音楽
LiSA『SAOアリシゼーション WoU』ED「unlasting」インタビュー

LiSA『ソード・アート・オンライン アリシゼーション WoU』EDテーマ「unlasting」インタビュー|LiSAが語る「みんなの歌」の意味とは?

残された人達の歌だから歌詞の中の主人公も流れる回によって変わる!?

――歌詞の主人公はこのキャラという限定もしていないような。

LiSA:《アリシゼーション》編を読んで一番感じたのは、みんな残された側だなって。キリト君もユージオがいなくなって世界に残された側だし、キリト君がお話できなくなり、ユージオもいなくなって戦わなくちゃいけなくなったアリスも。別の世界にキリト君がいる状態で、外で頑張らなきゃいけないアスナとか。

だからお話ごとに主人公が変わっていくだろうなと。アスナを描く回もあれば、アリスを描く回もあるだろうし、キリト君の回想でユージオが出てくる時があるかもしれないと想像した時、みんなのEDテーマになる曲になったらいいなって。

 

――サビの「どうか貴方もどこかで泣いていますように」は衝撃的だし、意味深ですよね。悲しい気持ちになっていたとしても生きてくれればいいという願いにもとれるし。

LiSA:歌詞を書いていて、一番ぐっと刺さってほしいなと思ったのがそのフレーズです。

最初から幸せを願う曲のほうがきっと多いと思うし、最終的にそう願う曲も多いと思うけど、最後のフレーズ「どうか貴方が幸せでいてくれますように」の前に、本当に無くなった瞬間に思う気持ちが「どうか貴方もどこかで泣いていますように」で。

私があなたを思っている時にあなたも泣いてくれればいいなとか、どこかにいてくれればいいなと願う、そんな1行が書けたかなと思いました。

閉じた傷口を再び開いてのぞき込むようでつらかった

――またブログで「知られたくないけど、届いてほしい」とも書かれていますが、ご自身と重ね合わせた部分もあるのでしょうか?

LiSA:悲しいことってあまり人と共有しないじゃないですか。大事な人がいなくなる究極はお葬式だなと思っていて。また卒業式や結婚式、終業式など式がつくものって、自分自身が今日を迎えたんだということよりも、残される人たちのためのものなのかなって。

私もそういう経験をしたことがあって、その時、どう思っていたのかをすごく掘り下げて。1回傷口を治療、解決して縫って閉じたはずなのに、それをもう1回、切り開いて、「どんな気持ちだった? 私?」ってのぞいているような感覚で。正直、めちゃめちゃつらかったです。

――塞がった傷口がまだ閉じていくのには時間がかかるし、痛みもしばらくあるでしょうね。

LiSA:みんな時間をかけて傷口を閉じていくのだと思うけど、残された人の、残された時の歌にこの曲がなればいいなと思っています。

自分自身と会話しながら歌った感覚。レコーディングでは1番歌唱後、涙も

――歌い方もとつとつとしていたり、苦しさやつらさを振り絞っているように聴こえたり、場面場面で変わっているような。

LiSA:歌詞を書いているので、歌詞の中に入っていく感覚がありましたが、音楽を作るという意味でメロディとメロディからインスピレーションをもらった言葉をのせ方、その言葉をのせた後のアレンジで作られる感情の波に少しずつのっかっていく感じで。それらが全部重なって、こういう表現になったと思います。

――LiSAさんの楽曲の中でもこういう歌い方をされている曲は珍しいですね。

LiSA:珍しいし、自分の感情をさらけ出す歌が多いので、どちらかというとパ~ンと思い切りエネルギーを発散させることが多いけど、「unlasting」は内に秘めて、自分自身と会話したり、自分に歌っている気持ちが強かったですね。

――レコーディングでは1番を歌い切った時点で泣いたそうですね。

LiSA:アレンジも曲も歌詞も同じ方向を向いて、同じ感情を共有しながら新しいものを積み上げていった感じがあって。だから感情をすごくのせやすかったです。

ピアノや二胡などのアナログとシンセのデジタルが混じり合い壮大なスケール感のサウンドに

――アレンジも草野さんのピアノと二胡が独特の空気感を漂わせつつ、シンセの音はトツトツと時間を刻んでいて。全体的に壮大なサウンド感はTVシリーズのEDというより劇場版くらいのスケール感があります。

LiSA:そうですね。作品がゲームの中のデジタル世界のお話だし、そういう世界観のサウンドになっています。

――確かに曲中のノイズもデジタル世界ならではだけど、アナログっぽい生っぽさもあって。

LiSA:アレンジャーの(堀江)晶太君に私が一番こだわってお願いしたのは、1番と2番の間のフレーズ、聴いているだけでその瞬間に涙がこぼれるようなメロディを歌っているように書いてほしいと。デジタルの中の繊細さはそういうところからきているのかなと思います。

カップルの物語をLiSAさんが語り部のように歌うMV

――MVはカップルが主人公のドラマっぽい映像になっていますね。

LiSA:私自身の歌というよりはみんなが自分自身に重ねられるような、みんなの歌だと思っていて。

それは悲しみを味わったことがある人や大切な人を失ったことがある人が聴いて「自分の歌だ」と思える曲になればいいなと願っているので、MVの主人公も私ではなく、『SAO』の物語を見て、「unlasting」を聴いて感情移入するように、映画の主人公が男の子と女の子がいてとドラマっぽく、映画の中の歌のような映像で、私は語り部として歌っていて。今までにないMVになっています。

――ジャケットも髪は乱れ、悲しみや憂いを感じさせる表情で、いつものLiSAさんのイメージとはまったく違って。

LiSA:そうですね(笑)。「unlasting」はそれぞれの音の意味や空間を感じてほしいので、1回目はヘッドフォンやイヤフォンで味わって聴いていただきたいです。携帯電話に残されたボイスメモを聴くくらいの感覚で(笑)。

そして聴くごとに発見があると思います。それだけいろいろな仕掛けをしているので。またアニメのお話が進むたびに曲の主人公や感じ方も変わってきます。

1話から特殊EDで、アリスがキリト君の隣りに寝ているシーンで流れたし、2話で本当のED映像が公開されましたがそのクオリティもすごくて。映画かなと思ったくらいで。

3話はまた暗黒騎士の映像で。そのあたりも楽しみながら聴いていただけたらと思います。

――カップリングは3曲ありますが、どんな曲になりそうですか?

LiSA:来年、「LiVE is Smile Always~unlasting shadow~」というアコースティックツアーを控えているので、少し音を洗練して、今までほど音を詰め込んでいない曲で、アコースティックでも楽しんでもらえる曲を意識して作っています。

また共通して言えることは悲しみに一緒にひたるのが「unlasting」だとしたら、そこからどう乗り越えていくのか、その後に元気になれる曲など、悲しみを持っていたり、経験したことがある人への楽曲になっています。

(C)2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
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