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春アニメ『Vivy』エステラ役・日笠陽子 声優インタビュー

春アニメ『Vivy -Fluorite Eye's Song-』エステラ役・日笠陽子さん 声優インタビュー│マツモトをさらにパワーアップさせていく福山潤さんに抱いた悔しさ——

一人だけ個室に……アフレコでのエピソードと福山潤に抱いた悔しい感情

ーーオンエアされている映像を見て、どんな印象を持ちましたか?

日笠:オムニバス形式というのが、オリジナル作品では珍しいですよね。第3~4話がエステラのエピソードでしたけど、それぞれ時代が違うこともあって、同じ作品なのに別世界に迷い込んでしまったような感覚があるので不思議だなと思いました。

演じているときは分からなかったんですけど、オンエアで通して見ると制作者側の意図というか、「こういうことを伝えたい」というより、見ている人に考えてもらいたいのかな?と思ったところがいくつかあったんです。

AIの心の在り処ってどこなんだろうというところなんですけど、AIは心を持つのか持たないのか、AIが感じる感情ってどこから来ているんだろう?と考えてしまうんですよね。

これは私の見解なんですけど、AIも人も誰かと関わることで人間になるというか……そういうことなのかなと思いました。エステラの場合は前オーナーであり、ベスや小鳥になるのですが、誰かと関わることで生まれるものって絶対にあるから、心がどこに宿るかは分からないですけど、何かと関わることが重要なんだろうなと思いました。

これはいろいろなところで言っていますが、「触れ合い」がポイントになると思っているんです。第2話でヴィヴィとマツモトが手を組むときに握手をするのですが、言葉だけでは築けない関係性が、握手をすることで芽生えたりするのかなと思ったし、第4話ではエステラとベスが爆発していく宇宙船の中で手をつないでいるんですけど、そういうところに何か意味を見い出しながら見てしまっているんですよね。時代とか人種を超えて「触れ合う」ことって何だか大事な気がします。

ーー映像的なところで、ここはすごかった!と思うシーンはありましたか?

日笠:映像が美しいのは皆さんも思っていることだと思います。アフレコのときは完成前だったので、出来上がったPVを見たとき衝撃的だったんです。「なんじゃこりゃ!」と。すごいですよね。あとヴィヴィの目の描き込みを見ると、気合いが本当にすごくて! アニメでは見たことがないような描き方やタッチでした。

ーーところどころアンドロイドっぽいタッチになるところがありますよね。

日笠:そこにすごく衝撃を受けました。あともう一つのポイントは歌ですよね。声優さんが演じて、そのキャラクターのまま歌うことはありますけど、今回はあえて歌う人と演じる人を分けているということで、その人が持っている能力やプロフェッショナルなところに注力できたんですよね。それぞれのいいところを発揮できるところが素敵だなと思いました。

それに歌手の八木海莉さんの声が種ちゃんにすごく似ているんですよ! エステラの歌担当の六花さんも私に声が似ていると言われるんです。たぶん役者さんが先に決まっていたので、その声に近い方を探してくださったんだと思うんですけど、その気合いの入り方、本気度をスタッフさんから感じました。

ーーアフレコで大変だったことはありますか?

日笠:第4話は種﨑さんたちとは別のブースで収録をしたんです。

ーー同じ現場にはいるけど、ブースが個室だったんですね。

日笠:一緒にやっているのに、ヘッドフォンを通してみんなの声が聞こえてくるから寂しくなってしまって(笑)。テストが終わるたびに扉を開けて、「みんなぁ」って言っていました(笑)。

第3話は3人入れるブースで一緒に録れたんですけど、そのときは感じなかった孤独感が第4話ではあって。ある意味エステラとベスが顔を合わせず、別々の部屋で実験をされていたときの感覚みたいなものを味わっている感じでした。

でもそれって、みんなで一緒にいることを知っているから感じる寂しさなんですよね。だからもしエステラが、前オーナーと出会い、自分がオーナーとなりヴィヴィたちと出会った状態であの小部屋に入れられたら、知らなかったときよりもっともっと寂しくて孤独というものを感じたんでしょうね。

ーーアフレコで、監督からはどんなことを言われましたか?

日笠:実はアフレコのときは、それほどお話を聞くことはできなかったんです。そのあとにBlu-rayの2巻に付くドラマ(※オリジナルドラマ「First Step」。「サンライズ」誕生にまつわる描き下ろしエピソード)の収録があって、それがエステラと前オーナーの過去の話になるんですけど、そこで監督とゆっくりお話する機会がありました。

でも、キャラをこう演じてくれ云々は全然ないんです。役者が演じるキャラクターを信じてくださっているので、特に指示とかはなかったので、監督と話すときは答え合わせというか。監督や脚本の先生の中にある正解と、「私たちが考察で導き出したものはこうなんですけど、どうですか?」みたいなやり取りをしている感覚でした。

 

 

ーー先程福山さんの話をしましたが、あの分量のセリフをあの尺の中で収めるだけでなく、分かりやすく伝えるという神業をやってのけていると思うのですが、改めて役者である福山さんを見てどう思いますか?

日笠:本当にすごいことをしていると思います。昔から共演をさせていただいるので、福山さんがわーーっとしゃべって、私が理解できずにキレるというお約束の展開というものがあるんです。犬猿の仲みたいな。まぁ、言ってしまえばネタなんですけど(笑)、そういう目線で福山さんを見ていたのが、この現場で本気の福山さんを目の当たりにして、ずるいなと思いました。

声優って技術職だと思うので、その技術をいかんなく発揮されているところが、同じ役者として悔しくて! 尺もタイトなんですけど、マツモトをさらにパワーアップさせていき、逆に尺が余ることがあったらしくて、本当にすごいなと思いました。なので、福山さんを見ると悔しいんです(笑)!

ーー入らないと思って削ったところを、戻したりしたとおっしゃっていましたね。ではヴィヴィ役の種﨑さんについてはいかがですか? 

日笠:ヴィヴィもエラーが起きてキャラクターがガラリと変わったりするんですよね。種ちゃんに聞いたら、オーディションでもガラッと変わるお芝居をしたそうなんですけど、その展開を実際に見たときは驚きました。

ヴィヴィは淡々としながら、ポツポツと語るんですけど、種ちゃん本人もそういうタイプなので、まんまヴィヴィだなと思っているんです。だから種ちゃんの中にもヴィヴィと同じで何かきっかけがあったら切り替わって、わーって楽しく明るくなる瞬間とかもあったりするのかなと。そのくらいリンクしていたので、近い存在なのかなと思います。

ーー気になるキャラクターはいますか?

日笠:やっぱり垣谷ユウゴですね。第1~2話で登場した垣谷青年が第3~4話では大人になって出てくるのも不思議でしたし、最初にヴィヴィと出会ったときに感情を引きずって現れたので、何が彼をそんな風にさせたんだろうと思うし、ヴィヴィが彼の人生に与えた影響ってすごかったんだろうなと思いました。

きっとそれは本人にとっては大きな出来事だったんでしょうね。本人にしかわからない正義とか思いがあるから、それを外から私たちが100%理解するのって難しいんだなと思いました。

ーーでは最終回に向けて、ファンへメッセージをお願いします。

日笠:エステラを演じた以降のシナリオは読んでいないので、皆さんと同じ目線で作品を楽しんでいます。人生って旅だなと思うんですけど、ヴィヴィがこれから誰と出会うのか、どうやって歩いていくのか、みたいな部分を楽しみにしています。

それと、どうやら内山夕実ちゃんは出ているらしいんですよ(※インタビューは第9話後に行われました。エリザベスは第11話で再登場)。それを福山さんたちが話しているのを聞いていたんですけど、最後は絶対に教えてくれないんです! だから気になって仕方なくて……。

誰か(ラスボスのような)悪い人っているのかな? 垣谷たちもそうですけど、垣谷なりの正義や、世界を良くしようとする想いがあって、ヴィヴィにはヴィヴィの正義がある。だから悪いものとかあるのかな?と思ってしまいます。

なので私も、見ている方々と時を同じくして、驚いたり、こんなことだったの!って思ったりしたいなと。ですので、エステラのように皆さんのお供をさせていただきたいなと思います!

[文・写真/塚越淳一]

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TVアニメ『Vivy -Fluorite Eyeʼs Song-』作品情報

 

放送情報

TOKYO MX:毎週土曜より23:30~
とちぎテレビ:毎週土曜より23:30~
群馬テレビ:毎週土曜より23:30~
BS11毎週土曜より23:30~
MBS:毎週土曜より(※初回のみ26:38~放送)27:08~
メ~テレ:毎週土曜より26:30~
北海道放送:毎週土曜より25:58~
RKB毎日放送:毎週土曜より26:00~
AT-X:毎週月曜より(※初回のみ23:00~24:00となります) 23:00~

※全13話
※放送開始日・放送日時は編成の都合などにより変更となる場合がございます。予めご了承ください。
 

スタッフ

原作:Vivy Score
監督:エザキシンペイ
助監督:久保雄介
シリーズ構成・脚本:長月達平・梅原英司
キャラクター原案:loundraw(FLAT STUDIO)
キャラクターデザイン:高橋裕一
サブキャラクターデザイン:三木俊明
メカデザイン:胡拓磨
総作画監督:高橋裕一、胡拓磨
美術監督:竹田悠介(bamboo)
美術設定:金平和茂
色彩設計:辻󠄀田邦夫
3D ディレクター:堀江弘昌
撮影監督:野澤圭輔(グラフィニカ)
編集:齋藤朱里(三嶋編集室)
音響監督:明田川仁
音楽:神前 暁(MONACA)
アニメーション制作:WIT STUDIO
 

キャスト

ヴィヴィ:種﨑敦美/八木海莉
マツモト:福山潤
エステラ:日笠陽子/六花
グレイス:明坂聡美/小玉ひかり
オフィーリア:日高里菜/acane_madder
 
公式サイト
公式ツイッター(@vivy_portal)

(C)Vivy Score / アニプレックス・WIT STUDIO
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