音楽
LiSA『劇場版 SAO -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』主題歌「往け」インタビュー

LiSA 『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』主題歌「往け」インタビュー|アスナのようなしなやか女性の歌を作りたかった

Ayaseさんらしいしなやかなメロディ。アレンジは良さを残しつつ、生と打ち込みのバランスを調整

――そうだったんですね!? Ayaseさんから届いた曲を聴いた時の感想は?

LiSA:Ayaseさんらしいフレーズ、しなやかなメロディで、私が漠然と想像していたアスナの走っていくイメージにもよく合っていたので、お任せしてよかったなと思いました。

――イントロとアウトロの打ち込み音のデジタルっぽさとストリングスのアナログっぽさが混在した2極性は作品の世界観にも通じるところがあるなと思いました。でもA、Bメロではデジタル感をそこまで押し出していなくて、温かみにもつながっているような。

LiSA:Ayaseさんのデジタルのフレーズはメロディだけではなく、構成されている楽曲のサウンド感にもAyaseさんの色が出ていたので、そこは残しつつ、今まで数々の楽曲を一緒に作っていただいている編曲の江口(亮)さんと相談しながら、生と打ち込みのバランスを作っていきました。

「これまでの時間や出来事があるからこそ再び走り始められる」と思えるような歌詞に

――作詞はご自身で手掛けられていますが、今回はどのようなテーマで書かれたのでしょうか?

LiSA:Ayaseさんに相談する前に、脚本は既に読ませていただいて、そこからイメージを膨らませていきました。タイトルの「往け」には、行って帰ってくる意味があって。私たちが知っているアスナは《アインクラッド》から《アリシゼーション》まで走り続けてきて、今回また最初の物語に帰ってきましたが、これまで過ごしてきた時間があったからこそ、自信を持って最初の物語を話せるような、また走り始められるような意味になればいいなと思って付けました。

――「思い出に浸ることもない程 今に夢中」や「加速していけ 運命なんて気にしてる暇ないんだって」など、どこまでも前向きな歌詞が並んでいますね。

LiSA:そもそもの世界観がデスゲームであり、今回のお話がアスナと友達との関係性が描かれて、「戸惑いや裏切りに 行き場のない感情を」超えてアスナは強くなっていったんだなと知ることができましたが、今までのことがあったからこそ走っていける力になるという要素も入れました。

――歌詞の中には「いく」や「行く」など様々な表記が混在していますが、それぞれにも意味や意図を感じました。そして自問自答して、「往け」と自身を奮い立たせているのかなと。

LiSA:自問自答というよりは自分を確認するような感じかな。あとサビの「嗚呼、キミト アスへ」は、キャラクターのキリト、アスナ、そして今回登場するミトちゃんを入れてみました。

ボイスエフェクトのかかった場所にも意味が!? Ayaseさんも声で参加!?

――ボーカルの聴こえ方がそのままのところや、エフェクトがかかっているところがあるのも気になりました。特に2Aのところはわかりやすいんですけど、どのような意図が?

LiSA:歌詞に「 」の部分が多いんですけど、自分との対峙、自問自答していく中での、自分の中で聞こえる第三者の言葉のようなところにエフェクトがかかっていたり、DメロやオチサビではAyaseさんの声も入れてもらって、1人で走っているけど、1人だけで走っている感覚ではないような表現ができたらいいなと思いました。

――最近のアニメのタイアップ曲では激しいロックチューンや壮大なバラードナンバーのイメージがありましたが、この曲は軽やかでリスニング感のあるポップチューンで。

LiSA:作品に寄り添うだけではなく、自分自身の歌でもあるので、サウンドもアレンジも何かにならなくても、気取らず、飾らず歌える楽曲になったかなと。

――レコーディングにはAyaseさんも立ち会われたのですか?

LiSA:はい。ひたすらほめてくれて、盛り上げてくれました(笑)。自由に任せていただけた感じだったので、調子にのって、Ayaseさんに「よろしかったら歌っていただけませんか?」とその場でお誘いして声も入れていただきました。

――ご自身のお気に入りのフレーズは?

LiSA:この曲の中で「万華鏡」という言葉が印象的に使われていますが、アスナは《閃光》という異名がある少女ですし、持っているレイピアはしなやかだけど、ひと刺しで強く、早く走っていけるような。そんなアスナをイメージした時に、行先を決めて一生懸命走っているからこそ、周りの景色が止まって、光の線のように見える様子が、どんどん見えるものが変わっていく万華鏡みたいだなと。

アスナはずっと前を向いて走っているけど、アスナがまとう光が、私たちには万華鏡みたいに見えている気がして。それが彼女の美しさのもう1つの理由だと気づいて、そこから「万華鏡」が浮かんできたので、お気に入りでもあります。

MVでは殺風景のスタジオで1人で自身の体ひとつで楽曲を表現!?

――MVは、何もない場所で、LiSAさんがコンテンポラリーダンスのように楽曲を全身で表現しているような映像ですね。振り付け師の方もいないんですよね?

LiSA:はい。歌詞を歌っているリップシンクのシーンはあまりなくて、自分の心の中で歌をなぞりながら、歌詞をイメージしながら表現しているので、コンテンポラリーダンスっぽいかもしれません。人に伝えるというよりも自分自身で解決するもの、自分の中の葛藤など1人の時間をのぞいてもらっているようなMVです。

――セットには中央にイスが出てくるだけで。何にも頼れず、身ひとつで表現しなくてはいけない怖さがあるのでは?

LiSA:そうですね。何もないからこそ、すべてを託されていると思っていて。私だけではなく、監督さんもカメラマンさんも照明さんも。だからセッションしているような感覚の撮影でした。

――目線もほとんどカメラに向いていなくて。だからこそ、一瞬一瞬目線が来た時にも思惑があるのかなとさえ思えて。

LiSA:歌詞をなぞりながら自問自答しているところを撮られているような感覚でした。

――序盤は暗かったのに、終盤で無数のライトに照らされていたのもドラマ性を感じました。ただ1つ気になったのは2Aで幽体離脱みたいに横たわりながら体が浮いているシーンです。

LiSA:はい。浮いています。どんなふうに撮ったのかは内緒です。完成した映像を見たら不思議でした。

ジャケットもアスナが走っているイラスト。「往け」を聴いた後に戸松遥さんの「ユメセカイ」を聴くのがオススメ!?

――ジャケットもアスナが走っているようなイラストですね。

LiSA:アスナのジャケットって2017年リリースの「Catch the Moment」(『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』)以来と久しぶりですが、ここまで『ソードアート・オンライン』の楽曲ではアスナの気持ちを歌わせていただくことが多かった気がします。

――他に注目ポイントを挙げるとすれば?

LiSA:『劇場版 ソードアート・オンライン -プログレッシブ- 星なき夜のアリア』は『ソードアート・オンライン』シリーズ一番最初のお話のリブート作品なので、『ソードアート・オンライン』を今回初めて楽しまれる方もいらっしゃると思いますが、これを見た後、きっと《アインクラッド》も見たくなると思います。「往け」を聴いた後にぜひ(アスナ役の)戸松(遥)さんの「ユメセカイ」(《アインクラッド》ED曲)を聴いていただきたいです! 聴いていただければその気持ちがわかっていただけると思います。

「往け」は10月30日に映画が公開される前に配信リリースされるので、この曲を聴いたり、歌詞を見ながらいろいろ想像しつつ、ぜひ映画を見に行ってくださいね!

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