音楽
中島愛5thアルバム『green diary』インタビュー

今回の新曲は「〇〇なときの私」がテーマに|中島愛さん5thアルバム『green diary』インタビュー

中島愛さんが、5thアルバム『green diary』をリリースする。彼女の原点とも言える「緑」をテーマに描き下ろした新曲8曲を含む全10曲。Webサイトにて公開されているrecording diaryには、このアルバムを作るに当たっての気持ちや各曲の打ち合わせの様子などが綴られている。
今回、アニメイトタイムズでは彼女がどんな思いを込めて、このアルバムを作っていったのかを聞いた。ぜひ、その日記と合わせて読んでみてほしい。

アルバムを作っていくに当たって大事にしたのは、客観性

──昨年、12月3日(木)に『中島愛 キャラクターソング・ライブ~FULL OF LOVE!!~』が開催されましたが、久々の有観客でのライブでしたね。

中島愛さん(以下、中島):お客様をお呼びしてのライブが、2020年はこの一度だけだったので、いろんな新鮮さがありました。鈴木みのりちゃんのライブにゲスト出演をした前日を含めての2日間は、本来のライブの姿を久々に感じられた日でもありました。

──ずっと緊張していましたよね。

中島:キャラクターソングライブなので、初めて生で歌う曲が多かったし、オンラインで同時生配信という経験もあまりなかったので、いろんな意味で緊張したんですけど、ライブがスタートしても終始緊張してましたね。顔が硬い硬い!(笑) でもライブが終わって楽屋に戻ったら、もうアーカイブが見られたので、この形も良いのかもしれない!って思いました。これからのライブのスタンダードになりそうですよね。

──新譜の話になりますが、4thアルバム『Curiosity』から、カヴァーミニアルバム『ラブリー・タイム・トラベル』、ベストアルバム『30 pieces of love』、そしてキャラクターソングアルバム『FULL OF LOVE!!』と続いたので、ずっと楽しませてもらってはいたのですが、久々のオリジナルアルバムになります。

中島:具体的に動き出したのは2019年末くらいですけど、『Curiosity』のあとから、次はこうかな、ああかなというのを考えていた3年間でした。最初に10曲収録というのが決まって、ベストアルバムにもシングル曲を入れていたので、それ以降のシングル曲である「水槽」と「髪飾りの天使」を入れると、残り8曲が新曲になるんですけど、こういう状況でもあったので、本当に予定通りに制作が進むのか、そしてちゃんと2月3日にリリースができるのかという心配は少しありました。でも、久々のアルバム制作なので、やはり気持ちの面ではこれまでと違いましたね。

──5thアルバム『green diary』では、recording diaryを中島さん自身が書かれていて、そこにいろいろなエピソードが綴られていますが、自分から積極的に、こういう曲にしたいという要望を出していたようですね。

中島:前回の『Curiosity』は、プロデューサーの田村充義さんに基本的にはすべてを委ねて、田村さんの懐に飛び込んで作ったアルバムだったんですけど、今回は、田村さんがしてくれたことを自分でやってみよう、自分がこうしたいというアイディアを積極的に出していこうというところからスタートしているんです。

ただ、自分の好きな音楽や、こういうことをしたいというのを反映させるに当たって、自分を客観的に見なければいけなかったんですね。でも、本名で活動をしていることもあって、アーティストや歌手としての自分を客観的に見ることが難しかったんです。

だからまず、客観的に、今の中島愛が何を歌ったら面白いのかという妄想から始めてみようという感じだったんですけど……アルバム自体が、ダイアリーという内省的なことをテーマにしているから、それって矛盾してない?っていう(笑)。

──歌には、結構プライベートな部分が見え隠れするような曲もありましたからね(笑)。

中島:そうなんですよ。だから、内の自分と外の自分を違う角度から見て合体させるみたいな感じなんです(笑)。

私のストーリーをポップスに昇華するイメージ

──アルバムは作家さんと打ち合わせをしながら作っていったそうですが、どんな感じだったのですか?

中島:今回は、自分やディレクターさんが書いてほしいと思った方に曲を作っていただいているんですけど、その打ち合わせは、言葉を交わして、私はこういうことを思っていて、あなたの作るこういう曲が好きなんですと、ちゃんとコミュニケーションを取る場という感じだったんです。だから、打ち合わせが一番楽しかったです。

──この人には、こういう曲を書いてもらいたい、というヴィジョンもしっかりあったのですか?

中島:8曲を作るに当たって、緑のカラーチャートを作ったんです。緑にもいろいろあるので、全曲をその色に割り振って、こういうテーマで書いてほしいですというのを固めてから、作家さんにオファーを出しました。

──アルバム全体を通して聴いたとき、バランスがいいし、何より曲順が完璧だなと思ったんです。アルバム全体のことも考えながらオファーを出していったのですか?

中島:曲順は、作家さんに曲をお願いする前から決めていたんです。これは『Curiosity』スタイルを踏襲しているんですけど、作家さんが本当にピッタリの曲を書いてくださったんですよね。

──「ドライブ」から「水槽」の流れなどは完璧でしたし、「水槽」は2019年聴いたアニソンの中でベストだと個人的に思っているくらい好きな曲なんですけど、この流れで聴くと、また違った感情が湧いて来るんです。

中島:2019年のことを聞かれたら、そのことを言ってくださいね(笑)! でも、シングルの曲もまた違う感じで聴いてもらえるように配置しているので、アルバムの流れで聴いていただくのがベストではあります。

──1曲目の「Over & Over」は、□□□(クチロロ)の三浦康嗣さんによる曲ですが、最高の出だしですよね。シングル「水槽/髪飾りの天使」のカップリング「夏の記憶」で一緒にやっていて、中島さん自身がファンだとおっしゃっていましたが、また今回もユニークな曲で、ライブ前後の気持ちの変化を楽曲で表現していました。特に、ポーンという鍵盤の音が印象的で。

中島:三浦さんには、アルバムの1曲目で、日記の書き出しみたいな感じで始めてほしいというオーダーをしました。以前ご一緒したときから、ライブにも遊びに来てくださったんですけど、それでも数回しか会ったことがないのに、私の性格とか性質をすごく分かってくださっていて、楽しそうなんだけど飛び込み切れていない感じとかが出ているんですよね(笑)。

今回の新曲は、それぞれ、「〇〇なときの私」というテーマで書いてもらっているんですけど、これはステージに上がるときの私というのがテーマなんです。ステージに出る前って、帰りたい!って思うくらい緊張するんですけど、ステージに出ると笑顔で歌っていたりする。その矛盾が自分でも分からないんですけど、ステージに向かうまでを歌で構築してくれているので、あのポーンは、ライブ前の音出しなのかな?っていう感じがしました。そこから通路を進んで、ステージ袖に着いたのかなって。

──ステージに着いて、歌って、そこから打ち上げをして、徐々に興奮が覚めていくところまでを曲のテンポとかアレンジで表現しているのが、新しいなと思いました。

中島:緩急がありますよね。それでいてほどんどの言葉が韻を踏んでいて。「ラップをしたいわけではないけど、ポエトリーリーディング感が強い歌を歌いたい」という私からのリクエストにも応えてくださったので、独特の雰囲気があると思います。それとこの曲、ボーカルを録ったときと、トラックダウンのときでオケが全然違っていて、その変身ぶりも含めて、三浦さんの天才さがすごすぎました(笑)。

──ボーカルもかなり新しい感じでしたね。

中島:歌うのは難しかったですけど、すごく楽しかったですし、ライブでぜひ歌いたいですね! 最後のラララのところは、スタッフさんや三浦さん含めて合唱してもらって、客席から聞こえる歌声みたいな感じになっているのも、抜けきれない高揚感!みたいな感じでいいなと思います。

──リード曲の「GREEN DIARY」は、元Galileo Galileiで、BBHFの尾崎雄貴さんが曲を書いています。

中島:尾崎さんはディレクターさんからの提案でした。私ももちろん存じ上げていましたけど、初めてのアプローチだったので受けていただけるのかと思ったら、快く受けてくださって、ありがたかったです。しかも、詞も曲もすごく早く出来てきたので、びっくりしました。ここでも、天才ってすごいな!って。

打ち合わせはリモートだったんですけど、すごくやわらかい印象の方で、自分がべらべらと、デビューはこうで、デビューからの経緯はこうで、こういう気持ちがあったりしたんですと話したことを汲み取って歌詞にしてくれて。

──中島さんをデビューから知っている人が書いていないのが逆に良いと感じたんです。詞を読めば、あのときのことなのかな?と思うんですけど、ちょうどいい客観性で書いている感じがしたというか。

中島:それは思います。活動休止をしたり、喜びもあって葛藤もあったというところを、すごく美しいストーリーにしていただいたんですよね。後出しみたいな感じですけど、今回は自分の気持ちや歩いてきた道のりをふんだんに入れたいと思っていたんですけど、そこで一番大事なのは客観性だと思ったんです。

私がただ内へ内へ入って、それを人に投げるというより、私のストーリーをポップスに昇華するようなイメージがあって、それには作家さんたちの力が必要不可欠なので、すべてを助けてもらったという感じです。だから客観性はすべての曲で光っているところだと思います。

──ポップスに昇華している、というのはすごく分かりますね。この曲は、中島さん自身のストーリーなので、特に。

中島:だから歌っていても、落ち込まないというか。良いことだけが書いているわけではなく、いろいろな波があったねって歌っているんですけど、なんだか爽やかな気持ちになれるのは、尾崎さんのパワーだなって思います。

──演奏も尾崎さんのチームだと思うんですけど、アレンジやメロディ含めて、すごく尾崎さんらしさがあるのも良かったです。

中島:すごく良い曲ですよね。この曲は、デモがめちゃめちゃ良くて、プレッシャー!みたいな感じでした(笑)。尾崎さんにレコーディングしてほしいと思ったくらい、切な美しい、きれいな歌声でした。

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