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アニメ『スター・ウォーズ:ビジョンズ』今石洋之、神山健治ら監督陣が集結したイベントレポート

日本のアニメスタジオが『スター・ウォーズ』世界を広げる『スター・ウォーズ:ビジョンズ』に参加する監督たちのこだわりが明らかに! 今石洋之監督、神山健治監督らクリエイター陣が集結したイベントをレポート

日本のアニメスタジオと『スター・ウォーズ』がタッグを組んだ最新作『スター・ウォーズ:ビジョンズ』が始動! オリジナル短編アニメ映画集として、「神風動画」「キネマシトラス」「サイエンスSARU」「ジェノスタジオ」「スタジオコロリド」「トリガー」「プロダクションI.G.」が、それぞれの持ち味を生かした『スター・ウォーズ』のアニメを送り出します。

「Disney+ (ディズニープラス)」での配信を控える中、7月14日に「ジャパン キックオフイベント」が開催! 各作品の監督が一同に介し、作品の概要や魅力をアピールしました。

登壇者(敬称略)

[神風動画]水崎淳平
[キネマシトラス]垪和等
[サイエンス SARU]チェ・ウニョン、アベル・ゴンゴラ
[ジェノスタジオ]五十嵐祐貴
[スタジオコロリド]木村卓
[トリガー]今石洋之、大塚雅彦
[プロダクションI.G.]神山健治

日本のアニメスタジオがおくる『スター・ウォーズ』

イベントでは監督たちをステージに呼び込む前に、ルーカスフィルムからのビデオメッセージが紹介。映像では『スター・ウォーズ』という作品は日本のカルチャーから影響を受けた作品であること、日本カルチャーとの繋がりについてルーカスフィルム側の熱い思いが明らかになりました。

そして今作は、『スター・ウォーズ』世界の正史にこだわらない自由な作品が届けられると期待を煽られたところで監督たちが順番に登場。集まった監督たちは、各作品の魅力やチャレンジ要素、シリーズへの思いなどを明らかにしました。

▲『スター・ウォーズ』世界の端っこの出来事が描かれるという『The Duel』。和風の絵柄が特徴的な本作について水崎監督は、『スター・ウォーズ』の概念を壊していくつもりで、“神風イズム”全開で制作に挑んでいると熱弁しました。

 

▲銀河にはいろいろな星があり、その数だけ風習がある。『村の花嫁』について垪和監督は、数多の星の中のひとつにフォーカスを当て、その星の風土を描いた一作だと紹介。キネマシトラスの人気作であり、垪和監督作品『メイドインアビス』で描いた豊かな自然の描写が『村の花嫁』と共通しており、今回も自然の描写に力を入れたとアピールしました。

 

▲儚いラブストーリーを描いた『赤霧』。子供の頃からのシリーズファンであり今回監督を務めることになったチェ監督は、このオファーに対して最初は半信半疑だったのだとか。制作においては、数々のチャレンジを盛り込み、若手からも多くのアイディアが多く集まったことを明かしました。

 

▲サイエンスSARUのもう一作『T0-B1』について、小さなドロイドの成長譚と語るアベル監督。制作において、日本アニメと『スター・ウォーズ・ユニバース』へのリスペクトは欠かさないものの、両方のリスペクトのバランスを保つことに苦戦したと語りました。

 

▲エピソード3と4の間を描いた『のらうさロップと緋桜お蝶』。五十嵐監督は、帝国の支配が徐々に進んでいるとある星を舞台に、その星の現地人たちの姿が任侠映画風に描かれる一作だと紹介。音楽面では和とオーケストラのミックスにこだわりを詰め込んだとアピールしました。

 

▲『スター・ウォーズ』世界でロックバンドを描いた『タトゥイーン・ラプソディ』。今作で初めて監督を務めるという木村監督は、ライブシーンやバンドメンバーの友情と絆が見どころだと紹介。スタジオコロリドならではのデザイン性、色彩豊かな表現といった“らしさ”全開の一作であると自信をのぞかせました。

 

▲トリガー制作のアニメ映画『プロメア』のスタッフが続投しているという『THE TWINS』。今作について今石監督は、エピソード9の後を舞台に、宇宙のどこかに潜んでいた帝国軍の残党が双子の暗黒卿を生み出し、再起を図ろうとする様子を描いた作品と紹介。『プロメア』で培った技術と『スター・ウォーズ』の魅力が融合した作品になっていると明かしました。

 

▲エピソード1よりも古い時代が舞台の『The Elder』。今作について大塚監督は、同じくトリガー制作の『THE TWINS』の方向性を探りつつ、日本の時代劇を意識した一作になったとコメント。シリーズを見たことのない人でも楽しめる作品になっているとアピールしました。

 

▲シリーズの象徴的な存在である「ライトセイバー」と「ジェダイ」の“再生の物語”である『九人目のジェダイ』。久しぶりの作画アニメへの参加に「ワクワクした」という神山監督は、CGとは違う方向性の熱量を作品を通して見せることができると語りつつ、アニメーターたちの仕事っぷりに注目してほしいと期待を煽りました。

 

▼各作品の魅力を語る監督たち

集まった監督たちはいずれも、『スター・ウォーズ』の作品世界を踏襲しつつも、自社の強み、そして日本アニメ独自の魅力をふんだんに盛り込んだとアピール。また、シリーズをまだ見たことのない人でも楽しめる作品がたくさん用意されているようなので、大作だからと肩肘張らずに見ることができるのではないでしょうか。

そんな気になる全9作品は2021年9月22日より「Disney+ (ディズニープラス)」にて一挙独占、日米同時配信となります!

作品情報

全世界を興奮と歓喜で満たし、社会現象を巻き起こし続けてきた空前のエンターテイメント「スター・ウォーズ」。この銀河で最も有名なシリーズを生み出したルーカスフィルムとスター・ウォーズにとって創造のルーツとなった日本との新たなプロジェクトが始動。世界最高峰のクオリティを誇る作品を送り出してきた日本のアニメクリエイターたちの“ビジョン”を通してスター・ウォーズの新たな物語が描かれる。 2021年9月22日(水)より全9作品を一挙独占、日米同時配信!

 

神風動画

『The Duel』水﨑 淳平(総監督)

テレビアニメ『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズのオープニング映像や、企画・制作を手がけたテレビアニメ『ポプテピピック』が大きな話題を呼び、映画『ニンジャバットマン』が世界的にも高く評価されたアニメーションスタジオ。代表の水崎淳平氏が1998年に個人事業主として活動を開始し、2002年に有限会社神風動画を設立した。3DCGだけに囚われることなく、技法を融合させた独自のアニメーション表現を追求し、躍動感のある演出や、独自のストーリー性や世界観が特徴。

キネマシトラス

『村の花嫁』/『Village Bride』垪和 等(監督)

「100年残る、時代が変わっても変わらない価値観が入っているフィルムを産み出す」という理念を掲げたアニメーションスタジオとして2008年に創設。以来、作品×社会×仲間×自分自身と常に向き合いながら制作を続けている。近年では『メイドインアビス』『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』『盾の勇者の成り上がり』などの海外ファンからの支持も熱い数々の話題作を生み出し、日本アニメの次世代を担うスタジオとして注目されている。

サイエンスSARU

『T0-B1』アベル・ゴンゴラ(監督)

『赤霧』/『Akakiri』 チェ・ウニョン(監督)

2013年に設立されたアニメーションスタジオ。映画『夜は短し歩けよ乙女』やアヌシー国際アニメーション映画祭長編部門グランプリ・クリスタル賞など数々の海外の映画賞を総なめにした『夜明け告げるルーのうた』、上海国際映画祭で金爵賞アニメーション最優秀作品賞を受賞した『きみと、波にのれたら』、アニメシリーズ「DEVILMAN crybaby」、「映像研には手を出すな!」などを生み出し、世界から高く評価されている。独特なキャラクターと美しい表現力を持ち、同社にしか生み出せないアニメーションでファンを魅了している。

ジェノスタジオ

『のらうさロップと緋桜お蝶』/『Lop and Ochō』五十嵐 祐貴 (監督)

アクションやサスペンスなど、重厚な世界観や絵作りが得意なスタジオ。2015年に設立され、鮮烈さ際立つ劇場アニメ『虐殺器官』を世に送り出した。また、2018年~2020年にかけ、TVアニメ『ゴールデンカムイ』を3シーズン制作。放送終了後もなお高い人気を集め続け、スタジオにとっての代表作となった。実力派スタッフが集結し、スタジオの描く世界観を形にするため、熱く・強い作品づくりに日々取り組んでいる。

スタジオコロリド

『タトゥイーン・ラプソディ』/『Tatooine Rhapsody』木村 拓(監督)

長編映画とショートコンテンツに特化した新進気鋭のアニメーションスタジオ。2011年の設立以来、著名クリエイターの参画をはじめデジタル作画へのチャレンジなど制作能力を向上し続けている。第42回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞した初の長編アニメとなる映画『ペンギン・ハイウェイ』、そして昨年公開の映画『泣きたい私は猫をかぶる』は、同社ならではの美しく温かみのあるビジュアルとダイナミックな映像演出が国内外から高く評価されている。

トリガー

『THE TWINS』 今石 洋之(監督)

『The Elder』 大塚 雅弘(監督)

制作会社GAINAX所属時に伝説的アニメ「天元突破グレンラガン」の制作に関わったメインスタッフ 今石洋之氏、大塚雅彦氏らを中心に新たに設立されたスタジオTRIGGERは、独自性の強いヴィジュアルや色彩豊かで大胆かつ斬新な表現を武器に『キルラキル』『リトルウィッチアカデミア』、オリジナルアニメーション映画『プロメア』などスタジオ自ら企画・原作を手がけ、国内のみならず海外のアニメファンからも熱狂的に支持されているアニメーションスタジオである。

プロダクションI.G.

『九人目のジェダイ』/『The Ninth Jedi』神山 健治(監督)

竜の子プロダクションより独立し、1987年に創業。1995年に発表した押井守監督作品『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』が米・ビルボード誌のセルビデオチャートで1位となったことで注目を集め、2004年には続編にあたる『イノセンス』がカンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出され、日本アニメ―ション初の快挙として話題となる。また、クエンティン・タランティーノ監督作品『キル・ビル Vol.1』のアニメーションパートを担当するなど、世界中に多くの支持者を持つ日本屈指のアニメーション制作会社。『攻殻機動隊』シリーズ、『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズ、『ハイキュー!!』シリーズなど、幅広いジャンルの作品を手掛ける。

『スター・ウォーズ:ビジョンズ』作品ページ

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