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ClariS10周年の軌跡|10th Anniversary BESTと共に振り返る

ClariS10周年の軌跡|10th Anniversary BESTと共に振り返る

2010年10月20日にメジャーデビューを果たしたClariSが、10周年を迎えた2020年10月20日(火)に初の配信ライブ『ClariS 10th Anniversary Precious LIVE~ Gift ~』を行い、翌21日にベストアルバム『ClariS 10th Anniversary BEST – Pink Moon –』と『ClariS 10th Anniversary BEST – Green Star –』を同時リリース。

前者がデジタルポップチューンを中心、後者がデジタルロックチューンを中心とした楽曲に新録曲や新曲を追加したものになっているのだが、どちらにも、これまで彼女たちが歌ってきたアニメタイアップ曲を数多く収録されている。

ここでは、彼女たちの10年の歩みを振り返っていきたいと思う。


 

数々の名作アニメを彩ってきた楽曲たち――10周年を迎えたClariSのこれまでとこれからが詰まったベストアルバム

2010年の10月20日、ClariSは、1stシングル「irony」でメジャーデビューを果たした。新人アーティストながら、TVアニメ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』(以下:『俺妹』)のOPテーマに大抜擢されたのだが、その歌声を聴いた瞬間、新しい風が吹いたことをよく覚えている。

10年前と言えば、ちょうど動画サイトから、アーティストやクリエイターが生まれ始め、新たな時代の潮流を感じていた頃でもある。09年にTVアニメ『化物語』で、supercellの「君の知らない物語」(※supercellのコンポーザーであるryoも動画サイトで活躍していた)が大ヒットしてからの、同じく人気ライトノベルを原作にした『俺妹』のアニメ化。

ClariSは、「アリス☆クララ」という現役中学生ユニットとしてニコニコ動画を中心に活動していたし、「irony」を作詞・作曲・編曲をしたkz(livetune)も同様なので、時代感にはとてもマッチしていた。しかも『俺妹』はEDテーマをニコニコ動画で公募し、その楽曲を声優がキャラクターとして歌うという斬新な企画も行っていたので、時代が動き始めた頃の象徴的な作品のひとつと言っていいかもしれない。

『俺妹』は、TVアニメ『けいおん!』などでブレイクした人気声優・竹達彩奈がヒロインの高坂桐乃を演じていて、OPのアニメーションは、桐乃の最高の笑顔から始まる。そのカットで流れていたのが、ClariSの歌声が前面に押し出された「irony」のサビで、誰もがそこで、彼女たちの声に圧倒されたと思う。透明感、そして歌っているのが中学生であることが信じられないほどの大人っぽさ、さらには昭和の歌謡曲を聴いているかのようなノスタルジックさがある不思議な歌声。しかもそれが、kzが生み出す最先端のダンスチューンに乗って聴こえてくるのだから、その衝撃はすさまじかった。

デビュー曲で、オリコン・ウィークリー・チャート初登場第7位という快挙を成し遂げ、一気にアニソンファンに認知されたClariSは、2011年に2ndシングルをリリースする。TVアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』(以下:『まどマギ』)の主題歌「コネクト」である。作詞・作曲した渡辺翔は、kzと共に、今もアニソン界を牽引する存在だが、この曲も、サビ始まりで、ClariSの声が強調された構成になっていた。

“魔法少女”という言葉が持つイメージやアニメのOP映像、タイトルロゴのポップな印象のように平和な作品かと思いきや、3話でいきなり凄惨なアニメへと変貌していき、社会現象になるほどヒットしたアニメだったのだが、途中でアニメの印象が大きく変わったとしても、不思議なことにClariSの歌は作品にマッチし続けていた。

ピュアでポップな印象を持ちながらも、大人びてシリアスな印象もある、陽と陰の両方の要素を併せ持った稀有な存在とも言えるのかもしれない。ちなみに、このときもまだ現役中学生なのだから、その表現力に驚くばかりなのだが……。そしてその歌声は、『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [前編] 始まりの物語』主題歌の「ルミナス」、『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編] 叛逆の物語』の主題歌「カラフル」へと続いていき、やはりこの作品には、ClariSの歌声が必要だと思わせてくれた。

そしてもうひとつのビッグタイトルが『物語』シリーズだ。その最初の接点となった曲が4thシングル「ナイショの話」だ。2012年の2月にリリースされた『偽物語』のEDテーマで、作詞・作曲を務めたのはsupercellのryoである。ClariS憧れの存在でもあったryoが手掛けたパンクロックチューンで、メロディの後ろで、楽しそうに踊り狂っているギターを弾いているのは元JUDY AND MARYのTAKUYAだ。

それを知って妙に納得感したものだが、そんなパンクな楽曲もClariSの音楽にしてしまうあたり、やはりとてつもないセンスと歌唱力の持ち主なんだなと再確認してしまった。2人によるユニゾンやハーモニー、そして高音の心地良さ、ビブラートを使わずストレートに音を伸ばせるところや掛け声のかわいさなど、技術に裏付けられた表現力こそ、彼女たちの強みなのだ。それはつまり、アニメの世界観に影響を受け、振り幅が広くなりがちなアニソンというジャンルにおいて、大きな武器でもある。

彼女たちのアニソンとの関わりを語る上で欠かせない『俺妹』『まどマギ』『物語』シリーズの3タイトルについて書いてきたが、あらためてClariSについての話をすると、もともとアリスとクララの2人組ユニットだった。ここまで紹介した楽曲のすべては、この2人が歌唱したものがアニメで流れている。

だが、2014年、TVアニメ「ニセコイ」の後期OPテーマ「STEP」、そして2014年6月4日に発売された3rdアルバム『PARTY TIME』を最後に、アリスが学業に専念するためにClariSを卒業している。その後、クララと同じ音楽スクールに通っていたカレンが新メンバーとして加入し、クララとカレンによる新生ClariSが誕生。このベストアルバムのすべての楽曲が、クララとカレンの歌唱バージョンで収録されている。

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