声優
横山智佐さんとOSKスターが「サクラ大戦」コラボ公演を語る!

横山智佐さん、楊琳さん(OSK男役)、舞美りらさん(OSK娘役)による「OSK SAKURA NIGHT」スペシャル座談会をお届け!

2019年7月13日(土)より京都・南座で始まる、OSK日本歌劇団×「サクラ大戦」コラボ公演「OSK SAKURA NIGHT」。

創立97年の伝統を持つOSKと、ゲームから誕生して2.5次元舞台の先駆者となった帝国歌劇団が、コラボによってどんな化学反応を見せてくれるのか、ファンのみなさんもさぞ気になっていることでしょう。

そこで今回は、稽古も中盤に入ってお互いの理解も進んだと思われる「OSK SAKURA NIGHT」の稽古場を直撃! 『サクラ大戦』からは真宮寺さくら役・横山智佐さん、OSK日本歌劇団からは男役スターの楊琳さんと、娘役トップの舞美りらさんにご登場いただき、スペシャル座談会を開催しました!

『サクラ大戦』ファンの方にはOSK日本歌劇団のスターの素顔を、OSK日本歌劇団ファンの方には『サクラ大戦』のスタァの魅力をお届けしますので、より親しみを抱いた状態で劇場へ足を運んでいただければと思います。

さらに今回は、OSKメンバーの中で現在『サクラ大戦』にどっぷりハマり中と噂の男役スター・翼和希さんからもコメントをいただきました! ゲーム『サクラ大戦』を始めた頃の初々しい感想など、サクラファンなら共感しまくりでしょう!

お互いにリスペクトし合っている感も素晴らしい今回のコラボ、まずは座談会でその雰囲気の良さをお楽しみください!

▲画面左から、舞美りらさん、横山智佐さん、楊琳さん
 
楊琳(やん りん)
8月7日生まれ。神奈川県出身。血液型O型。2007年『レビュー春のおどり』で初舞台。抜群のダンス力に加え、観た者の心を揺さぶるゆたかな演技力で観客を魅了する。近年は、「円卓の騎士」「新選組」など物語性のあるミュージカルで連続主演を果たす。いま非常に活躍のめざましい男役スターである。「OSK SAKURA NIGHT」劇中劇「新・愛ゆえに」では、かつてマリア・タチバナ(演/高乃麗さん)が演じたオンドレ役を演じ、さくらとのデュエットにも挑む。「OSK SAKURA REVUE」にも出演。
 
舞美りら(まいみ りら)
7月28日生まれ。京都府出身。血液型A型。2010年『レビュー春のおどり』で初舞台。愛らしいルックスとバレエで培った身体能力を活かし、「三銃士」「円卓の騎士」をはじめ数多くの作品のヒロインに抜擢。繊細な表現力で少女から大人の女性まで様々な役柄を演じる。華やかさと実力を兼ね備えた娘役スターとして、確固たる地位を築きつつある。「OSK SAKURA NIGHT」劇中劇「新・愛ゆえに」では、マリリントワネット役を演じる。また「OSK SAKURA REVUE」にも第2部「STORM of APPLAUSE」のみ出演。

キャラクターとしてのアドリブがすごくて、全然違うなと目から鱗です

――稽古を通じて見えてきた、お互いの印象を教えてください。

横山智佐さん(以下、横山):「春のおどり」でも魅せていただきましたが、“踊りのOSK”と言われるように、踊りはもちろん素晴らしい。「OSK SAKURA NIGHT」のお稽古でも、あっという間に新しい振りを憶えてしまわれるので、私は「上級者クラスのレッスンに出てしまったときの後悔」みたいな寂しい気持ちです(笑)。

お歌もとても美しく、大きく広がりがある、さすが普段から大劇場に立っていらっしゃる、という印象で。

じゃあ「帝国歌劇団の一番得意なところは?」といったら、声優なので喋りなわけです。さて「セリフは?」と注目してみたら、大劇場のような大芝居しかなさらないのかと思いきやとんでもない。すごく柔軟性があって、近い距離の自然な会話もしてくださり、劇中劇では大きな表現も出来て、悪いところを見つけたいなと思うくらい、ただただ尊敬の気持ちが高まるばかりです。

楊琳さん(以下、楊):いやいや(笑)。私は6月に入ってから稽古に合流させていただいて、まだ3日目なんですけど、みなさんとても気さくに接してくださるんですよ。

私は緊張しぃなので、すごい緊張していたんですけど、みなさんから声をかけてくださって、もう打ち解けて家族みたいな感じ。それがすごい嬉しくて。

でも、嬉しいからこそ自分の仕事をしっかりやらなければご迷惑をかけてしまうので、そこを緊張しながらやっています。

それに横山さんが本当にかわいらしくて。

横山:ありがとうございます! 素直に受け止めます!

楊:いやいや(笑)。私がかわいいなんて言ったら失礼なんですけど、すごい愛らしくて。

自分たちが普段やっているものとは世界が違うじゃないですか。だからそこの調整というのは、自分がもっと慣れていかなきゃなと感じているんです。

横山さんは溌剌としていてかわいらしいのに、慣れた会話をされる時の、ちょっとしたスパイスが面白いんですよ。ポロッて言うツッコミに、ひとりで笑っています(笑)。

横山:やっぱり根っこが……OSK二枚目ワールドと、サクラ三枚目ワールドなんでしょうね(笑)。

楊:そんなことないですよ!

舞美りらさん(以下、舞美):私はこのお話をいただいてから、映像で「歌謡ショウ」をほぼ全部拝見していたので、お稽古場では自分も演者なんですけど「動くさくらさんが目の前にいる!」という興奮でまず「ああっどうしよう!?」という感じになりました(笑)。

演じてらっしゃる時も、オフでいらっしゃる時も本当にさくらさんそのままで。あと、OSKもよく「休憩時間を削ってでも踊る」と言っていただくんですけど、みなさんが休憩時間もず~っとお稽古をされているひたむきな姿を拝見して、舞台に向き合う気持ちが私たちと一緒なんだなと感じました。

ひとつのキャラクターを二十年以上も演じていらっしゃるので、そのキャラクターとしてのアドリブがすごくて、全然違うなと目から鱗です。私たちも素で笑ってしまって、本番で大丈夫かなと心配になっています(笑)。

お芝居中も、お稽古が終わった後も、みなさんアットホームでいらっしゃって、ファミリーが出来上がっているところに私たちがおじゃましているんですけど、温かく迎えていただいている感覚がありますね。

――OSKファンのSNSなどを拝見すると、舞美さんはこんなにかわいらしいのに、ショーではオラオラ系だという噂があるのですが。

横山:へぇぇ~!

楊:今回の作品がまたね!(笑)

舞美:「春のおどり」は観てくださったんですよね?

横山:はい。でもオラオラ系だったかは……。何かありましたっけ?

――今のところはそういう面は出ていないんですね?

舞美:まだ隠れているようで、良かったです(笑)。

――ファンによると、どちゃカワなのにショーではオラオラ系らしいんですよ。

舞美:どちゃカワ!?

楊:今のうちに言うてもらい~(笑)。

舞美:どちゃカワという用語を初めて聞きました。それはどういうことだろう?

楊:すごくカワイイ♥っていう意味!

舞美:ええ~っ! どちゃどちゃしてるのかと(笑)。

――今回はコラボ企画として、OSKのみなさんも一緒に「ゲキテイ(檄!帝国華撃団)」を踊るというお楽しみシーンがありますが、横山さんも振りを教えたりされたのでしょうか?

横山:はい。ゲキテイ先生やらせていただきました。

舞美:稽古初日に教えていただきました!

楊:そうなの!? へぇぇ~!

舞美:細かいところまで教えていただいて。

横山:私も「ゲキテイ」を振付してくださった先生の、当時の振付を思い出しながら、初心に帰って踊ってみました。

ステージではいつもカーテンコールで歌うので、最後の盛り上がった雰囲気を大切にして、踊りの細かいポイントまで留意してやっていなかったんです。けれども改めて「ゲキテイ」と向き合うと、体重の掛け方とかもいつもやっているのとは違う、正しい「ゲキテイ」というのがあって。

「私たちもいつもはこれ全然やってないんですけどね」「左手は見えないけど、でも腰から外しています」と言いながら、それをお伝えしました。

楊:私は習っていないので、「おい、細かいとこ教えろ!」って後で聞こうと思います。

舞美:教えましたぁ~! 失礼な!

――踊ってみて、いかがでしたか?

舞美:私、小さい頃に踊ったことがあったんですよ! アニメで観て、曲を知っていたんです。その後に「歌謡ショウ」を観て「これがあの伝説の……」と思って、今回このようにご一緒させていただけることが奇跡のようです。

間奏のさくらさんのセリフも聞いて、感無量とはこのことだと思いながらやっておりました。

――これから舞台上で経験することになりますが、観客の手拍子がサビにかかった途端、無音になるんですよ。「はーしーれー」のところで観客全員が一斉に振りを始めるので、それまで割れんばかりに鳴っていた手拍子が唐突に無音になるんです。

舞美:すご~い!

楊:見たい! 早く体験したい!

――これサクラ名物ですよ。

横山:鏡写しの方向じゃなく、ちゃんと左右正しい向きでみなさん振りをされています。

楊:私は振付の映像を見ながら振りを起こしたんですけど、「これ真似しやすいだろうな」と思いながら踊っていました。

舞美:その場でできる振付ですよね。

――そうです。舞台初日に「あぁ、これか!」と思うと思いますよ。全員が振りをやってますから。

楊:わぁ~楽しみ! テンション上がるわ! OSKのファンの方にも言わないとね! ぜひ一緒に踊ってください!

舞美:予習していただかないと!


▲OSKメンバーによる撮り下ろし「ゲキテイ(檄!帝国華撃団)」サビ振付動画を公開!

――またもう一方の、OSK日本歌劇団のテーマソングである「桜咲く国」のコラボですが、こちらはいかがでしたか?

横山:感動でした! 「春のおどり」で見せていただいた桜パラソルを持った瞬間、「ああ、これか!」とニヤニヤしました。

京都での記者会見でみなさんと初めてお会いした時に、楊さんに「自分の好きなタイミングで勝手に開いたりしていいわけじゃないんですよね?」と確認をさせていただいたところ、「そうです。もちろん振りの順番があって」と(笑)。

だから脳トレ感覚でやっています。ニコニコ傘を回しながら「次はなんだっけ!?」ってものすごく考えています。

舞美:そうなんですよ。あれが一番……

楊:私たちでも一番集中する時ですもん。

――ということは、今回は全員で桜パラソルを順々に開いたりするのもやると?

楊:やります!

横山:やらせていただきます。

楊:さすがはみなさん、憶えるのが早くて。

――OSKのファンのみなさんは、客席ではどうされているのでしょうか?

楊:ご贔屓のスターさんと同じタイミングでパラソルを開閉したり、回していたり。

舞美:パラソルを持っていらっしゃらない方も、いつも手拍子で一緒に盛り上げてくださいます。

――サクラファンはこういうのって、きっちり仕上げてくると思うんですよ。

横山:あははっ!

舞美:すご~い! やって欲しい! 客席が全面ピンクになったらすごいきれいでしょうね!

――わりとサクラファンって、そういうところに拘りがありますよね。

横山:そうですね(笑)。真面目で熱心ですよね。

――逆にOSKファンのみなさんも、「ゲキテイ」を一緒に踊ってくださるのでしょうか?

楊:言ったらやると思いますよ! 特に関西だったら、席に深く座って観てる人ってあんまりいなくない? 「どうぞ」って投げかけたら、やりやすいかもしれないです。

――サクラファンは「ゲキテイ」が始まったら、習性で立つと思うんですよ。そうなると、座っている人の視線を遮ってしまうという問題があるので……。

楊:いや、OSKファンの方々も立つと思いますよ。

――それならぜひ一緒に「ゲキテイ」の振りをやって欲しいですね!

楊:やって欲しい!

舞美:どんな反応になるのか、本当に初日から楽しみです!

楊:みなさん、この舞台は参加型です!

褒め合ってやっていきましょう!

――楊さんと横山さんのおふたりで歌われる「新・愛ゆえに」は、OSKとサクラ双方のファン垂涎のシーンになると思います。実際に稽古を進めてみて、手応えはいかがでしょうか。

横山:大きな胸に抱かれて幸せです。

舞美:あははっ!

横山:歌声がとても素晴らしいので――

楊:いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや!

――文字としてどれだけ「いや」を書かせる気ですか。

楊:あははっ!

横山:クレモンティーヌは可憐な、でも身分の低い花売り娘なので、気取らずに純粋な女の子として歩き、歌を歌えば、あとは楊さんが世界を作り上げてくださる感じなので、身をゆだねております。

楊:私は歌がとても苦手なので――

横山:ええ~っ!?

楊:本当にそうなんですよ。横山さんが本当に素晴らしい歌声だし、迷惑をかけちゃいけないという一心で今はやっているんですけど。

どこまで触っていいのか、どうやればいいかというのが、まだ自分の中で定まっていないので、導けていないから。もっとイメージを固めて、しっかり頼ってもらえるように、包容力を出してがんばらなきゃなと思っています。

――舞美さんは、田中公平先生が手掛ける「サクラ大戦歌謡ショウ」の歌劇曲のクオリティや、それぞれの歌劇団を代表するふたりによるデュエットについて、どのように感じましたか?

舞美:最初にコラボレーションさせていただくというお話をいただいた時に、何かお芝居を凝縮したものをやるとはお聞きしていたのですけれども、記者会見当日に演目が「新・愛ゆえに」で、デュエットもやりますとお聞きして「ええ~っ!? あの『新・愛ゆえに』を♥」ってなりました。

私、「海神別荘」の「すべては海へ」と、この「新・愛ゆえに」が大好きだったので、しかもおふたりがデュエットされるとお聞きして、「奇跡だ!」と思いましたね。

昨日その振付があったんですけれども、もうファンみたいに「キタ━━(゚∀゚)━━!!」っていう感じで(笑)。震えました!

また楊さんがやってらっしゃるというのも、ずっと一緒に活動をさせていただいているので、さくらさんと並ばれているのが感慨深いなと思いながら拝見していました。

とてもドラマチックで、その1曲だけにすべての物語の要素がキュッと入っているような歌詞もメロディも素敵ですし、昨日はファンの目線で観ておりました。

――すごくわかります。ファンも激しく同意していると思います。

――OSK日本歌劇団で男役として活躍されている立場から『サクラ大戦』キャストが演じる男役をご覧になって、どんな印象を持たれましたか?

楊:男役としてというより、演者として本当にすごいなと思いました。声での表現力がすごいなと思って。

私たちはステージアクターなので、動作も加えてのお芝居なんですけど、声だけを聴いていても表情、感情、状況、設定などがわかるっていうのは本当に感動しました。

そこに身体の動きも相俟って、余計にパワーを感じるので、男役というよりはひとりの演者として大変勉強させていただいております。

高乃(麗)さんはハスキーボイスがすごいかっこいいですし、エリカさん(演/日髙のり子さん)も、もちろん横山さんもですけど、みなさん声がかわいい! ステキ! きれい! カツゼツが素晴らしい!

当たり前なんですけど、改めてそのすごさを感じて、今回共演させていただいたことが新しい刺激になって、これからの自分の糧になるなと毎日学んでいます。

横山:ありがとうございます。褒められることが栄養です。

楊・舞美:あははっ!

――横山さんは舞美さんを見て、娘役の振る舞いとして新たに気付いたことなどはありましたか?

横山:今日の取材にあたってのこの美しいお姿もそうなのですが。

舞美:いやいや(笑)。

横山:私は今日これ、すごくお化粧しているほうなんですけれども、お稽古場の私たちはほぼ「素顔」で、麗さんなんかお父さんでしょ、もう。

楊・舞美:あははっ!

横山:私たちはすっぴん、ジャージでお稽古場に来て、泥のように汗をかいてから、カップラーメンすすって帰るっていう。

楊:カップラーメンすすって帰る!(笑)

横山:そこに“美しい夢”はまったくなかったんですけど、舞美さんはお稽古場でも、どの角度から見ても美しく、“立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花”のような感じで、見とれてしまいます。

舞美:もうどうしよう、これからどうしていけば(笑)。

楊:ここは褒められとこ(笑)。

舞美:栄養、栄養(笑)。

横山:私はどうしても(真宮寺さくらの衣装に)お袖があるので、サクラの時は浴衣を着ますが、帯も締めずに腰紐だけの手抜きな格好をしています。今日は舞美さんを見習って、クレモンティーヌ用にスカートを持ってきました。

女性として真似したいところがたくさんです。

舞美:いやいやいやいや(笑)。

▲OSKメンバーの参加人数が少なかったこの日は、舞美さんがご自身の役以外も台本片手に代役をされていました
 

――舞美さんは「サクラ大戦歌謡ショウ」そのものともいえる横山さんを見て、2.5次元舞台の礎を作ったといわれる伝説の「サクラ大戦歌謡ショウ」の片鱗を感じることはありましたか?

舞美:最近「歌謡ショウ」をずっと観ているんですけれども、いろんなナンバーをされるじゃないですか。ジャズも、タップもされるんですよ。めっちゃタップ、すごいんですよ! 観てください!

楊:わかりました!

舞美:お衣裳も、どんなお衣裳も着こなされますし。バニーちゃんのお姿とか私、大好きなんですよ!(サクラ大戦・歌謡ショウファイナル公演『新・愛ゆえに』でバニーガール姿に挑戦)

横山:あははっ! バニーちゃんありましたね! あーもうヒヤッヒヤ(笑)。

舞美:お着物はさくらさんなので、袴姿が多いんですけれども、脚もめちゃくちゃお綺麗ですし、なんてこったと思いながらいつも観させていただいております。私のほうが勉強させていただいていますという感じです。

横山:褒め合ってやっていきましょう!

楊・舞美:あははっ!

――今回はダンディ団をはじめ、男性キャストが大量に参加する点も、OSK日本歌劇団にとってはかなり大きな挑戦ではないかと思います。リアルな男性キャストが同じステージに存在すると、男役としては計算しづらい部分もあるかと思うのですが、稽古を通じてその辺りはいかがでしたか?

楊:小娘に見えないように気をつけなきゃ、とは思っています。男性の方とお芝居する、舞台に立つというのも私は初めてなので、すごい勉強になります。

とにかく今回の舞台は勉強ばかりで、いい経験をさせていただいています。自分がどこまでナチュラルで、女に見えないか、というのを追及するような場面もあるんですよ。

男役というのは男を演じているじゃないですか。これまでは男役としてしか舞台に立ったことがないんですけど、男役をやっている人物としてお芝居する場面があるんです。だからそこのさじ加減が難しいんですよ。

劇中劇の「新・愛ゆえに」があって、そこで“この人が男役を演じたらこうなる”というのを表現しなければならないので、初めてそういう二重構造みたいな役をやることには悩んでいます。

実際、男性キャストのみなさんとは年齢も離れているじゃないですか。なので余計に、私が下に見えてしまったら相手にもよくないし、もっと“大人”でやらなきゃなと思っています。

――サクラの舞台では、金田金四郎役の螢雪次朗さんや桐島カンナ役の田中真弓さんといった、コメディに才能が有り過ぎるキャストが揃っていることもあって、笑いも大きな魅力となっています。ただ、サクラ流の笑いはOSK的にはどうなんだろうという心配もあります。特に男役は二枚目のイメージがあるので、笑いはまずいのではないかと……

楊:いや全然そんなことないですよ! 今回稽古で見ていて、舞台ってけっこう自由な気持ちでいいんだなっていうのを改めて学んでいるんです。

私たちには“カッチリ決まった中でキッチリやらないと!”っていう真面目意識があって。そこから脱することができたら、より表現するものが大きくなるし、需要も増えるだろうなと思っているんですけど、やっぱり形式を大事にするので、なかなか一歩を踏み出せないんですよ。

なので、みなさんからその自由な精神を取り入れて、自分の芸の幅を広げたいなと思っているんです。舞台上では、その時々の感情に任せてやってみようと思っています。

――娘役としても、取り返しのつかないレベルのことが起こるかもしれないわけですが、大丈夫ですか?

舞美:今もう既に、取り返しのつかないレベルまで笑っちゃってます(笑)。

男役さんと違う部分は、普段は娘役はより女性らしくと教えていただくのですけれども、今回は男性キャストの方もいらっしゃる分、ありのままの等身大の自分でいいのかなと感じています。

“この角度は綺麗かしら?”とか、そういうことは何も計算せずにお芝居できているかな、それを楽しめているかなという想いがあります。本当に素の部分を観ていただいたほうが、劇中劇との差が出て、より良いものになるのかなと思っています。

――横山さん的に、心配な部分はありますか?

横山:私たちはお稽古の段階で、OSKコードというものを習いながら、「どこまでやっていいのかな」というのを確認しております。これはお芝居を作る上でのルールなんですね。舞台は危険も伴うので、いきなり本番で好き勝手なことをやってしまうわけにはいかないんです。

OSKコードを守りながら、「ここまでのスキンシップはいいんだ」「ここまでのギャグはいいんだ」というのを、ちゃんとお稽古で割り出しています。それで「どうですか?」「ギリギリです」というお答えをいただいた上で練り直して(笑)。

――ギリギリレベルでやっちゃうんですね(笑)。楽しみにしつつ、いいのかなと心配でもありますが。

――それぞれ、こんなところに注目してほしいというおすすめポイントをお願いします。

横山:さくらは「新・青い鳥」(サクラ大戦 帝国歌劇団・花組 第4回スーパー歌謡ショウ)以来、思いがけずたくさん踊っています。そこに注目してください。

楊:私たちの劇団にとってもコラボレーションというのは初なので、双方のファンの方がこの先も行き来できるように、この世界観全体を楽しんでいただきたいなと思います。

すべてが見どころだと思っているので、あとは私たちがもっと違和感なく溶け込めるように、みなさまに万遍なく受け取っていただけるように務めたいと思っております。

そのワールドにハマって「もう1回観たいな」と言っていただけるように。たぶん毎日違うと思うんです。ゲストのみなさまが入ってくださることによって、毎日まったく違うことが行われていると思うので、毎日が見どころだと思います。

毎日通いたくなるような作品にしたいなと思うので、この公演自体が見どころです。

舞美:帝国歌劇団のみなさまと、OSK日本歌劇団がコラボするという、そのこと自体が物語の流れになっているお芝居です。今の私のウキウキしている状態をそのままお芝居に出したいなと思いますし、劇中劇ではいかに本職である“演じる”ということを出せるかというのも見せどころになると思います。

「桜咲く国」と「ゲキテイ」をお互いが歌わせていただくというのも、注目していただきたいところです。

――今回のコラボはステージ上だけでなく、客席でも行われるわけじゃないですか。双方のファンが来るわけですから。そうなると、サクラの流儀としてはコスプレをしたくなるわけですよ。

楊:おお~!

舞美:私たちのOSKでもコスプレOKの公演がありましたよね。「ドラキュラ」の時とか(OSK日本歌劇団「Dracula ドラキュラ」2017年・大丸心斎橋劇場)。

楊:あの時はハロウィンだったからね。『サクラ大戦』は演者のコスプレだから。何を着て来てもいいってわけじゃないから。

――サクラは2パターンあるんですよ。贔屓のスタァの装いを真似る、いわゆるキャラクターコスプレと、太正時代の一般市民を意識した格好というのがあるんです。和装とか。

横山:夏ですから、浴衣とかね。

舞美:あっ、いい~! 見た~い!

舞台を楽しむために、みなさん準備してくださると思うので、ぜひ一番ワクワクできる格好でいらしていただければと思います。劇場全体が太正時代になるお話になっておりますので、みなさんの扮装を楽しみに、劇場でお待ちしております。

楊:私たちが演じる時代は太正時代です。その時代に相応しい扮装でお越しください。そして公演終了後には、みなさま参加型の「ゲキテイ」「桜咲く国」もございます。

「桜咲く国」で使う桜ミニパラソルは、劇場受付で税込1,000円で販売しております! ぜひその小道具を持ち、太正時代の人に成りきって観にいらしてください!

▲大人気スターの楊さん自ら宣伝を買って出てくださいました!
 
横山:まず、OSK×サクラ大戦コラボと聞いて、もしかしたらお互いのメイン曲をちょっと歌い合うだけかもしれないなって思っているお客様もいらっしゃるかもしれません。

私も最初にこのコラボのお話をいただいた時に、大阪と東京の遠距離稽古にもなりますし、一体どのくらいまでのコラボが行われるんだろうと。

コラボとは名ばかりで、そんなに一緒にステージに立っている時間はないんじゃないのかなと疑われている方もいらっしゃるかと思います。私もそうでした。

台本を読んで驚きました。ず~っと一緒に出ていますし、お互いのナンバーもものすごくたくさん歌い踊って、間違いなくコラボをしています。

OSKさんにはもうすぐ100周年という歴史があって、培ってきた“型”、舞台に立つ“型”というものがしっかりお在りです。今回のコラボレーションでは型を超越した“型破り”という面白さを見ていただけると思います。

“型”がないのに、新しいことだけ求めると“形無し”になってしまいますが、“型破り”な夏のお祭りをぜひみなさまの目で、「こういうものだったのか!」と確かめに、劇場にお越しください。

劇中劇「新・愛ゆえに」ラスカル役・翼和希さんより

――アニメや歌謡ショウを見たり、ゲームを遊んでみての感想をお願いします。

翼和希さん(以下、翼):ゲームは遊んでみて「こんなゲームだったのか!」と思いました。戦ったり、華撃団の人と過ごしたり……進めていくと、とても切ない結果が待っていたり……何度もやりたくなりました。

歌謡ショウは日常劇、劇中劇に加え、大喜利など、内容がてんこ盛り、ファンの方々も楽しんでいる様子が伝わってきました! そして出演者の方々の多才さに感動しました。

殺陣、タップ、アクロバット、ジャグリング……華やかな舞台の裏で、血のにじむ努力をされているのだと思うと私も負けてられない!! と思いました!

――ゲームでは誰をヒロインに選びましたか?

翼:『1』ではさくらさん、マリアさん、カンナさん、アイリスです! 本当は全員と……と思っておりましたが、これでは南座に間に合わないと思い『2』に進みました!

本番までには全てクリアできるように頑張ります! すみれさんも紅蘭もレニも織姫も素敵な方々ばかり……あー!! 選べません……。

――男役として帝都花組の男役を見て、気がついたことはありますか?

翼:ただただカッコいいと……。キャラクターそれぞれの個性がはっきりしているので、自分にもそんなお役が来たらこんな風にやってみたいなと思いました。

お衣裳も男役として憧れのエンビ、スーツ、軍服を着られていて、着こなしの勉強をさせていただきました。やっぱりカッコいいです! ゲームの世界からそのまま飛び出してきたような美しさでした……!

――花組キャストと一緒に稽古をしてみての感想をお願いします。

翼:お稽古初日はあまりにも緊張して顔がピクピクしました。画面で見ていた方々が同じ稽古場にいらっしゃることが不思議でした。

皆さんとても気さくな方々で、お芝居の時も色々気付くことがあり、毎回のお稽古が貴重な経験です。たくさん吸収して、この作品を通して成長できればと思います!

▲画像右端が翼和希さん。現在『サクラ大戦2』のラスボス手前まで来ているそうです
 
[取材・文/帝劇スタ夫]


▲「OSK SAKURA NIGHT」OSK日本歌劇団告知コメント動画


▲横山智佐さんコメント動画


▲高乃麗さんコメント動画


▲井上喜久子さんコメント動画


▲日髙のり子さんコメント動画


▲田中真弓さんコメント動画

公演情報

南座新開場記念「OSK SAKURA REVUE」

第一部『歌劇 海神別荘』
原作:泉鏡花 作・構成:広井王子 演出・振付:麻咲梨乃 楽曲協力:サクラ大戦より
第二部 『STORM of APPLAUSE』
作・演出・振付:平澤智

主催:松竹株式会社/読売テレビ/OSK日本歌劇団
協賛:アサヒビール
製作:松竹株式会社

2019年7月13日(土)~25日(木)
午前の部:11時開演
午後の部:15時開演
ご観劇料(税込):一等席 8,500円/二等席 4,500円

【出演】
桐生麻耶、楊琳、虹架路万、舞美りら*、愛瀬光、華月奏、翼和希*、千咲えみ*、白藤麗華、遥花ここ、城月れい、他OSK日本歌劇団
*二部のみ出演

南座新開場記念「OSK SAKURA NIGHT」

OSK日本歌劇団×「サクラ大戦」コラボレビュー『夢見ていよう』
作・構成:広井王子 演出・振付:麻咲梨乃

主催:松竹株式会社/読売テレビ/OSK日本歌劇団
協賛:アサヒビール株式会社
協力:株式会社セガホールディングス
製作:松竹株式会社

2019年7月13日(土)~24日(水)
19時30分開演
ご観劇料(税込):一等席 6,500円/二等席 3,000円

【出演】
<OSK日本歌劇団>舞美りら・翼和希・千咲えみ・椿りょう・朔矢しゅう・登堂結斗・由萌ななほ・羽那舞・凜華あい・雪妃詩・結菜ほのり・京我りく・蘭ちさと・知颯かなで
楊琳(特別出演)
<「サクラ大戦」より>横山智佐・園岡新太郎・西村陽一・Velo武田・内田直哉・螢雪次朗
※日替わりゲスト(7/13~16)高乃麗、(7/17、20)井上喜久子、(7/18)日髙のり子、(7/19)田中真弓

【会場】
場所:南座 〒605-0075 京都市東山区四条大橋詰
TEL:075-561-1155

南座ホームページ
本公演公式サイト
公式 Twitter(@sakurarevue2019)
OSK 日本歌劇団 公式サイト

チケット情報
好評発売中!
チケットホン松竹:0570-000-489(10:00~18:00)
チケットweb松竹:http://www1.ticket-web-shochiku.com/t/
(もしくはチケットweb松竹で検索)

チケットぴあ:0570-02-9999 http://w.pia.jp/t/minamiza/ 【Pコード:493-330】
ローソンチケット:0570-084-005 l-tike.com 【Lコード:51475】
イープラス:eplus.jp
アニメイト:www.animate-onlineshop.jp/

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