
サクラ大戦のダンスナンバーを並べて歌い踊った真夏の祭典!『サクラ大戦 真夏のフェス 踊りませう!』開催
2025年7月19日(土)に東京・上野恩賜公演野外ステージ(水上音楽堂)にて『サクラ大戦 真夏のフェス 踊りませう!』が開催されました。
タイトルに『踊りませう!』とある通りに今回は歌い踊る曲が多く、踊りのジャンルも盆踊り、日舞、ラテン、ラインダンスほか多彩で見応え充分! 小学生ダンサーズと共にパラパラを踊るなど、新たな試みもありました。
来年、発売からちょうど30年目を迎える『サクラ大戦』。大きな節目に向けて、全力で進み続ける横山智佐さんをはじめとしたサクラキャストのパフォーマンスは、ますます円熟味を増しています。
出演:横山智佐(真宮寺さくら)渕崎ゆり子(李紅蘭)
折笠愛(藤枝かえで)
西村陽一、Velo武田、上原健太、武田丞
ダンサー:青井美文/井波知子/建守良子/望月美奈子/笠原ゆき枝/舞宮奈央
子供たちとのパラパラをはじめ猛暑のステージで歌い踊りまくり!
最初のMCでさくらから「36、36、33。何の数字でしょうか?」とクイズが出されました。
答えは一昨年、昨年、今年の「真夏のフェス」開催日の気温。
今年は33℃でしたが、いつもより過ごしやすいと感じるほどに「真夏のフェス」は毎年、気温もステージも客席も熱く燃えあがるのが恒例です。
今回は『踊りませう!』とタイトルにある通り、歌い踊る曲がセットリストに並びます。
1曲目は軽快なお祭りソング「お祭りダンス」。
サクラ大戦歌謡ショウ 帝国歌劇団・第3回花組特別公演「紅蜥蜴」の記念グッズである「愛はダイヤ」のうちわを手に、さくらがコール&レスポンスで観客との一体感を楽しみます。
2曲目「花咲く乙女」では、歌の途中から紅蘭、かえで、さらにダンディ団やダンサーズなど全出演者が加わり、今日のライブへの意気込みを見せます。
MCでは劇場支配人の大神一郎(演・陶山章央さん)から音声メッセージが届き、「水上 on gakudo」=「水上 オン 学童」ということで地域の水上小学校の子供たちを招待し、一緒にステージで踊るという提案がなされます。
来年で発売30年目を迎える『サクラ大戦』の長い歴史の中でも、子供たちとのコラボステージは初。
3曲目は夏の定番曲「サンセットサマー」を盆踊り&扇子の舞で披露。
伴奏の三味線を聴くたびに、東中軒雲国斎こと国本武春さん(浪曲師。2015年逝去。サクラ大戦歌謡ショウでは観客に粋な掛け声の掛け方などを伝授し、後に演劇界で話題になる「歌謡ショウのお客さん」を育てた功労者のひとり)のことを想い出し、切なさを感じるのも、今やこの曲の魅力の一部になっている気がします。
4曲目は「メトロで行こう」。
「真夏のフェス」ではさくらが歌詞にある銀座~浅草の名所を上野巡りバージョンに替えて歌うことがありましたが、今回はオリジナルの紅蘭がダンサーズと共に愛らしいステップで披露します。
5曲目はかえでの「都の花ぞ」。
サクラ大戦歌謡ショウ 帝国歌劇団・第2回花組特別公演「つばさ」の一場面の再現で、かえでが病人から取り立てをするヤクザに啖呵を切り、立ち回りながら歌います。
殺陣も見事で、男3人を軽く捻るかえでが強い強い! かえで役の折笠愛さんは日本舞踊の名取でもあるため、ヤクザを蹴散らしてスッと矛を収める仕草も実に美しいのです。
続いては第3次パラパラブームの最中に、ユーロアレンジされたサクラ楽曲として登場。界隈で話題となった2曲がパラパラの振付と共に披露されます。
まずは「ユーロゲキテイ」。2001年の「帝国歌劇団・花組 新春歌謡ショウ」でお披露目されたユーロビート風「檄!帝国華撃団」で、かなりテンポが速い上に、当時エイベックスのイベントでパラパラの振付を手掛けていたダンサーさんによる本格的な振りが付いており、見応えたっぷり!
歌い終えた後、客席から湧き上がる歓声や拍手も一際大きなものでした。
次に「ユーロ恋の発車オーライ!」をさくら、紅蘭が水上小学校のおともだちを迎えて歌い踊ります。
子供たちにとって、このステージからの景色は夏の想い出として一生忘れられないものになったでしょう。
8曲目はかえでの「夜のサンバ」。
妖艶な美女と若き踊り手が濃厚に絡み合うラテンダンスで、このペアにしか出せないムードがあります。
9曲目はドラマCD『ああ、無情~レ・ミゼラブル(後編)』より劇中歌「我が名はジャベール」。
ジャン・バルジャンを追う厳格な法の番人ジャベール役を紅蘭が演じた作品で、軍隊のように動くダンスや、一切れのパンを買うために身を売らなければならない女ファンティーヌ(演・さくら)を追い詰める様子など、ジャベールがどんな人物かが踊りだけでわかるような演出が見事でした。
ファンティーヌを捕らえる振付から、流れるように組体操の扇を披露!
隙あらば挟んでくる旺盛なサービス精神も、サクラの舞台が人を惹きつけてきた理由のひとつでしょう。
ここでなんと等身大のアイリス人形が登場し、西村のおじちゃんと並んで座ったところで「ラムネの歌」が流れます。
西村ヤン太郎がアイリスの顔の汗を拭ったり、ジャンポールにラムネを飲ませたりと細かい芝居で盛り上げ、しっかりと一曲として成立させました。
11曲目「夜のロンド」では再び黒ドレス姿のかえでが登場。
歌劇的な要素が強い曲を、幻惑的なダンサーズの踊りと共に魅せ、最後は高笑いで終わるという、強いインパクトを残す一曲になりました。
12曲目は「ひらめきの歌」。紅蘭の面白ソングの中でも屈指の名曲です。
今回は紅蘭を中心にさくら、ベロムーチョ武田、上原健太さんが一丸となって踊りまくりました。
13曲目は歌謡ショウのクライマックスといえばこの曲という「夢のつづき」。
上原さんが次の曲のタイトルコールをしただけで客席から反応があるほどの人気曲で、煌びやかなレビュウ服に着替えたさくらが登場すると大歓声が上がります。
歌い踊るさくらの可憐さに心を奪われますが、圧巻は終盤のラインダンスで、歌いながらダンサーズと並んで高く脚を上げる動きも見事です。
14曲目は歌謡ショウのオープニング曲としておなじみの「これがレビュウ!」。
振りつけが当時から変わらず、花組メンバーのソロパートがある曲でもあるため、さくらがレビュウ服姿でさくらパートを歌っている場面は歌謡ショウそのもののよう。
出演者をひとりずつ呼び込んで紹介するカーテンコールでは、かえでが「わたしの青空」、紅蘭が「東京的休日」のサビを歌う大サービス付き。
さくらは「さくら」を一節歌いました。
最後の挨拶では、かえでが「みなさんからエネルギーをもらえて楽しかった」、紅蘭が「今年も真夏のフェスの空気を味わえてよかった」と喜びを語りました。
ラストナンバーはもちろん「檄!帝国華撃団」。
コロナ過の頃はできなかった“会場全員が立ち上がって一緒に踊る”ことが当たり前にできるようになり、初めて生のステージを観に来れたというサクラファンも長年の憧れを開放させるように、おなじみの振りをみんなで踊ります。
『踊りませう!』のフラグは最後に全員で踊ることで回収しました。
「全国のサクラファンのみなさまへ、敬礼!」
アンコールはさくらで「夢見ていよう」。歌いながら客席を廻ってハイタッチする演出が名物に!
最後に観覧したすべてのお客様に対し、深々と礼をして終了。
キャストの自主企画イベントとしては桁違いのクオリティで、サクラファンから寄せられる想いを受け、期待に応え続ける姿には本当に頭が下がります。
来年、発売から30年目を数える『サクラ大戦』。何か大きな力が働き、より良い形で記念の年を迎えられますよう心よりお祈り申し上げます。
[取材・文/帝劇スタ夫]



































































