【連載】TVアニメ『WAVE!!～サーフィンやっぺ!!～』田中ナル役・中島ヨシキさんインタビュー vol.1｜ナチュラルさを意識したナルの役作り

ナルは外国の方に大人気!?

——演技の面で“こうしてほしい”というディレクションはありましたか？

中島：特にありませんでした。ナルに関しては、オーディションのときも特になかったような気がします。アニメが始まってからも、ダメ出しはあまりもらったことがないです。

——中島さん自身が捉えたナルが、本当にぴったりだったのでしょうね。

中島：そうだったらすごくありがたいです。でも、本当にナルは“普通”だからなんだと思うんです（笑）。だからこそ、何色にもなれるというか。

空気を読んじゃうので、そこがまた子供っぽくないところですが、マサキとショウの間を取り持ったり、影でそっと背中を押してあげたり。

同級生なんですけど、ちょっとナルは一歩引いてみているところがあるので、3人の中でいうと母親のようなところがあると思います。

——ナルのような中学生って、なかなかいないですよね。

中島：やっぱり学者の親がいたり、昔からサーフィンをやっていたりと環境がそうさせる部分もあるんだと思います。サーファーは大人の方が多いので、昔から大人と交流する機会も多かったんじゃないかな、と勝手に想像しています。

——個人的に、田中ナルのプロフィールで“海の声が聞こえる男”が気になりました。

中島：面白いですよね。僕は海の声を聞こうと思ったこともないです（笑）。海の声が聞こえるといったら極端かもしれませんが、サーファーの皆さんは経験から波が来ることをわかっていらっしゃるので、すごくカッコいいです。

——スタッフの方から『WAVE!!』Twitterアカウントのフォロワーが外国の方が多いらしく、ナルは特に外国の方から人気があるとお伺いしました。

中島：そうなんですね！　女性人気だとメガネをかけているユータの人気が出ていそうな感じがしますが……でも、すごく嬉しいです！

サーフィンは頭も使うスポーツ

——第5話ではナルがハワイに旅立ちますハワイではありませんが、白井さんと小笠原さんと一緒にサーフィンをしに湘南へ行かれたそうですね。

中島：はい。僕と白井さんと小笠原くんの3人でサーフィンをやりましたが、天気は悪いし寒いですし波も塩っぱいですし……。あっ、サーフィンがつまらないから、というわけではありませんよ？

ただ、インストラクターさんも「今日はちょっと……」とおっしゃるぐらい（天候の）コンディションが悪かったので、もう1度やらせてもらいたい気持ちが正直なところです。

——そんなに悪かったんですね。

中島：そうなんです。でも、『WAVE!!』関連で、土岐くんと小笠原くんは宮崎に行ったとき、すごく天候に恵まれたそうじゃないですか。そのときの写真がLINEで送られてきたんですが、ブロックしてやろうかと思ったほど腹が立ちました（笑）。

——（笑）。でも、コンディションが悪かった湘南で、中島さんはボードに立つことができたんですよね。

中島：はい。実際にやってみると、サーフィンはすごくアクティブで体も使いますけど、頭も使わないといけないスポーツだと感じました。

多くの方が抱いているイメージに反して、チャラチャラしていない競技だと思ったので、だからこそ『WAVE!!』という作品を通して、そういう魅力をしっかりと伝えたい気持ちがあります。

——ちなみに、今までサーフィンしたことは？

中島：全くないです。本音を言うと、サーフィンは朝早くから筋肉質の黒く焼けているチャラいお兄ちゃんが女の子を引っかけながら波にのるというイメージを持っていましたが、そうではないということを伝えていかなければならないな、と思っています。

——確かに、そういうイメージがありました。だからこそ『WAVE!!』を通してサーフィンの奥深さや魅力を知ることができるという意味では、サーフィンと視聴者の架け橋のような作品になる気がします。

中島：そうですね。おそらく、視聴者の方は女性が多いと思うので、興味が出てきたらサーフィンに挑戦してみるのも良いですし、バスケやバレーといった身近なスポーツとは違う面白いスポーツがあるんだな、と思っていただけたら嬉しいです。

『WAVE!!』の登場人物たちはちゃんとサーフィンをしますから、いろいろな知識が得られると思います。