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『Fate』シリーズ用語・ネタ解説【連載14回:フィーッシュ!!】

【連載14回:フィーッシュ!!】『FGO』がもっと楽しくなる!?『Fate』シリーズに関連した様々な用語・ネタを解説!

 

注意:以下のページに一部歴代TYPE-MOON作品の言及アリ

 

フィーッシュ!! とは

「フィーッシュ!!」は、魚を釣り上げた際にエミヤが口にする台詞。

先日行われていたイベント「サーヴァント・サマーキャンプ! 〜カルデア・スリラーナイト〜」の1シーンで、釣り好きの側面を見せていたエミヤですが、この台詞を不思議に思ったプレイヤーも少なくないのではないでしょうか。

実はこのシーンには、2つの元ネタがあると思われます。

1つは、月刊誌『コロコロコミック』で1996~2000年にかけて連載されていた釣り漫画『スーパーフィッシング グランダー武蔵』。

この漫画において、主人公である風間武蔵を始め、多くの登場人物が魚を釣り上げた際「フィーッシュ!!」と叫び声を上げており、当時の読者に強烈な印象を残しました。

正確には、釣りプロである村田基さん(作品内ではミラクルジムとも呼ばれる)をはじめとした一部の釣り人が魚を釣り上げた際に、「当たり」の意味合いで「フィッシュ!」という声を上げていた影響を『グランダー武蔵』が作品内に輸入した形だと思われます。(その村田基さんは、その後バンダイから発売されたコラボルアーの監修を担当するなど、『グランダー武蔵』との縁も深いです)

コロコロコミックのような少年誌で釣り漫画が連載されるのは珍しいのですが、当時広がりつつあったバス釣りブームを、さらに小中学生にまで広げたのがこの『グランダー武蔵』。

この1990年代の後半は、日本においてもっとも釣りが盛り上がっていたといってもいい時代で、とくに今の30代前後の世代は、『グランダー武蔵』をきっかけに釣りに興味をもった……という人も多いのではないでしょうか。(筆者もその一人でした)

そしてもう一つの元ネタが、ゲーム『Fate/hollow ataraxia』における、ランサー(以下、クー・フーリン)とアーチャー(以下、エミヤ)の釣り対決のシーン。

『Fate/stay night』のファンディスクである『Fate/hollow ataraxia』においては、前作で見られなかったサーヴァント・マスター達の日常が見られるのが特徴となっており、このエピソードもその一つ。

『hollow ataraxia』では、慎二から釣り竿を譲り受けたクー・フーリンは、港で釣りをしながら過ごしていることが多いのですが、士郎との会話で「釣りの腕ならサーヴァント最強」という言葉を口にしてしまいます。

これを聞きつけたのか、その後のイベントではエミヤが港に登場。投影魔術をフル活用して最新式の釣り用具一式を揃え、ハイテンションに「フィーッシュ!」と声を上げながら魚を次々と釣り上げてクー・フーリンを挑発。

港最強のサーヴァントの称号をかけて釣り対決を挑み、居合わせた士郎は大人げないその姿から思わず目を背ける……といった内容になっていました。

『FGO』における該当イベントも、かなりこのイベントを意識したものとなっており、湖の魚を釣り尽くす勝負をしようとして、サメから怒られるシーンもありましたが、『hollow ataraxia』でもエミヤは「この港の魚を釣り尽くしても構わんのだろう?」という台詞を発しています。

またエミヤが口にする「タコ釣りのクー・フーリン」とは、この一連のイベントでクー・フーリンがタコを釣り上げていたのを意識した台詞と思われ、エミヤは『hollow ataraxia』での出来事を記憶しているとも考えられ、胸が熱くなります。

なお『FGO』では最後に、ギルガメッシュたちが乱入したような描写もありましたが、実はこれも『hollow ataraxia』の展開を踏襲したもの。二人の釣り対決には、最終的にギルガメッシュも乱入し、エミヤ以上に財力にものを言わせたツールで魚を次々と釣り上げ、クー・フーリンを呆れさせていました。

▲エミヤが口にした「厄介なの」とは、おそらくギルガメッシュのこと。『hollow ataraxia』では、一度は最新の道具でクー・フーリンを圧倒したエミヤですが、それを上回る最新装備を揃えたギルガメッシュ対しては「道具に頼るとは見下げ果てた」と言い放っており、士郎から「お前が言うな」とツッコミを受けていました。

▲エミヤが口にした「厄介なの」とは、おそらくギルガメッシュのこと。『hollow ataraxia』では、一度は最新の道具でクー・フーリンを圧倒したエミヤですが、それを上回る最新装備を揃えたギルガメッシュ対しては「道具に頼るとは見下げ果てた」と言い放っており、士郎から「お前が言うな」とツッコミを受けていました。

この『hollow ataraxia』の一連のイベントは「ランサーズ・ヘヴン」というシーンタイトルになっており、騒がしいメンバーの乱入によって、穏やかだったランサーのヘヴン(楽園)が、どんどん失われていくという、ランサーの不幸っぷりを象徴するようなエピソードにもなっています。

もっとも、この頃はまだ後にこんな目に合う(参考記事:【連載第1回・ランサーが死んだ!】)とは、誰も予想できてはいなかったと思いますが……。

他にも、『衛宮さんちの今日のごはん』において、ランサーが魚屋でアルバイトをしているのは、このイベントが下地になっていると推測できますし、『FGO』ではランサーと共に釣りをするエミヤとギルガメッシュが描かれた礼装「スリー・アングラー」も実装されるなど、何かとオマージュされることも多いです。

◆「スリー・アングラー」についての記事はこちらから!

カルデアにおいてはおかん属性を発揮したり、感情豊かな面を見せてくれることも多いエミヤですが、『hollow ataraxia』発売当時は、クールで斜に構えた印象が強いキャラクターでした。

そのエミヤがぶっ飛んだおふざけを見せてくれたのがこのイベントであり、その分強烈にファンの心に残ったのだと考えられます。

また「フィッシュ」は実はエミヤだけではなく、『hollow ataraxia』のヒロインであるカレン・オルテンシアも口にしており、人によってはこちらの印象が強い方もいるかもしれません。

残念ながらカレンは、まだ『FGO』のストーリーには未登場(概念礼装には登場)なのですが、あの言峰綺礼の娘という非常においしい立場のキャラクターなので、今後の実装に非常に期待が高まります。

今回の「サーヴァント・サマーキャンプ! 〜カルデア・スリラーナイト〜」は、このエミヤの台詞に限らず、日常と対象的なホラー、プレイヤーの視点を利用してのトリック、一部のBGMなど、『hollow ataraxia』のオマージュと思わしき要素がちらほらと見受けられており、往年のファンを大いに喜ばせました。

実は毎年CMや戦闘中に流れる水着イベントのお馴染みのBGMは、『hollow ataraxia』のPVで使われていたもので、水着イベントとの関連性がとくに深いタイトルとなっています。

劇場版『Heaven's Feel』を見た後であれば、尚更プレイするのにこれ以上ないタイミングなので、この機会に是非『hollow ataraxia』も遊んでみてください。

今後も本連載では、様々な『Fate』シリーズに関連したネタを紹介するのでお楽しみに。

[文/米澤崇史]


『Fate』シリーズ用語・ネタ解説

◆第01回・ランサーが死んだ
◆第02回・ええー? ほんとにござるかぁ?
◆第03回・何度も出てきて恥ずかしくないんですか
◆第04回・おっと心は硝子だぞ
◆第05回・スカディシステム
◆第06回・すまない……(すまないさん)
◆第07回・王の話をするとしよう(マーリン)
◆第08回・いろんなガチャ宗教
◆第09回・他のサーヴァントに遅れを取ることもなかった
◆第10回・サクラファイブ

◆第11回・ガチャは悪い文明
◆第12回・沖田さん大勝利
◆第13回・おい、その先は地獄だぞ
◆第14回・フィーッシュ!!
◆第15回・俺のサーヴァントは最強なんだ!
◆第16回・ドスケベ公
◆第17回:ボクはキミの剣
◆第18回:溶岩水泳部
◆第19回:私は悲しい……(ポロロン)

◆[HF]第三章公開記念番外編・『Fate』シリーズには桜がいっぱい!?

『Fate/Grand Order』概要

タイトル名:Fate/Grand Order(フェイト/グランドオーダー)
ジャンル:FateRPG(フェイトRPG)
iOS/Android にて好評配信中
企画・開発・運営:DELiGHTWORKS Inc.(ディライトワークス株式会社)
製作:TYPE-MOON / FGO PROJECT
価格:基本無料(ゲーム内課金あり)

Fate/Grand Order 公式サイト
Fate/Grand Order 公式ツイッター(@fgoproject)
ハッシュタグ:#FGO

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