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劇場版『SHIROBAKO』宮森あおい役・木村珠莉インタビュー

劇場版『SHIROBAKO』宮森あおい役・木村珠莉さんインタビュー|待望すぎる新作の魅力について木村さんに聞いてみた

イデポン宮森 成長篇

――ありがとうございます。ここからは久しぶりに木村さんが宮森さんを演じた感想を聞いてみたいです。

木村:自分の中では『SHIROBAKO』って、気持ち的にずっと続いている感覚があって。節目節目でイベントやCMがあったりして、時々宮森さんに会えてたからなのかもしれないですけど。なので、久しぶりに宮森さんを演じることについては、緊張や違和感があったりなどはありませんでした。

うん、作品の中でも時間が流れているので、宮森さんも変化したなって思うところはありましたね。宮森さんはこれまで、気持ちが顔に出ちゃうところも魅力だったんです。

でも、顔に出ない、大人として自分の気持ちを押し込めてる部分だったり、ムッとするけどそこは出さずに切り替えたりとか。

TVシリーズの頃だと「そんなことないよ!」とか言ってたと思うんです。それをグッと我慢して堪えるのは、もしかしたら経験で生まれたプライドとかもあるのかもしれないなって。なので、今回は以前よりも大人になっている宮森さんを意識しながら演技をしました。

――これまでの宮森さんって少し頼りないところもあるけど、持ち前の行動力でカバーしてきたというか。

木村:そうですね。台本を読んだら頼れる人になってるなって思いました。その頼れるところって何から来ているのかなって色々考えたんです。

例えば、先輩たちの背中や大きな事件の後の燻っていた気持ちだったり。これまでも宮森さんって、何かトラブルに巻き込まれる中で成長してきたじゃないですか?

――確かに。宮森さんがトラブルを作るケースってほぼないですよね。

木村:自分のせいだったら自分が変わればいい。でも、自分じゃないところが原因でいつもトラブルに巻き込まれていて。自分を変える以外で解決策を考えなくちゃいけないってどういう気持ちだろう。ここも色々と想像しながら演じましたね。

宮森さんはほどんど人に弱音を言わないし、自己完結していくところもあるし。ミムジー&ロロで解決してるところもありますけど(笑)。そういった意味でも、今回は宮井さんの存在が大きいんだろうなって思います。愚痴を吐き出したりもできるし。いいバディがようやく見つかったなって思います。

――さっきから思っていたんですけど、木村さんって宮森あおいのことを“宮森さん”って呼んでるんですね。ご自身の役名にさんをつけて呼ぶのって少し珍しいなって思いました。

木村:え! 何ででしょうね(笑)。自分でも何だか分からないんですけど、最初から“宮森さん”って呼んでました。最初に演じた時から年下のキャラクターではあるんですけど、社会人でしっかりしているからかな?

宮森さんって、劇中でも宮森さんって呼ばれてることも多いからかな。アニメのキャラって下の名前で呼び合ったりするじゃないですか。みんな「宮森!」「宮森さん!」って苗字でこんなに呼ばれてる人も少ない気がします。特に可愛い女の子なので珍しいなって。

――確かに“みゃーもり”や“おいちゃん”以外のキャラクターって皆、宮森さんって呼んでいる気がします。

木村:ですよね。あっ、私“宮森さん”とは仕事仲間みたいな感覚で付き合っているのかも。宮森さんと私は全然タイプが違う人間なので尊敬の念を込めて、“さん”と敬称つけておこうかなという感じかもしれません(笑)。

――なるほど(笑)。これまで予告動画なども出てきましたけど、劇場版『SHIROBAKO』は、敢えて情報をあまり出していないですよね。木村さんはファンの皆さまにどういった気持ちで初日を待ってほしいですか?

木村:テレビシリーズを見てくださっていた方は、安心して待っていただきたいという気持ちですね。絶対面白いことは保証します。としか言えないというか。

テレビシリーズとはまた違った意味で劇場版『SHIROBAKO』に私は心を揺さぶられました。『SHIROBAKO』っていわゆる、日常系に分類されるお仕事アニメじゃないですか?だけど、すごくドラマチックだし、すごくエンターテインメントに溢れているし、すごく感動できる「映画だ!」って思ったんですよ。

テレビシリーズとは全然違う。テレビシリーズを見ていた人は「おおっ!このシーン」って思うところはあるけど、ちゃんと「映画だ!」って思っていただける仕上がりになっています。だから、安心して待っていて欲しいです。そして、多くの方に観て欲しいです。

――役者として、座長として今回、木村さんはどんなものをフィルムに残せましたか?

木村:役者、座長としてカッコいいことなんてありませんよ(笑)。アニメって本当にたくさんの人が関わって作っているので、私が残せてるものって何だろう? って思っちゃうくらいです。

収録を振り返ってみてだと、良い意味で『SHIROBAKO』にとっての未来を思い描きながら演じられたかなって思います。

テレビシリーズのラストシーンって、まだまだ物語は続いていくんだよっていう感じで終わりましたよね。でも、私の中では「やりきった」という気持ちがしっかりとあって。当時の私ができることは全部できた気持ちだったんですけど。

今回、劇場版で宮森さんを演じてみて、また宮森さんやムサニのみんなに会いたいって気持ちが強くなりました。

――もしも、今回の劇場版が公開された後に「もう一回あります」って言われたら木村さんはいかがですか?

木村:私は準備万端です(笑)。(アフレコが)終わった後に内打ち上げじゃないですけど、監督とかスタッフさん含めてご飯を食べたんです。

そこでも「次はこういうのが見たいです!」、「こういうのやってください!」って言っちゃたくらいなので(笑)。今回の劇場版がまだ公開されてもいないのに、次を期待しちゃいます。

――そこまで役者さんが思える現場、作品って素敵ですよね。

木村:本当に先輩方からも『SHIROBAKO』をやっていた時から、「こんな作品にはなかなか巡り合えないから大事にしなよ」って言われていたんです。アニメ制作ってすごく自分の身近なテーマだからこそ、そう感じるのかもしれないですけど素晴らしい作品に出会えて幸せだなって思います。

もちろん、『SHIROBAKO』以外にも出演させていただいた作品は全て特別ですけどね。

――最後に、2020年2月29日。うるう年の公開を楽しみに待っているファンの方たちに一言メッセージをお願いします。

木村:まずは、劇場版ならではのものが詰まった作品なので、その点に期待して欲しいです。『SHIROBAKO』の劇場版ができたのも、ずっと待ってくれていたみなさんのおかげです。

『SHIROBAKO』作っている人たちもかなり劇中のように大変な日々を過ごしていると思うんですけど。でも、みなさんがいるからこそモチベーションを保っている作品作りができていると思います。エンドロールまで、劇中の人たちを思い浮かべながら最後の最後まで観ていただけると嬉しいです。

――ありがとうございました!

[取材・文/川野優希]

作品情報

劇場版『SHIROBAKO』

全国ロードショー中!

あらすじ

いつか必ず何としてでもアニメーション作品を一緒に作ろうと、ひょうたん屋のドーナツで誓いを立てた上山高校アニメーション同好会の5人。卒業後それぞれがそれぞれの場所でアニメーション制作に携わっていく。

宮森あおいは「えくそだすっ!」「第三飛行少女隊」の制作を経て、少しずつ夢へ近づきつつ、徐々に自分の本当にやりたいことを考え始めていた。

あれから、4年。日々の仕事に葛藤しながら過ごしていたあおいは朝礼後、渡辺に呼ばれ新企画の劇場用アニメーションを任されることになる。しかし、この企画には思わぬ落とし穴があった。今の会社の状況で劇場用アニメーションを進行できるのか? 不安がよぎるあおい・・・

新たな仲間・宮井 楓やムサニメンバーと協力し、完成に向けて動き出す。

果たして、劇場版の納品は間に合うのか――!?

スタッフ

原作:武蔵野アニメーション
監督:水島 努
シリーズ構成:横手美智子
キャラクター原案:ぽんかん8
キャラクターデザイン・総作画監督:関口可奈味
美術監督:竹田悠介・垣堺司
色彩設計:井上佳津枝
3D監督:市川元成
撮影監督:梶原幸代
特殊効果:加藤千恵
編集:髙橋 歩
音楽:浜口史郎
音楽制作:イマジン
主題歌:fhána「星をあつめて」(ランティス)
プロデュース:インフィニット
アニメーション制作:P.A.WORKS
配給:ショウゲート
製作:劇場版「SHIROBAKO」製作委員会

キャスト

宮森あおい:木村珠莉
安原絵麻:佳村はるか
坂木しずか:千菅春香
藤堂美沙:髙野麻美
今井みどり:大和田仁美
宮井 楓:佐倉綾音
矢野エリカ:山岡ゆり
安藤つばき:葉山いくみ
佐藤沙羅:米澤円
久乃木 愛:井澤詩織
高橋球児:田丸篤志
渡辺 隼:松風雅也
興津由佳:中原麻衣
高梨太郎:吉野裕行
平岡大輔:小林裕介
木下誠一:檜山修之
葛城剛太郎:こぶしのぶゆき

公式サイト
公式Twitter

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