映画
『マトリックス レザレクションズ』 小山力也(ネオ/トーマス・アンダーソン役)インタビュー

映画『マトリックス レザレクションズ』日本語吹替版キャスト・小山力也さんが作品への思いを語る『マトリックス』という作品は、僕の人生とリンクしている作品

映画『マトリックス レザレクションズ』が12月17日(金)より、公開中です!

『マトリックス』は1999年に公開され、革新的な映像技術とストーリーで社会現象を巻き起こしたSFアクション。2003年に公開された続編となる『マトリックス リローデッド』、『マトリックス レボリューションズ』で3部作が公開となりました。

そして、今回18年ぶりの新作となる『マトリックス レザレクションズ』は、『マトリックス』シリーズの第4作目となり、新たな物語を描く新章となっています。

もし世界がまだ仮想世界「マトリックス」に支配されていたとしたら―?
ネオ(キアヌ・リーブス)は、最近自分の生きている世界の違和感に気付き始めていた。
やがて覚醒したネオは、「マトリックス」に囚われているトリニティー(キャリー=アン・モス)を救うため、何十億もの人類を救うため、「マトリックス」との新たな戦いに身を投じていく。

本稿では映画公開を記念して、『マトリックス レザレクションズ』の日本語版で、(ネオ/トーマス・アンダーソン役の吹替を演じている小山力也さんにインタビュー。作品への思いから、最新の収録事情まで、たくさんお話をうかがいました。

※シーンなど、一部ネタバレと感じる部分もありますので、作品をご覧になっていない方はご注意ください。

役者・小山力也としては絶対に忘れられない作品

ーー映画『マトリックス』という作品に対する印象をお聞かせください。

ネオ/トーマス・アンダーソン役/小山力也さん(以下、小山):『マトリックス』という作品は、僕の人生とリンクしている作品なので、本当にありがたいなと思っています。

『マトリックス』は、僕が初めて劇場版の大作をやらせていただいた作品です。吹替のお仕事としては、『ER緊急救命室』(※1)というドラマぐらいしかほとんど経験がないところから始まって、たまたま『マトリックス』という作品に呼んでいただいたので、「本当に自分でいいのか」という驚きと不安と喜びの感情がないまぜだったんです。

そうしていろいろなことが積み重なって、またこうやって何十年ものスパンで新作をやらせていただいて、自分のキャリアとしては絶対に忘れられない作品です。ただただ、ありがたいです。

作品の印象として、映像は本当に素晴らしくて、今でも新しさを感じますし、驚きばかりです。これから先何十年後に観ても、たぶん色あせないだろうなと感じる作品です。そういった作品に関わることができたので、その驚きと喜びは大きいですね。

※1『ER緊急救命室』(1994~2009):アメリカ合衆国のテレビドラマシリーズ。小山力也さんはジョージ・クルーニー演じるダグラス・ロス役を吹替。

ーーご自身が演じられたネオ/トーマス・アンダーソンというキャラクターは、どんな人物だと思いますか。

小山:とても素直な裏表のない子どものような人間です。その子どもみたいな不安が自分のキャリアの少ない不安と重なって、そこがたまたま良かったなと勝手に思っています。

キアヌさん自身もいろいろな作品で役柄を演じていらっしゃいますけど、この作品に関しては特に外面を作ることなく、自然に演じていらっしゃいますし、キアヌさん自身のピュアな魅力がとてもよく出ていますので、そこが面白くもあり、かわいらしくもあり、微笑ましくもあり、素敵なところですよね。

思い入れのある作品へ22年ぶりに再び参加する心境

ーー映画作品の吹替のお仕事は『マトリックス』がほぼ初めてだったんですか。

小山:大作映画でやらせていただいたのは、ほぼ初めてですね。

ーー『マトリックス』が日本で公開されたのは1999年ですから、今から22年前になりますが、今も作品を見返すことはありますか。

小山:時々観ます。まだうちはVHS(ビデオデッキ)が動きますからね(笑)。

ーー今、作品を見返した時はどんなことを思いますか。

小山:自分もいろいろと反省する点はあるんですけど、まぁ、これはこれで良かったのではないかと思うことにしていますね。

キアヌさんも若かったし、僕も若かったですね。キアヌさん(1964年生まれ)も僕(1963年生まれ)とほとんど同じ年ぐらいなのかな? 

キアヌさんのピュアなところと、映画のスタイリッシュなところと、描かれているドラマは壮大ですから、いろいろなものがごった煮になっていて、今観ても面白いですね。

ーー当時のアフレコ収録のことは覚えていますか。

小山:この作品に関しては、よく覚えていますね。ディレクターさんはミキサー上がりの方で、今もとても活躍なさっている方です。彼はものすごく音には厳しいんですが、表面的にはとても人当たりの優しい人で、丁寧に必要最小限の言葉で細かくアドバイスをいただきました。それはとても印象に残っています。

あとは、トリニティー役の日野由利加さんの方が僕よりもキャリアが豊富なんですが、当時は励まし合ってやりましたね。まぁ、僕が励まされていてばかりでしたけどね(笑)。

それから、自分なりに表現の拙いところにちょっと戸惑ったりすることはありました。「もっとこうできるのに」とか、思ったりもしましたけど、自分の練習のために今ここで収録をやっているわけではないですから、聞いていただいている方を信じて、今できるベストなものをチョイスしていただいていると信頼して、結局は任せるしかないなと思いました。

ーー『マトリックス』は大ヒットして、社会現象になりましたが、出演したことによって、ご自身にも何か反響はありましたか。

小山:僕自身がそんなにクローズアップされたことはないですが、ただ業界の中では「へぇ~、小山がやっているんだ」みたいな感じがあったりしてね。「すみません」と言っていましたね(笑)。

映画自体が映像やアクションの素晴らしさに加えて、人間ドラマとしての良さがありましたし、問題提起が非常に大きかったですから、それも含めていろいろなご意見を頂戴しました。

ーーそれから22年経って新シリーズが公開され、またご自身が参加されるとは思っていませんでしたよね。

小山:まぁ、ビックリしました。最初はタイトルも何も知らなかったので、「キアヌ・リーブスの長編映画で、キャスト候補に挙がっています」と聞かされていただけでした。

僕らはご縁でお仕事をいただくので、あまり過度に期待をしないようにしているんです。昔は今よりも、もっとたくさんゴールデン(タイム)で映画作品のオンエアがありましたから「吹替は誰がやるんだろう?」とか、「お前にだけはやらせない」とか、いろいろありましたね(笑)。

一同:(笑)。

小山:そういうことがあって、あまり過度に期待しないようにしていたんですけど、後から「作品は『マトリックス』みたいです」とこっそり聞いて、「あ、本当?! それは他の仕事のスケジュールを何とかしてね!」と言ってやらせていただきましたね(笑)。

ーー最初のシリーズ公開から、本作の公開まで20年以上の時間が流れています。キアヌ・リーブスという俳優も変化があったと思いますが、小山さんご自身も役者として変化していったところを感じられているかと思います。

小山:私は吹替作品でいうと、たくさんいろいろな作品をやらせていただいて、「俳優さんを大事にしよう」という気持ちが深くなりましたね。

人間ですから、我欲はあるんですが、一回一回の出会いを大事にしようということと、一回一回その俳優さんを見つめようということ。そうすると、その俳優さんを好きになりますし、好きになると、リハーサルの作業も楽しくなってきます。そうやって感謝しながらやるということは、自分なりに実感できるようになりましたね。

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