『左手は添えるだけみたいな』松坂桃李さんがハンター語しか喋らない吹き替えに挑戦した映画『モンスターハンター』を語る
主演二人のアクションも見どころ十分
――今回の映画の見どころについて聞かせて下さい。
松坂:モンスターのクオリティですね。監督(ポール・W・S・アンダーソンさん)の愛を感じました。『モンハン』をプレイしている方が見ても「そのままの姿形で出てきた」と思える仕上がりになっています。
まず、この時点で見る価値は十分にあると思います。勿論、『モンハン』を知らない方でも設定として分かりやすくなっていますよね。ファンタジーの世界に引き込まれていくような。
――はい。映像の迫力がすごくて分かりやすいストーリーの作品だなと思いました。
松坂:アルテミス(ミラ・ジョヴォヴィッチ)が『モンスターハンター』のワールドに入っていって、ハンターと知り合って。最初は喧嘩もしたりするけれど、ちょっとずつ言語を教えあったりしながら、仲を深めていく。子供が見ても分かりやすいと思うんですよね。勿論、アクションシーンの見ごたえも十分です。とにかく主演二人が体張りまくってますから。
――確かに。
松坂:アクションが抜群の二人が演じると、ここまで魅せつけることができるんだなって。楽しみ方は人それぞれで、沢山見どころがある作品になっています。
松坂さんと声の演技
――これまで松坂さんは『HELLO WORLD』や『ドラゴンクエストヒーローズ』など声の仕事でも活躍されています。
松坂:ありがたいです。
――声の仕事ならではの楽しさや、難しさなどをお聞きかせいただいてもよろしいですか?
松坂:声の仕事はすっごく難しいです。
楽しさからお話すると、特に『ドラクエ』は自分がゲームの声ができるなんて、そんなワクワクすることない! って思ったりとか。アニメの場合は絵が結構出来上がっていたりすると、そこにお邪魔する楽しさがあるというか。
生身で演じていたりすると、(台本が)文章だけだったりするので、自分の想像を膨らませたりするんですけど。アニメの場合はキャラクターの絵ができあがっているので、そこに合わせて声を入れるのが楽しさだと感じていますね。
――松坂さんが声で参加された作品を見ていると、声が立っているというか。その場にいる感じが伝わってくるとても自然なお芝居をされる方という印象がありました。
松坂:ありがとうございます。
――何か工夫をされたりとかどういった準備をしているみたいなものはあったんですか?
松坂:ちっちゃい頃、アニメを録画して、音を消して自分の声で喋るという遊びをよくしていたんです。それこそ(アニメの)アフレコみたいなものですよね。
感覚的にこの時の延長線上にある気がするんですよね。当時から(声を当てている時に)自分の中で違和感があるな? と思ったりしたので。
もっと、技術的にスキルアップしなくちゃいけないんですけど、子ども心でやってるというか。
――子ども時代で経験していた遊びの延長線上に今の声のお芝居があるということですね。
松坂:はい。(キャラクターの声が)こうだったらいいなってイメージがあるというか。もうちょっとこういう声を出してみたいと思うこともありますけど。大塚明夫さんみたいな声を出したいですし。
「……待たせたな」って言ってみたいじゃないですか。
――あはは(笑)。
松坂:本当にいい声ですよね。うん……。どうやったらこの世界の住人が喋っている声になるのか?どうリアルな声に近づけられるのか?ここを意識しています。
例えば『パディントン』だったら、マーマレードサンドを食べながら喋っているのであれば、実際にパンを食べながら喋ってみるとか。口引っ張ったりとか。逆に塞いでみたりとか。色々と試してみるのが楽しいです。
――ありがとうございます。では、最後に『モンスターハンター』の公開を楽しみにしているファンへメッセージをお願いいたします。
松坂:『モンハン』のファンの方からすれば随所に「これこれ!」というシーンがあると思います。監督が『モンハン』好きなんだなぁということが本当に伝わる内容になっています。
ご家族で楽しめるアドベンチャーエンターテイメント作品になっていますので、ぜひ4DXで楽しんでいただきたいですね。映画を見るというか、映画を体感できる作品かなと。
ミラ・ジョヴォヴィッチとトニー・ジャーと一緒に体感していただけると嬉しいです。
文・川野優希
作品情報
3月26日(金)狩猟解禁
監督・脚本:ポール・W・S・アンダーソン
出演:ミラ・ジョヴォヴィッチ、トニー・ジャー、ティップ・“T.I”・ハリス、ミーガン・グッド、ディエゴ・ボネータ、ジョシュ・ヘルマン、オウヤン・ジン、山崎紘菜 and ロン・パールマン
原作:「モンスターハンター」(カプコン)
製作:コンスタンティン・フィルム、テンセント・ピクチャーズ、東宝
配給:東宝=東和ピクチャーズ共同配給
(C)Constantin Film Verleih GmbH