三木眞一郎さんと宮野真守さんが傑作ホラーを演じきる! 「みきくらのかい」第二回公演「怪談贋皿屋敷」で魅せた悲しき恋の行方│ゲネプロレポート
声優・三木眞一郎さんと、演出家、映画監督・倉本朋幸さんによるリーディングユニット「みきくらのかい」。2019年11月に行われた第一回公演リーディングでは江口拓也さんをゲストに、横内謙介さん原作の「いとしの儚」の朗読を披露し、大勢の観客を虜にしました。
そして2020年12月19日、待望の第二回公演リーディング「怪談贋皿屋敷」が開催されました! 今回は、『機動戦士ガンダム00』などでも共演されたことのある宮野真守さんをゲストに招き、横内さん原作の傑作ホラー「怪談贋皿屋敷」を朗読。
お話の舞台は江戸時代のとあるお屋敷。この屋敷の主の悪事によって誕生したある幽霊話を巡り、その策謀に巻き込まれる者たちの悲しきお話が紡がれます。
公演を直前に控えた12月18日には、ゲネプロが実施されました! 今回はその模様をレポートします!
※以下、一部ネタバレを含む可能性があります。
三木さん、宮野さんが魅せた性別を問わない巧みな演じ分け!
事前コメントにて「目のはなせない役者さんの一人でありました。そんな彼と一緒に作品を創るコトが出来る! 楽しみが溢れ出てしまいます!」と、今回ゲストに招いた宮野さんとの共演を楽しみしていた三木さん。
対する宮野さんも「「憧れの兄貴」三木さんと、がっつり二人っきりでお芝居を交わす事が出来るなんて、本当に幸せでしかたありません! しかも今回の企画は、僕が今まで経験した事のないような形のリーディング劇なので、かなりワクワクしています。自分が、今まで培ってきた経験、力、すべてをぶつけて、臨みたいと思います!」と意気込みを露わにしていた本リーディング公演。
ベテラン声優として数々の実績を築いてきた三木さんと、声優、俳優、歌手とマルチに活躍する宮野さん。役者として申し分ない経験を積んでいるふたりがどんなお芝居を披露してくれるのか、その熱量の高さとあわせて期待が集まる公演となっています。
ゲネプロ当日、定刻を迎え、舞台にふたりが現れると早速開幕。お話の舞台は江戸時代、悪い噂が絶えない青山播磨のお屋敷。物語はこのお屋敷の女中たちの会話から始まります。
屋敷の貴重なお皿を割ってしまったお菊と、彼女を責める者、かばおうとする者たちのやりとりが展開。この渦中で、すすり泣き、許しを請う弱々しい姿のお菊、彼女を攻め立てる口の悪い先輩女中。演じるふたりは、性別の異なる人物ながらもその性格ごとに巧みに演じ分け。普段はあまり見ることのできないか弱さや艶っぽさのある女性の演技を序盤から堪能できました。
女中たちの間で起こる騒動の裏では、屋敷の主・播磨とその家来たちが御用金横領を巡って暗躍。彼らは、大金を隠し切るため枯井戸を利用した嘘の幽霊話を広めようとするのです。男たちの会話劇では、物語の鍵を握る播磨を宮野さん、そんな播磨に助言する家老と謎の協力者を三木さんが演じ、これから起きる事件を予感させる不穏な空気を漂わせました。
枯井戸の幽霊話を軸に、播磨たちの策謀が進んでいく物語。しかし、播磨は、悪事をいとわない一面を持ち合わせながらも、お菊に対して情け深い一面も見せていきます。
次第に繰り広げられるお菊とのロマンス、そしてクライマックスには「まさか」でもあり、「やはり」とも言える怒涛の展開が訪れます。うすのろ女中・お菊と、人心を欺くという魔力に魅せられた播磨の運命は……。
話が進むごとに明らかになる幽霊話の真実、そしてお菊と播磨の関係性がホラー要素を交えつつ展開したこの物語。サスペンション要素とロマンス要素、そしてホラー要素が加わった飽きのこないお話でした。
そんなお話で、ナレーション、女、男、大勢の登場人物を代わる代わる演じ分けたふたり。その幅広い演技はまさに圧倒! やや毒の効いた軽快なジョーク、「金玉」の連呼や、時代的にありえるのか?とツッコんでしまいそうになるちょっとした一言など、人と人の会話劇の間に散りばめられたクスッとしてしまうやりとりの数々もこのふたりならではとも言えるアプローチでした。
演技はもちろん、移りゆく登場人物の心境を表現した舞台照明や、時に刀を手にした鬼気迫る演技といった舞台上の仕掛けも用意された本公演。今後、公演に関する新情報もお知らせされる予定とのことなので、ぜひ「みきくらのかい」の公式サイト、公式Twitterをチェックしてみてください。
<カメラマンクレジット:大石隼土>
みきくらのかい第二回公演リーディング「怪談贋皿屋敷(かいだんにせさらやしき)」公演概要
■原作:横内謙介「怪談贋皿屋敷」
■脚色・演出:倉本朋幸
■出演者:三木眞一郎・宮野真守
■公演日時:2020年12月19日(土)14:30/18:30 開演
■劇場:日本教育会館 一ツ橋ホール (〒101-0003 東京都千代田区一ツ橋2-6-2)
<お知らせ>
みきくらのかいは近いうちに皆様にお知らせを届けられるよう準備を進めております。公式WEB・Twitterでお知らせいたしますので引き続きチェックをお願いいたします!
公式サイト
公式Twitter:@mikikura_no_kai