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劇場版『FGOキャメロット後編』川澄綾子インタビュー

劇場版『Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット- 後編Paladin; Agateram』川澄綾子さんインタビュー|獅子王は、アルトリアからもっとも遠いキャラクター

獅子王とアルトリアは、価値観がまったく違う

ーー獅子王とアルトリアのキャラクター性の違いについては、どう感じられていますか?

川澄:私の中では、その2人は全然違うというのが一番の印象で、今までいろんなアルトリアを演じて来ましたけど、その中でも一番原典(「Fate/ stay night」シリーズ)から遠いんじゃないかなと思っているくらいです。アルトリアは、「人の心が分からない」と言われることもありますけど、彼女自身はとても人間を愛していて、国や人々を守るためなら自分を犠牲にすることを厭わないという、民のための王である、ということが重要なキャラクターなのですが、獅子王は王を越えた神の視点から世界を見ているので、アルトリアとは価値観がまったく違うんです。後編では、ベディヴィエールの回想の中でアルトリアも出てくるので、その対比も印象的でしたね。

ーー以前のインタビューでは、様々なアルトリアについて、まったくの別人ではなく、アルトリア自身のテンションの違いという方向性で演じ分けをされているとお話されていました。獅子王はそれよりも、別人に寄った形だったのでしょうか。

川澄:確かに別人を演じるような意識だったかもしれません。アルトリアにとって、人々のためというのはベースになる部分だと思いますが、獅子王はそれを切り捨てようとするので。

ーー円卓の騎士の中で、お気に入りのキャラクターはいますか?

川澄:実はこれは六章が劇場アニメになる前からそうだったんですけど、ベディヴィエールですね。

元々『stay night』では、あまり他の円卓の騎士が描かれていないのですが、ベディヴィエールが静かにアーサー王の最期を看取る、森のラストシーンがとても印象に残っていました。他の円卓のような強さや華やかな逸話もない騎士であるベディヴィエールが、自分の想いだけを支えに王の元へとたどり着き、言葉をかけるという六章の物語は、ベディヴィエールだからこそ成し遂げられたことなんだと、改めて感じましたね。

ベディヴィエールは、円卓の中で唯一アルトリアを、王というよりも人間として見てくれた存在なんじゃないかと思っています。実際にそう感じ取れる台詞もあるのですが、それをアルトリアに伝えることができるのもベディヴィエールの強さなのかなとも思いました。

ーー第六章は、『stay night』の[Fate](セイバー)ルートとの関係性が非常に深いエピソードですが、ベディヴィエールの真意を、ゲームでプレイされて知った時はいかがでしたか?

川澄:やっぱり素直にびっくりしましたね。もちろんベディヴィエールにも責任はあるのですが、私としては、「なんてことをさせてしまったんだ」というのが一番最初の感情で(笑)。

ーー川澄さん自身が、ベディヴィエールに対して申し訳ない気持になったというか。

川澄:そうですね。同時に、もしあそこでアルトリアについていたのが他の円卓の騎士だったら、また違った結果になったんじゃないかな……とも思うんですよね。あの状況でベディヴィエールが決断できなかった気持ちもすごく理解できますし、ベディヴィエールがなぜその選択をしたのかということも、今回の劇場版を見ていただければ、しっかりと納得できる作りになっていると思います。

ーー第六章の重要なキャラクターである、アグラヴェインについてはいかがでしょうか?

川澄:アグラヴェインは、「実はこの人が一番悪いんじゃないか」みたいな疑惑を抱きながらゲームをプレイされた方も多いと思うんですけど、彼の行動原理はすべて王のためです。

それを考えると、アルトリアとベディヴィエール、獅子王とアグラヴェインって、同じ王と臣下という関係性でありながら違った形をしているのが興味深いです。獅子王とアグラヴェインは一見ドライな関係に見えるけど、お互いをすごく信頼しあっているんですよね。アグラヴェインは多くを語らないので誤解されがちですが、彼にとっては獅子王にさえ理解されていれば、他の人にはどう思われてもいいと考えていたからこそ、あのような振る舞いをとっていたのかなと。

ーー原作アプリゲーム「Fate/Grand Order」版の主人公にあたる、藤丸立香というキャラクターについて、どんなところが魅力だと感じられましたか。

川澄:彼の一番の長所は、他人を心から信頼できるところだと思っています。自分が弱い存在であることも知っていて、マシュを始めとしたサーヴァントたちやカルデアのメンバーを信じようとする気持ちがとても強い。どんなに劣勢になることがあっても、一度たりとも仲間の強さを疑うことをしないというのも、彼のすごいところなのかなと思います。

ーー島﨑信長さんの熱演も印象深かったです。川澄さんから見た、島﨑さんの演じる藤丸というのはいかがでしたか?

川澄:彼自身がもっている、「この世界が大好きだ」という感情が、キャラクターにも乗っているように感じます。これは演技での「好き」だけじゃ到達できない部分だと思います。彼は全身全霊で『Fate』の世界を愛しているので、登場するサーヴァント達のことも全員大好きなんですよ。だからどのキャラクターの話を聞いても、絶対に肯定的なことしか言わないんです。それが彼ならではの、愛に溢れた役に対するアプローチなのかなとも感じますね。

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