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『宇宙戦艦ヤマト2205』小野大輔&畠中祐インタビュー

『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章-TAKE OFF-』小野大輔さん&畠中祐さんインタビュー|土門も古代と同じ道を歩んでしまう、同じ魂を持っている

土門は若さと未熟さが魅力。演じる時は常に揺れている土門のままで

ーー畠中さんが演じる土門竜介は今作で新たにヤマトに乗艦したクルーの1人ですが、印象や演じる時に心がけたこと、ディレクションなどお聞かせください。

畠中:
土門は抱えているものが重すぎて、僕自身とは距離があります。彼が探している答えを一緒に探すように、“わからない”ということをそのまま出すように努めました。「常に揺れているままの土門でいよう」と。

ヤマトに乗艦するまではいろいろシミュレーションしていたと思うけど、乗ってからのこと、古代と対峙して気持ちがどうなっていくのか、彼自身わかっていなかった。(古代は)どんな人物なのか理解するため問いかけてみたりして。いろいろな感情は渦巻いていて、どんな終着点にたどり着くのか、わからないから危なっかしいけど、その若さや未熟さも魅力なのかなと思っています。

ーー小野さんの土門の印象と畠中さんのお芝居についての感想をお聞かせください。

小野:土門は畠中祐そのままです。今聞いていても感じるけど、祐は役に対してものすごく真摯に分析し、取り組んでいて、自分の中にちゃんと感情を落とし込んでいるなと思います。だから土門を見ていると祐の顔が自然と思い浮かんできます。中の人が出てきてしまっているという意味ではありません。先に何が待っているのかわからなくても、ただ情熱の赴くままにまっすぐぶつかっていく姿が、ぴったりと重なるんですよね。

だからキャスティングが見事だなと。(脚本の)福井(晴敏)さんに「よく祐をキャスティングしましたね? ピッタリですよ!」と話したら「そうなんですね」とお喜んでくれて。最初からそういう意図でキャスティングしたのではなく、畠中ならやってくれるという信頼からの。でもここまでシンクロ率が高いのはすごいことです。

古代と自分が重なっていて、僕が思っていることを古代がしゃべっている。思っていることが似ているというレベルではなく、まったく同じという瞬間を要所要所に感じていました。そしてここに来て新しい旅をする時に、ここまでシンクロした若手が出てきて、下から突き上げてくる。僕の役者としての在り方と祐の役者としての在り方と、僕と祐の関係性も含めてシンクロするなと。運命的なキャスティングに驚きながらも感動していました。

ーー畠中さんから見た古代進というキャラクターの印象と小野さんのお芝居についての感想をお聞かせください。

畠中:僕は原作を見ていなかったからこそ、古代に対して漠然としてヒーロー像を持っていて。彼が選択する場面ではいつも完璧に見えていましたが、小野さんのお芝居を通して、人間臭さがにじみ出ることでより身近に感じることができました。

古代にも揺れや苦悩する瞬間がより鮮明に見えてきたし、「これは古代 進の物語なんだ」と思わせてくれる熱い言葉も聞けて。「この人についていきたい」と思わせる圧倒的な説得力もあって。今作でも、揺れと熱量を含んだリアルな古代進を感じることができました。

ーー先日、デスラー役の山寺宏一さんへ、小野さんが演じる古代 進についてお聞きしたところ、かつて古代 進を演じたことがある身としても、葛藤する中でも真っすぐに生きる古代を見事に演じていると。また今作での古代と土門の掛け合いも見どころの1つとおっしゃっていました。

小野:さっき祐が言ってくれたこと。そして山寺さんが言ってくださったこと。表現は違えども、同じところを評価いただいているように思います。めちゃめちゃ嬉しいし、役者冥利に尽きますね。

苦難の度に選択を迫られて、古代はひとりで抱え込んでいましたが、僕自身も「お前は『ヤマト』の古代 進だろ?」という大きなプレッシャーをずっと感じていました。例えば「舞台挨拶でちゃんとしゃべらなくては」とか「取材でも筋道を立てて、しっかり作品について語らなくちゃいけない」と思い込んでいた。自分ひとりで考えていても出口が見つからないまま、悩んでいました。

でもそれを表に素直に出したり、吐露したら周りのヤマトクルーを演じるキャストやスタッフさんたちが助けてくれたんですよね。「ああ、ひとりでやっているんじゃないんだな」と思えるようになってから急激に自分と古代がリンクするようになって。僕の迷いや不安がそのまま古代に注ぎ込まれています。だから生っぽい感情を感じてもらえたのかもしれない。役者としてこんなに嬉しいことはないです。古代 進を演じられて本当に良かったと思います。

ーー『宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章-TAKE OFF-』の台本を読んだり、映像をご覧になった感想をお聞かせください。

畠中:土門的な視点でいえば、前章では一筋の光は見えたけれど、答えが見つかっていないので、「まだまだ、ここからだな」とワクワクしました。1回台本を読んだだけでは土門の気持ちを汲み取り切れなくて、何度も読み直しました。

小野:福井さんの脚本ってそういうところがあるよね? 多くを語らず、行間だったり、映像を見て、考えた上で初めてわかるセリフ回しを多く使われていて、まさに総合芸術みたいな。デスラーとか回りくどいもんね。「もっと簡単に言ってくれよ!」と思う。

一同:(爆笑)。

畠中:全然ストレートに言わないから、表情やお芝居感から「本当はこういうことを伝えたいんじゃないかな?」と推測するけど、それを言葉や態度で出さないところが人間臭くて。

小野:福井さんの脚本は演者に表現の幅が求められるから、デスラーは山寺さんじゃなければできないと思う。経験や技術がある山寺さんだから、想いを入れながらも淡々としゃべることができるんですよね。むしろ淡々としゃべっても出ちゃうところがすごいですね。

そして、前章を見終わった後でもこれからどんな運命が待ち受けているのか、予測できないよね。みんな不安で怖い中でも心を奮い立たせて戦って、言葉を紡いでいるのだと思うし。そんな中で、土門たち新しく乗艦してきた世代、古代たち元からヤマトに乗っていた世代、沖田艦長の世代という3世代の在り方を取りこぼすことなく、描いていて。それは旧作から見てきた世代の方と、『2199』からの僕ら新『ヤマト』世代、祐たち未来の『ヤマト』世代という3世代を今作の中で描いているのかなとも思えて。

だから色々な世代の方に、「僕たちの艦の話なんだ」と感じてもらえると思います。

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