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秋アニメ『ブルーピリオド』峯田大夢&花守ゆみり対談インタビュー

秋アニメ『ブルーピリオド』後半の見どころは“八虎の生き様”。矢口八虎役の峯田大夢さん、鮎川龍二役の花守ゆみりさんインタビュー「彼の苦しみの表情を見届けて欲しい」

講談社『アフタヌーン』にて好評連載中、高校生・矢口八虎が美しくも厳しい美術の世界へ身を投じ、美大を目指して青春を燃やす物語『ブルーピリオド』。MBS/TBS系全国28局ネット “スーパーアニメイズム” 枠にて放送中のアニメはいよいよ後半戦に突入。主人公の八虎は“実質倍率200倍”とも言われる難関・東京藝術大学の1次試験を終え、 2次試験を控えている最中だ。そんな中で、龍二と突然、小田原とに行くことになり……。

八虎と龍二。時には突き放しながらも、互いの海に飛び込み、色を重ね、己の姿を見つめていく。クライマックスに向けて加速していく『ブルーピリオド』。矢口八虎役の峯田大夢さん、鮎川龍二役の花守ゆみりさんに後半戦の見どころをうかがいながら、作品の魅力を深掘りしていった。

※本記事には明確なネタバレはありませんが、後半の物語の内容が含まれております。ご了承くださいませ。

『ブルーピリオド』ならではのこだわりは台本にも

──アニメ放送後半のお話の台本が今おふたりの手元にありますが、表紙の色がひとつもかぶってないんですね。すごく良い色です。

峯田大夢さん(以下、峯田):そうなんです。色がそれぞれカラフルで。最初はブルーでした。

花守ゆみりさん(以下、花守):(Twitterに峯田さんが)毎話ごとにいつも台本をあげてるので、投稿を見て「あの時はこの色だったな」と思い返しています。この表紙の色は原作の(カラーページの)字体に使っているフォントの色から取って、彩度を変えたものだとうかがったことがあります。

峯田:えっ、そうだったの!? 初めて知った!

──それはすごいお話ですね。台本も宝物になりそうです。

花守:毎回思いますね。全部取っておきたいなって。

峯田:確かに。コンプリートしたくなる台本です。

──では、その台本の中身のクライマックスに向けてお話をおうかがいできればと思います。(インタビュー時は)第7話 「1次試験開始」が放送された直後ですが、アニメ放送後半を迎えられて、今おふたりの心境はいかがでしょうか。

峯田:ここまできたら、あとはもう見守るしかないなと(笑)。アフレコしていたときは毎回ガムシャラに臨んでいて。一瞬一瞬が必死だったので記憶が薄いんです。だから最近のオンエアーを見ると、自分の声のはずがまったく別モノのように感じることもあって、不思議な気持ちですね。自分だけど、自分じゃないみたいなところがありました。

──八虎が絵を描いているときの没入感に近いような感覚だったんですかね?

峯田:ああ、そうかもしれませんね。集中している時と、していない時の差というか。

──なるほど。花守さんはいかがですか?

花守:八虎が心の中で葛藤しだして、いろいろなものを見えているようで、見えなくなってしまっているところもあって。「どうやったらうまくなれるんだろう」って無我夢中になっているところが八虎の魅力でもあり、危うさでもあるのかなと思います。

ユカちゃんはユカちゃんで、八虎の前を気まぐれに歩いていたと思ったら、バックグラウンドである家庭のこと、恋心、自分の性に対する心などを垣間見せられるシーンがちょこちょことあって。そして、(第7話最後の藝大の一次試験のシーンで)バッテンを描いて会場を出て行ってしまう。

常にユカちゃんの視点で物語を見てもらっているわけではないと思うんですけど、だからこそ……ユカちゃんの心の隙間を見るにつれて、ユカちゃんの人間としてのカタチや、底知れない、誰にも理解してもらえない孤独というのを感じてもらえるんじゃないかなと。そういうお話が続いていきます。

限りなくフィクションに近いリアリティを追求

──これまでの放送を振り返っての感想をお聞かせください。

峯田:アニメの完成版を見るのは視聴者の皆さんと同じタイミングで、テレビ放送やNetflixの配信なんです。先にPVは流れてましたけど、第1話放送時は自分の声が受け入れてもらえるのか、不安もありました。それと同時に「とうとう世に出たぞ」と身が引き締まる思いでしたね。

それ以降はずっと見守っているというか。色がついて、音がついて、動きがついて、声がついて……。(自分がアフレコしていた時とは)全然見え方が違ってくるんだなと。

──アニメ『ブルーピリオド』は色だけではなく、音にも力が入ってますよね。

峯田:アニメで劇伴・SEをはじめて聴いて、すごく特徴的だなって。特に印象的だったのは、予備校のシーン。無駄な音が一切ないというか。例えば、鉛筆を削る音やキャンバスに筆を乗せる音も実際に予備校で録音されているそうなんです。話には聞いていたんですけど、アニメを観て「本当に細部までこだわっているんだな」と改めて感じました。

花守:『ブルーピリオド』のアニメーションって劇伴・SEが限りなく現実に近いというか、リアリティを追求した音が多くて。ドラマのような感覚に近いのかなと思っています。環境音の生々しさと、アニメとして、2次元として生きている八虎やユカちゃんたちのキャラクターたちをつなぐ、2.5次元の絵という……このバランス感が面白い挑戦だなって。

ただ、面白くもあり、難しさも思うんです。森先輩の絵を八虎がはじめて見たときの衝撃は、アニメ化にあたって、最初のいちばんの課題だったと思います。あの演出を見て、舛成(孝二)総監督たちの「漫画を読んでくださっていた皆さんの衝撃をアニメに落とし込もう」という趣向の凝らし方が垣間見られて。「大変な苦労の上でアニメが成り立っているんだ」と1話にして感じていました。

私も皆さんと同じタイミングで放送を楽しませていただいているのですが、アニメーションではあまりない、演出や音作りだなと毎回感じています。「この息、使われたんだ!」「そこの音、切らなかったんだ」と思うこともあって。

──生々しい呼吸もそのまま使われてますよね。

花守:ビックリしましたね。その生々しい感じの一方で、ギャグパートや楽しいウソをつく瞬間も。例えばユカちゃんが跳ねて通るシーンとか(笑)。そういうメリハリもアニメに落としたいなと思っていたので「あ、このシーン、こうなったんだ!」って。

(C)山口つばさ・講談社/ブルーピリオド製作委員会
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