音楽
安野希世乃4thシングル「おんなじキモチ。」インタビュー

安野希世乃さん4thシングル「おんなじキモチ。」インタビュー|幸せな気持ちを200%伝えられるように

安野希世乃さんの4thシングル「おんなじキモチ。」がリリースされた。今作も、聴いていて幸せになれるような曲ばかりだった。
彼女の初タイアップ曲である「ちいさなひとつぶ」は『異世界食堂』のEDテーマだったが、今作の表題曲は、『異世界食堂2』のOPテーマとなっている。
作品の世界観に寄り添いながら、自分の幸せな情景とも重ねながら歌ったという「おんなじキモチ。」と、声優デビュー10周年記念ソング「Act 10 ~Dear My Characters~」について、たっぷりと語ってもらった。

美味しいワンプレートのように絶妙なバランスの「おんなじキモチ。」

──猫と一緒にハートを作っているジャケットがものすごくかわいかったです。

安野希世乃さん(以下、安野):アートディレクターさんははじめましての方だったのですが、私が好きなアーティストさんのジャケットも手掛けられている感性豊かな方で、いくつか案を持ってきてくださったんです。その中で、猫ちゃんのしっぽとハートを作るというものがあって、それは違う種族同士でひとつのハートを作るという『異世界食堂』にかけたアイデアだったと思うんですけど、すごくしっくりきたし、私自身も猫ちゃんと一緒に写真を撮りたい!と強く希望したので、この案になりました。

 

──強く希望したんですね(笑)。

安野:はい。フライングドッグというレーベルに所属している以上、猫ちゃんとの共演は、このチャンスを逃すとないかもしれない!と思って、これが良いです!と(笑)。

スタッフ:猫がNGなんてことは、全然ないです(笑)。

安野:あとフライングドッグで思い出したんですけど、『異世界食堂』の第1期第8話の「クッキーアソート」で、私の演じるサラと諸星すみれちゃんが演じる妹のシアとのエピソードがあって、彼女が美味しいと言って食べていたクッキーの中に羽の生えたワンちゃんのクッキーがあったんです。あれは制作者さんの粋な計らいだったのかしら?と気になりました(笑)。

──「おんなじキモチ。」は、『異世界食堂2』のOPテーマとなります。第1期の『異世界食堂』ではEDテーマ「ちいさなひとつぶ」を担当していましたが、今回はOPですね。

安野:「ちいさなひとつぶ」は私にとって初のアニメタイアップ曲だったので、作品としても心に大きく残っていたんです。だから『異世界食堂2』が始まると聞いて、それだけでも幸せでうれしかったんですけど、さらにOPテーマを歌わせていただけるということで、サラ役としてだけでなく歌い手としてもこの作品に帰って来られるんだなと、その帰る場所を作っていただけたことがうれしかったです。

それだけに『異世界食堂』の持つ、一緒にごはんを食べると美味しいよねっていう幸せな気持ちを、200%伝えられるように歌いたいと思いました。

──『異世界食堂』って、お客さんはわりとゴツかったりもするんですけど、実際はほのぼのとした作品で、「おんなじキモチ。」もすごくかわいらしい曲ですよね。

安野:確かに、絵だけ見るとおじさんたちや魔物や獣人とゴツめですよね(笑)。それを考えたらだいぶかわいい曲な印象があるし、私自身も、私が歌うにしてはだいぶかわいい寄りの曲だなと思ったんです。これまででもトップレベルのかわいさを求められている!って(笑)。

でもタイアップ曲って、私一人の持ち歌という感じでもなく、作品に寄り添って仕上げていただいたものなので、私も『異世界食堂』を心に浮かべて、あの幸せな空間にいるような気持ちで、作品のために歌いたいなと思いました。

──安野さんのボーカルは、かわいいだけでなく癒やし成分が広がっていくところが素晴らしかったです。そして3回繰り返すフレーズがとても印象的ですね!

安野:耳で聴くのと歌詞で見るのと、印象が違う歌詞がありますよね。たとえば2番の〈ハグッハグッハグッ〉とかは、きっとぎゅっと抱きしめるほうの“ハグッ”なんですよね。それが食べる“ハグハグ”にも聴こえる。〈咲くッ咲くッ咲くッ〉もそうですね。そういった遊びが見られるんです。

──〈寄り添って いいよ〉のところで、ちょっと語尾にニュアンスを入れるじゃないですか。それもかわいかったですが、これはアドリブですか?

安野:仮歌ではそうはなっていなかったです。この“いいよ”がとても大事なんだとプロデューサーさんに言われ、ちょっと表情を変えてみませんかとなり、何パターンか試して、その中でいちばん“いいよ”感があったものが採用されていたと思います(笑)。

──そしてバンドメンバーも豪華で、ストリングスも生で録っていますし、ベースもカッコ良かった。

安野:本当にそうですよね! 生ストリングスだし、バンドも豪華だからオケだけを聴いていると結構ゴリゴリしているんですよ。歌っている内容と照らし合わせてみると演奏はだいぶガッツリしていて、最後もエレキのギターソロがあったりするんです。

──そういうゴージャスなサウンドを感じさせないくらい、ボーカルが立っているんですよね。このあたりのバランス感覚はさすがだなと。

安野:ありがとうございます。だからトータルとして、ひと皿としていいバランスになっているんだと思うんです。でも細部も丁寧に作っているよっていう。

──そう考えると、音楽も料理と同じなのかもしれません。

安野:そうですね! ギターがいてピアノがいて、いろいろな料理が乗っているけど、最終的にワンプレートとして美味しくまとまっている、という感じなのかも。

──調和が取れた究極のワンプレートですね。アニメのOP映像はいかがでしたか?

安野:OPテーマとしては堅実で骨太なアニメーションでした。王道を踏まえた上で、楽曲に寄り添ってくださったんだなと感動したんです。〈パクッパクッパクッ〉のところでは、みんなが口元にごはんを運んでしたんですけど、特に感動したところだと、〈咲くッ咲くッ咲くッ〉のところで、ちゃんと衣の付いた料理を食べているんですよ。あの3連発には感動しました(笑)。だから曲と画が一体となっていて、幸せを絵に描いたようなOPでした。

──ちなみに、最近“パクッパクッパクッ”と美味しく食べてしまったものはありますか?

安野:動画企画で料理を作ったんですけど、沖縄料理のにんじんしりしりが美味しすぎて! 味付けも醤油・みりん・酒の和食のスタンダードだったんです。でもめちゃめちゃ美味しくて、ご飯が進む!って思いながら食べていました。あとはコンビニで見かけた「バター焼いちゃった?」というお菓子が美味しくて、ひとつじゃやめられませんでした。

キャラクターへの愛を感じる声優デビュー10周年記念ソング

──「Act 10 ~Dear My Characters~」は声優デビュー10周年記念ソングだそうですが、これはどう作っていったのですか?

安野:これは曲ができあがっていて、それに詞を書かせていただいたんですけど、10周年記念ソングになったのは、私の歌詞がこうだったからなんです。

まず、「生きる」を書いてくださった川崎智哉さんが書いてくださった曲があって、プロデューサーさんが「カップリングにするのはいかがですか?」と聴かせてくださって。「ぜひお願いします!」と曲が決まったんですけど、そのあとに「歌詞を書きますか?」と言っていただいて。

でも、正直歌詞は難しいかなと思ったんです。エッジが利いているし、言葉をはめるという観点からするとレベルが高い。だから挑戦だなぁと思いながらも、この曲の持つ華やかさが、自分の中のカップリング曲のイメージにかっちりはまったので、やってみようと思いました。

──自分の中のカップリング曲、というのがあるんですね。

安野:これまでリリースしてきたシングルのカップリング曲って強いんですよ。しかもアルバムに収録されないので、シングルを聴いた方にしか届かない。だからこそ強い曲が良くて、今回の曲も、聴いた瞬間に「これだね!」と思ったんです。私にとってカップリングって2番手ではなく“カップリングを張ってくれる曲”という感じなので、その強さに負けない歌詞を付けたい!という気持ちでした。

──歌詞のテーマについては、相談して決めたのですか?

安野:勝手に書いてしまったんです(笑)。で、一度提出したら、プロデューサーさんに「深く読んでいないけど、恋の歌じゃないですか」と言われたので「違いますっ!」と(笑)。何の説明もせずに送ってしまったからなのですが、私もこのままでは伝わらないと思い大幅に書き直したんです。〈リハーサル〉と〈幕があがる〉とかは、そのとき出てきた歌詞になります。

──今の歌詞も、恋の歌に取れないわけではないと思うのですが、サブタイトルで“~Dear My Characters~”とあったので、これは絶対に誤解されずに伝えたいんだなという意志を感じました。

安野:「Act 10」というタイトルは最初からあったんですけど、サブタイトルはプロデューサーさんの提案で付けたんです。10周年というタイミングにリリースする曲になるので、大事に扱ったほうがいいのではないかというのもあったと思います。

──タイトル通りキャラクターへの想いを綴った歌詞なのですが、こういうキャラクターへの愛を知れるのは、ファンとしてもうれしいことだと思います。

安野:でも書くのは時間がかかりました……。歌詞を書くと、毎回「いちばん時間がかかった」と言っている気がするんですけど、今回も記録更新しています(笑)。

──身近なネタではあるので、言葉が溢れ出したりしたのかな?と思っていました。

安野:いや、それが全然違うんです。つまづきポイントはたくさんあって、自分的にはこの言葉で伝えたいけれどメロディーにはまらない!とか。

あとキメのように「この音がいちばん大事!」というのが曲にはあるんですけど、そこに強い言葉を当てたほうが歌っていても聴いていても気持ちが良くなるので、そこは妥協できないんです。だから言葉選びの段階で、楽曲とのベストアンサーを探るのに時間がかかりました。それこそ〈Happy ending never ends〉なんかは、最後の最後に決まった1行だったんです。

──そのワードはすごく良いですよね。あらためて〈Happy ending never ends〉に込めた思いを教えてください。

安野:キャラクターと関わる時間って限られていて、その作品の収録期間がいちばん濃厚なコミュニケーションをする時間なんです。それが終わり、放送も終わってしまうと、声優として関わりを持つ機会が少なく薄くなってしまう。だけど、終わるわけではないというか。永遠にさよならをするわけではないし、私たちが一緒に歩いた時間は消えないし、あなたたちの世界の物語はずっと続いていくし幸せも続いていくんだよね、という気持ちを込めました。作品もキャラクターの命も終わらない、永遠に続いていくことを歌ってあげたかったんです。

──今聞いたことが、この一連の歌詞からほぼズレなく受け取れたので、やはりいい締めくくりの言葉なんだなと思いました。

安野:うれしいです。ただ、歌うときはneverのアール感をやりすぎていないかとかが気になって、「まだ良いテイクいけますよね!」って言いながら苦労していたんですけど(笑)。

──キャラクターがこっちを向いてくれないときもあるんだなぁと思いながら聞いていました。

安野:この解釈で合っているのかな?と思ったり、〈笑顔の裏かくした涙〉とかは、本音と建前が違っていて、内面では違う気持ちを抱えていたり。私たちはシナリオにない限りは想像することしかできないんです。重大な過去があったとしても、話が進んでいく途中で知らされたりすることもある。『マクロスΔ』はまさにそうでしたね。原作があるわけではないので、台本をいただくまで、先のお話を知らないんです。だから手探りで進むしかない。そうやって演じてきた経験の中で感じたことを、たくさん言葉に落とし込みました。

でも、小難しくはしたくなかったので、最終的にはストレートにして、納得のいく状態まで持っていけたので、悔いなく書けたと思います。

──ちなみに、この歌詞は具体的なキャラクターを想像して書いているのですか?

安野:はい。だから入れたかったけど、入れられなかったあの子への気持ちとかはたくさんあるんです。キャラ名を書き出して、このワードはこの子に向けたものっていうのができるんですけど、入り切らなかった場合は、この子とこの子でこのワード!みたいな感じになっています。

──すべて明らかにするのも野暮なので、少しだけ教えてください。

安野:たとえば〈スキもキライも〉をあえてカタカナにしているのは、私が演じるカナメ・バッカニアが歌う「AXIA~ダイスキでダイキライ~」(『マクロスΔ』)から来ているし、〈フィナーレ〉というのも、『冴えない彼女の育てかた Fine』(加藤恵役)があったから、あえてこの言葉を選んでいるし、〈キズナ〉も『キズナ一撃』(キズナ役)があるからなど、たくさんあります。

──これはたぶん彼女のことかな?と思いながら聴くのもいいかもしれません。そしてBlu-rayには、『安野希世乃Acoustic Live 2021~恋するWater Colors~ at 人見記念講堂』でのライブの模様が、75分も収録されるそうで。

安野:そうなんです。たっぷり収録されていて、なんて豪華な!って思いました(笑)。しかも[CD+Blu-ray]は4,400円なんですよ! 4が合わさると“幸せ”になるから、個人的に4・4って大事な数字で、このライブの日も4月4日だったんです。しかも幸せの日って言われているんですよね。

さらに前作の「フェリチータ」も、イタリア語で“幸せ”という意味だから、すごくいろいろつながっているんです。だからそれもあってこの価格なのかな?って思いました。

──素敵なエピソードですね。でも、実際お得ですよね。

安野:そうなんです! なのでぜひ、みなさまのお手元に迎えていただきたいなぁと思います。少し仕掛けがあって、ディスクを取り外した下にある写真がすごくかわいいんですよ! これは見ないと損すると思います(笑)。なのでぜひお手元に迎えていただきたいなぁと思います。

[取材・文:塚越淳一]

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異世界食堂2オープニングテーマ『おんなじキモチ。』発売記念! 安野希世乃さんのサイン入り色紙が当たる!

【応募方法】
①アニメイトタイムズTwitter(@animatetimes)をフォロー
②楽曲の感想を書いて下記ツイートを引用RT

【〆切】
10/27まで

CD情報

発売日:2021年10月20日
価格:初回限定盤……4,400円(税込)、通常盤……1,320円(税込)

≪収録内容≫
【CD】
01. おんなじキモチ。(TVアニメ「異世界食堂2」OPテーマ)
作詞・作曲・編曲 : フワリ

02. Act 10 ~Dear My Characters~(声優デヒュー10周年記念ソング)
作詞 : 安野希世乃  作曲・編曲 : 川崎智哉

03. おんなじキモチ。-TVサイズ-
04. Act 10 ~Dear My Characters~ -Instrumental-
05. おんなじキモチ。-Instrumental-

【Blu-ray】※初回限定盤のみ
◆「安野希世乃Acoustic Live 2021~恋するWater Colors~ at 人見記念講堂」
01. Overture
02. ちいさなひとつぶ
03. 夏色花火
04. MC1
05. 生きる
06. 晴れ模様
07. Kiss! Kiss! Kiss!
08. MC2
09. フェリチータ
10. ロケットビート
11. Destino~恋は一秒の永遠~
12. 嘆きの空
13. MC3
14. echoes
15. 恋する私カラー
16. Ending

特典情報

・アニメイト特典(初回限定盤)

缶バッジ(56mm)

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L判ブロマイド(複製サイン&コメントA入り)

L判ブロマイド(複製サイン&コメントA入り)

・メーカー特典(限定盤)
両面クリアファイル(連動購入)

【対象商品】
【主題歌】TV 異世界食堂2 OP「おんなじキモチ。」/安野希世乃 初回限定盤
【主題歌】TV 異世界食堂2 ED「冷めない魔法」/東山奈央 初回限定盤
※上記2タイトルを連動でご購入された方が対象になります。
※いずれも初回限定盤のみが対象となります。
※安野希世乃&東山奈央のW絵柄となります。

オリジナル特典が抽選で当たる! キャンペーン応募券(初回)

・アニメイト特典(通常盤)

L判ブロマイド(複製サイン&コメントB入り)

L判ブロマイド(複製サイン&コメントB入り)

・メーカー特典(通常盤)
オリジナル特典が抽選で当たる! キャンペーン応募券(初回)

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