音楽
声優・アーティスト 羽多野渉 音楽活動10周年記念インタビュー【第4回】

オンラインでも聞こえてくる皆の声。それは声優が持っている想像力の賜物――羽多野渉さん音楽活動10周年記念連載企画『Wataru’s Music Cafe』Part,4「Live」編

初期のライブハウス時代はヤケドしそうな体験も。ホールでのライブの利点とは?

――最初は「BIRTHDAY PARTY」の時は新宿FACEというライブハウスでしたが、2018年の『Wataru Hatano Live Tour 2018“LIVE KING & QUEEN”』では大阪はサンケイホールブリーゼ、東京は中野サンプラザとホールに進出し、その間も『おれパラ』、『ANIMAX MUSIX』、『アニサマ』などの大会場のフェスにも出演しました。会場の規模が大きくなるとステージも広くなることで、ダンスやパフォーマンスの見映えも必要になってくるので大変だったのでは?

羽多野:会場が大きくなっても楽しいです。むしろライブハウスの時、初期の頃はまだライトがLEDではなかったので、ダンサーがいるサイドで踊ると近くの照明の熱がすごく熱くて。広い会場では、そんなことも気にせず、思い切り踊れるので、やりやすいです。ライブハウスはお客さんとの近さや距離感の感動もあるし、お客さんとコブシを振り上げたり、コール&レスポンスをするような激しい曲もあるけど、しっとりした静かな曲もあるので、お客さんに座って楽しんでもらう瞬間も必要でした。なので、イスがあるホールはそれができるのもいいですね。

あと初期の頃は、歌っている時間よりもしゃべっている時間のほうが長くて(笑)。小野大輔さんをご招待して見ていただいた時のライブでは、アンコールで再びステージに戻ってからMCを40分もしてしまって。終わった後に、小野さんが開口一番、「MC長いよ~。! しゃべりすぎ!(笑)」と。でも小野さんのライブを見た時もかなりガッツリMCをされていますし、小野さんからも「自分もおしゃべりなのでその気持ちはわかるぞ」と。気持ちが高ぶってしまうので、つい言葉でも表現しちゃうんですよね。

回数を重ねていくうちに会場の規模や皆さんとの距離感が変わったことで、ライブをパッケージングするおもしろさも学んでいきました。MCを楽しみつつも、音楽ライブとしても楽しめるようにという意識が強くなってきて、それが『Wataru Hatano Live Tour 2018“LIVE KING & QUEEN”』や『Wataru Hatano Live Tour 2019 -Futuristic-』では特に表れていたと思います。 

「Hikari」のライブパフォーマンスに西山宏太朗さんもビックリ。オンラインライブも声優ならではの経験値で対応

――2014年6月に行われた4thシングル「Hikari」発売記念イベント『The Star Festival ―ハマとゆーたくとワタル―』で初めて「Hikari」の生パフォーマンスを見たんですけど、あまりにも激しくてビックリしました。普段の羽多野さんからは想像もつかなくて。

羽多野:『Wataru Hatano Live Tour 2019 -Futuristic-』を見に来てくれた西山宏太朗くんが「羽多野さんってこんなに踊るんですね」と驚いてくれたのが嬉しくて。

――その後も「覚醒のAir」でもダンサーを引き連れてのカッコいいパフォーマンスを見て、今ではむしろ武器の1つにもなっている気がします。三部作を歌う時は優しい表情で心に染みてくるし、「ハートシグナル」も人柄が出ていたり、「I’m a Voice Actor」では曲中でいろいろなキャラを演じてみたりと、カラフルなライブは羽多野さんならではかなと思います。

羽多野:ありがとうございます。

――そして2020年にコロナ渦に入って、3月に東京と大阪で予定していたツアーも中止になり、9月にオンラインライブとして『Wataru Hatano "Online" Live 2020 -ReIntro-』を行いました。オンラインライブをされた時の感想は?

羽多野:オンラインライブは、コール&レスポンスなど反応を直接感じることができないため、やりにくさを感じる方も多いと思いますが、声優という仕事は常にバーチャルなことをやっていて。例えばアフレコでも掛け合いの相手が一緒にいなくても掛け合いになるように想像力を働かせてお芝居しているわけです。また最近ではCGライブというキャラクターのライブイベントもありますが、MCの時、その場にお客さんがいなくても、お客さんに伝わるようにセリフを収録しているので、バーチャルな世界での苦手意識はまったくないです。

――実際に映像で見ても普段のライブと変わらないパフォーマンスでした。

羽多野:オンラインライブとなった『Wataru Hatano "Online" Live 2020 -ReIntro-』と『Wataru Hatano Live 2021 -Thanks-』では、僕には客席にいるお客さんが見えていて、パフォーマンスもカメラに向かってすることもあるけど、ほとんど客席に向かってやっているんですよね。「そこにみんながいることを感じているよ」と伝えたくて。

先日もキャラクターとしてステージに立つライブに出演しましたが、その場にお客さんはいたけど声は出せない環境で楽しんでいただく形。でもステージにいる役者陣は、皆さんの声がはっきり聴こえているんです。キャラクターソングではコール&レスポンスが多い楽曲を歌いますが、「お客さんの声、聞こえたよね?」、「うん! 聞こえた! 聞こえた!」と確認し合うくらい。たぶん僕ら声優が持っている想像力の賜物なのかなと。

だからオンラインライブであっても「届け! 届け!」と思いながら、カメラや客席に向かっていたし、そばにお客さんの想いや熱を感じられたので寂しさは感じませんでした。でも、皆さんと実際に会えて、声を出し合えた時はすごく感動するんでしょうね。皆さんと一緒に楽しめることの幸せはコロナ前よりもきっと強く感じられると思いますから。

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