を合わせて倒せた”ということがとても大きなことでした。

セイリュウは今までずっと一人で戦ってきたので、ようやくみんなの仲間として、人とコミュニケーションが取れた結果が出たんだなと思いましたね。

アズサが見せる大人な一面

ーー竹達さんは“セイリュウ推し”を明言されていますよね。好きになったきっかけは何だったのですか?

竹達:最初からセイリュウのキャラクターデザインがすごく好きだったんですよ。

真堂:本当に!? あんなにクマがすごくて、裸足なんだよ?(笑)

竹達:あの身体の線の細さと、影のあるぶっきら棒なクールさが良くて。極めつけは、甘いものが好きだったことですね(笑)。

真堂:あの感じで甘党というね(笑)。

竹達:ハヤトたちにあんなに敵意を燃やしていたのにそんなギャップがあったり。回を重ねるごとに感情が芽生えてきて、「好き」という気持ちをどんどん知っていく姿が可愛くて。私の中で“放って置けない存在”になっていきましたね。

ーーキトラルザスのキャラクターって、実はみんな可愛いですよね。

竹達:そうなんですよね。スザクもすごく可愛くて、お姉さんなんだけど乙女な部分があったりとか。地底に居た頃よりも表情がころころと変わっていて。

真堂:セイリュウ目線でも、ビャッコやゲンブに「よく頑張ったな」とか褒められると嬉しくて照れくさくなったり。

そういう関係性が見えてきた所で二人が石化してしまったので、なんとか復活して欲しいという気持ちが強いですね。

ーーこれまでの放送回でお二人が特に印象に残っているお話はありますか?

真堂:私はクリスマスの回(第49話)で、アズサがセイリュウをみんなの所に引っ張っていくシーンが印象に残っています。

セイリュウがアズサに「どうして俺にここまでするんだ?」という話をしたときに、アズサが「セイリュウのためでもあるけど、実はハヤトのためでもあるんだ」と言っていたのが驚きで。「あ、セイリュウのことが100%ではないんだ」とちょっと思ったんですけど(笑)。

幼馴染としてのハヤトとアズサの関係って、それまではあまり友好的には見えなかったんですけど、ちゃんと繋がっている部分があって、お互いを大事に思っているんだなと心を打たれました。

竹達:私もアズサがハヤトのことをちゃんと見てあげているんだなということを感じられたシーンが印象深いです。

ゲンブを倒してしまったことや、シノブが運転士を辞めてしまうかもしれないことに悩んでハヤトが落ち込んでいた回(第45話)では、アズサの人間らしさが垣間見えて。

それまでのアズサは、再生数のことしか考えていないユーチューバーで、ハヤトとも相容れないような関係性だったのが、そのシーンを見たことで「やっぱり幼馴染なんだな」ということを感じられましたし、そこで初めて、アズサのすごく大人な部分を感じたんですよね。

ーーセイリュウもアズサも、初期は運転士のみんなから一歩引いた少し異質な立ち位置だったかと思いますが、その頃お二人は『シンカリオン』の現場をどのようにご覧になっていたんですか?

真堂:各話の前半パートはハヤトたちが賑やかにしているシーンが多いので、セイリュウがキトラルザス側に居た頃は、同じシンカリオン運転士でも立場が違ったこともあって「華やかで楽しそうだな」と思っていました。

竹達:現場には若手も先輩も入り混じって、色んな役者さんがいらっしゃるんですけど、アズサは最初の頃は本当にシンカリオンに関わりがなかったので、役者としてもキャラクターとしても結構難しい位置に居たんです。

シンカリオンの存在は知らないけれど、グイッとハヤトたちと関わることがあったり。でもBパートには登場せず、全く知らない戦闘シーンがあったり。私自身は、それを温かく見守るファンのような気持ちで「頑張れ!勝てる!」と応援していました(笑)。

シンカリオンの存在がアズサにも明らかにされてからは、私としても出演する回数が増えていったことで、現場の中での居場所をより感じられるようになったなと思いますね。

“母性”を感じさせる推しキャラの魅力

ーーここからはファンの皆さんから寄せられたお二人への質問にお答え頂ければと思います。まず一つ目は「作中で一緒に住んでいるアズサとセイリュウですが、二人はどんな生活をしていると思いますか?」という質問です。

真堂:確かにすごく気になりますね。最近のセイリュウを見ていると、だいぶ人に慣れてきてあまり生活に困っていないので、アズサに色んなことを教えてもらったんだろうなと思います。スプーンや箸を持って普通に食事ができるようになっていましたし。

たぶんセイリュウはアズサがいないと生活ができないくらい、いちいち質問して「それはこうするんだよ」と教わっているんだろうなと思いますね。

竹達:箸の持ち方のような生活の基礎を教えてあげつつも、お駄賃として甘いものを与えて、自分の趣味の動画撮影の手伝いをさせていたり(笑)。

真堂:ホイホイと甘いものに釣られるチョロいセイリュウが想像できますね(笑)。

ーー(笑)。二つ目は「セイリュウはキトラルザス態と人間態で声のトーンが少し違うように感じますが、演じる上で意識されたことはありますか?」という質問です。

真堂:キトラルザスの頃は戦いがメインで、ハヤトたちへの敵対心が強くて「憎い」という感情を乗せていたぶん、そう聞こえていたのかなと。

人間態のときはみんなと打ち解けて、心から楽しんでいる状態なので、柔らかいトーンになっているかなと思います。

特にアズサと会話をしているときは、一緒に暮らしていることもあってリラックスして喋っていることが多いですね。

ーーセイリュウとアズサの会話で特に印象に残っているやりとりはありますか?

真堂:セイリュウが「アズサ」ってナチュラルに名前を呼び捨てにしていて、「えっ!なんで急に!」と思いました。私の知らない所で信頼関係がどんどん生まれている…みたいな(笑)。

竹達:確かに!距離感がグッと縮まっていましたよね(笑)。

真堂:ハヤトに対しては「速杉ハヤト」呼びからスタートして、戦いを経てようやく「ハヤト」になったのに、アズサに対してはすんなりと変わっていたので、ハヤトとは違う信頼感が生まれているんだなと、キュンとしました(笑)。

竹達:私も「アズサ」って呼び捨てにされるとキュンとします。セイリュウにそんな意図はないと思いますけど、そのナチュラルな感じが好きですね。

あと、ハヤトの家での新年会(第52話)で、全国の麺を食べているときのセイリュウが可愛かったんですよ。目をまんまるにさせながら「これはなんだ?」と興味を持って、色んなものを吸収しようと好奇心を働かせていて。

一つ一つをしっかりと感じている瞬間が、まるで赤ちゃんみたいで。ものによっては、食べたときにフワァ〜という笑顔を向けてくれたり。そんなピュアな所にキュンキュンしちゃうんですよね。

「放って置けず色々と構ってあげたくなる、これが“母性”か!」と感じさせてくれるというか(笑)。そこがセイリュウの魅力だと思いますね。

ーー「真堂さんの推しキャラを教えてください」という質問も届いています。

真堂:セイリュウは殿堂入りとさせて頂くと、ハヤト推しですね。ハヤトは新幹線や電車のことを語っているときのトロけきった顔がめちゃくちゃ可愛いんですよ。

あの顔を見られるのなら、新幹線関連の色んなものを買ってあげたくなってしまうというか。それもまた“母性”のようなものかもしれませんが(笑)。

でも戦っているときはキリッとして、「さっきまでのトロけ顔はなんだったんだ!?」というくらいカッコよくみんなを引っ張っている。そのギャップにすごくキュンとしちゃいます。

ーーハヤトのギャップは見ていて面白いですよね(笑)。ハヤトを演じているときの佐倉綾音さんはお二人にはどのように映っていますか?

真堂:“見たことのない綾音ちゃん”みたいな。

竹達:そうですね。あやねるの演じる男の子のお芝居を聞くのはこの現場が初めてで。これまでレギュラーでご一緒させて頂いた作品では、“元気で可愛らしい女の子”のイメージが強かったので、ハヤトの声を聞いて「カッコいい!」と思いました。

あやねるは器用なので最初から違和感もなかったですし、いつも「すごいな〜」とマイクの前に立っているあやねるを見ています(笑)。

真堂:私は綾音ちゃんと声を合わせて技名を叫ぶシーンもあるんですけど、こちらが合わせやすいように言ってくださるので、いつも感謝しながらやらせて頂いていますね。

ーー本当にすごい役者さんですよね。続いては「竹達さんがアズサと一緒に動画を撮るならどんな動画を撮りたいですか?」という質問です。

竹達:私は動画がすごく苦手なので、どうしたら楽しく撮れるのかをまずアズサに教えて欲しいですね。人前で堂々と喋れるようになるコツとか、あとはオススメのメイク用品とか。

アズサの目に付いているあのピンクのは、付けまつ毛らしいんですよ。

真堂:付けまつ毛!? あれを毎日付けているってこと?

竹達:おませさんでオシャレに敏感なんですよね(笑)。

ーー真堂さんはアズサと動画を撮るとしたら一緒にやってみたいことはありますか?

真堂:セイリュウもやっていたんですけど、アズサのお手伝いをして盛り上げたいです。見ている方が楽しいかなと思いますね(笑)。

ーー確かに(笑)。あとは竹達さんへの質問で「シンカリオンの運転士になれるなら、どの機体に乗ってみたいですか?」という質問が届いています。

竹達:たぶんシンカリオンとしては出てこないんですけど、実際に「あずさ」という型があるので、乗ってみたいですね。

真堂:私はアズサに「ハローキティ新幹線」に乗って欲しい!

竹達:確かにアズサとキティちゃんってぴったりですね!

真堂:パイロットスーツを着たときに猫耳が付いているみたいな(笑)。

ーーとてもイメージが湧きますね(笑)。最後に、4月以降のストーリー展開でお二人が注目しているポイントをそれぞれのキャラクター視点から教えてください。

真堂:やはりビャッコとゲンブのことが一番気がかりで、なんとか復活して欲しい!ということと、新たな敵として立ちはだかる“キリン(CV:浪川大輔)”に対して、セイリュウがどのような立ち位置で関わっていくのかが気になっています。

4月以降の物語の前半は、結構楽しい雰囲気のお話が続いていったりもするので、バトル以外のシーンでほっこりしながら楽しんで頂けたらと思います。

竹達:毎回アズサには驚かされるんですけど、またさらに「すごいな!」と思うような展開が待っています。

スザク姉さんがどうなっていくのかにも、アズサだからこそできることがあって。“アズサがみんなを引っ張っていく姿”にぜひ注目して頂きたいですね。

真堂:本当にアズサが居ないと困るシーンが多いですよね。新しい服に変わってからさらに可愛くなって、よりヒロインらしさが出ていてトキメキました。

竹達:学年が上がって大人っぽくなりましたよね。アズサが超人じみてきているというか(笑)。原作がないぶん、私たちも台本を貰って初めて先の展開を知るんですけど、毎回「えっ!すごい…」と驚くことばかりで。

シンカリオンに乗らないぶん、その他の所でチームシンカリオンのみんなを支える“核”のような存在になっているなと感じるので、嫌わずに可愛がってもらえたら嬉しいです(笑)。

最初の頃、アズサは本当に視聴者の皆さんから嫌われていたんですよ。

真堂:うそー!すごく可愛いのに!

竹達:ただのユーチューバーだった初期の頃は、ツイッターのタイムラインを見ていても「アズサ嫌い」と言われていて(笑)。

でもクリスマス回を皮切りに、「アズサ可愛い!」とか「アズサとセイリュウのカップリング良い!」と言ってもらえることが増えてきて、アズサもやっと仲間に入れてもらえたんだと安心しました(笑)。これからもっと皆さんに好きになってもらえるように演じたいなと思います。

ーー素敵なお話をありがとうございました!

インタビュー・文:吉野庫之介

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『新幹線変形ロボ シンカリオン』とは

【STORY】
鉄道博物館、京都鉄道博物館、リニア・鉄道館の地下深くに存在する特務機関「新幹線超進化研究所」は、“漆黒の新幹線”が生み出す巨大怪物体から日本の平和と安全を守るため「新幹線変形ロボ シンカリオン」を開発した。

「シンカリオン」とは、実在する新幹線から変形する巨大ロボット! その「シンカリオン」と高い適合率を持つ速杉ハヤトら子どもたちが運転士となり、研究所員ら大人たちと力を合わせて強大な敵に立ち向かう! 果たして“漆黒の新幹線”の目的は・・・!? 子どもたちは日本の平和と安全を守れるのか・・・!? チェンジ! シンカリオン!

【CAST】
速杉ハヤト:佐倉綾音
男鹿アキタ:沼倉愛美
大門山ツラヌキ:村川梨衣
シャショット:うえだゆうじ
上田アズサ:竹達彩奈
速杉ホクト:杉田智和
三原フタバ:雨宮天
出水シンペイ:緑川光
月山シノブ:吉村那奈美
清州リュウジ:逢坂良太
ビャッコ:細谷佳正
ゲンブ:マックスウェル・パワーズ
セイリュウ:真堂圭

『新幹線変形ロボ シンカリオン』公式サイト
『新幹線変形ロボ シンカリオン』公式Twitter

(C)プロジェクト シンカリオン・JR-HECWK/超進化研究所・TBS
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