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冬アニメ『プリコネR』第2期 金崎貴臣総監督×いわもとやすお監督×上内健太さん(アニメーションプロデューサー)×守屋竜史さん(プロデューサー)インタビュー【連載第14回】

【美食殿】のみんなに本当の笑顔を取り戻してあげたかった第2期――アニメ『プリンセスコネクト!Re:Dive Season 2』金崎貴臣総監督×いわもとやすお監督×上内健太さん(アニメーションプロデューサー)×守屋竜史さん(プロデューサー)インタビュー【連載第14回】

Cygamesが贈るアニメRPG『プリンセスコネクト!Re:Dive』(以下、『プリコネR』)のアニメ第2期となる『プリンセスコネクト!Re:Dive Season 2』(以下、第2期)。先日ついに最終話が放送され、圧巻のバトルからのラストシーンやみんなの笑顔に感動もひとしおだったのではないでしょうか。

アニメ第2期の放送を記念して実施してきたインタビューも最終回。第14回は、本作を見事に作り上げた総監督・シリーズ構成・音響監督の金崎貴臣さんと監督のいわもとやすおさん(第1期では演出を担当)に物語を振り返っていただきつつ、制作秘話をたっぷりうかがいました。なお、今回は連載第1回に登場したプロデューサーの守屋竜史さんとアニメーションプロデューサーの上内健太さんにも同席していただいています。

ゲームの曲がすごく良くて、アニメでも映えるだろうなと

──アニメ第2期、本当に素晴らしい作品をありがとうございました。まずは今の率直な気持ちをお聞かせください。

金崎貴臣さん(以下、金崎):全部出し切りました。アニメーションは集団作業なので、僕一人がどうこうではなく、みんなで作り上げた感がすごくあります。

いわもとやすおさん(以下、いわもと):最終話まで形になってとりあえずホッとしました。アニメとしてそれなりのレベルになった気はしています。作画、仕上げ、美術、撮影、CG、音響、制作とすべてのスタッフがやる気のある人たちだったのは本当にありがたかったです。

上内健太さん(以下、上内):僕もホッとした気持ちが一番大きいです。物語の展開が熱くなっていくのと同じように、現場も熱くなっていたので(笑)。本当にスタッフひとりひとりがいいものを作ろうという気持ちで挑んでくれました。この作品に関われて光栄です。

守屋竜史さん(以下、守屋):物語的には、ラストでペコリーヌとキャルが自分の心をさらけ出してお互いの絆を確認しあうことができ、本当の意味での【美食殿】になれたと感じています。親心じゃないですけど、胸が熱くなったというか、良かったねという気持ちです。

──金崎さんは第1期でも監督を務められましたが、もともとゲームの『プリコネR』はどの程度知っていたのでしょうか?

金崎:最初に守屋くんからお誘いを受けた段階では、テレビでCMが流れているのを見て認知しているぐらいでしたね。ただ、監督を受けるからには触れてみなければわからないと思って、ダウンロードしました。

与太話にはなりますが、最初に来た★3のキャラはアンナだったんですよ。第1期と第2期を通して、企画を受けた時点で実装されていたキャラは全部出したいと思っていたんですけど、アンナは最終的に第2期の最後(の登場)になっちゃって(笑)。そんなところもなんだか縁があるなと思いました。

──実際にプレイしてみた印象はいかがでしたか?

金崎:マップ画面を開いた時に音楽が流れてきて、音楽もすごくワクワクするなと感じました。曲がすごく良かったので、守屋くんにアニメ化する際はゲームの曲を使わせて欲しいとお願いしたんです。アニメに乗せてもすごく映えるだろうなと。そういったところもゲームをプレイして良かった点ですね。

──いわもとさんは第1期では演出を務められていましたが、今回は監督という形でのご参加となりました。どういった経緯かお伺いしてもよろしいですか?

いわもと:第1期では第7話、13話の演出を担当しました。難しいお話だったので苦労しました。
第2期では金崎さんからお声がけいただいて、監督として参加させていただきました。

金崎:シナリオやコンテ作業に集中するため、現場の監督を以前から親交があり、信頼していたいわもとさんにお願いできないかと相談させていただきました。

いわもと:またこうして『プリコネR』に携われて本当に楽しかったです。

あの子たちに本当の笑顔を取り戻してあげたかった

──アニメの『プリコネR』はこういう物語にしたいと、最初に考えたテーマはあったのでしょうか?

金崎:第1期の立ち上げで守屋くんや木村さん(ゲーム『プリコネR』プロデューサーである木村唯人さん。アニメではエグゼクティブプロデューサーを務めている)と顔合わせをした時に、「ゲームのメインストーリーのままやってしまうと視聴者をふるいにかけてしまうから、まずは【美食殿】の生活を中心に世界を分かってもらう形にしたい」と相談して、了承いただきました。なので、第1期は『ユウキがなぜ記憶を失っているのか?』『ペコリーヌが実は名前や居場所、存在を奪われたお姫様である』というのが全て。そして、第2期が『居場所を奪われたお姫様が自分の全てを取り戻す物語』なんです。

さらに、最終話まで見ていただいた方はわかったと思いますが、アニメは『ユウキが後悔した選択の先にある、一度培った絆を諦めてしまった世界』。そこから“もう一度次の道へ進むための物語”というか、“たとえ後悔した選択だったとしても人は前に進んでいけること”を表現したいと思いました。その中でみんなが成長して本当の仲間になれる。それを物語として描ければいいなと。

──そういったテーマのもとに、第2期ではどんなことを意識して制作したのかお聞かせください。

金崎:『居場所、存在を奪われたお姫様』というテーマはすごく大きいし、僕自身あれだけ第1期を心血注いで作ったので、【美食殿】の各キャラクターへの思い入れが強いんです。そんな僕にとって子供と一緒である【美食殿】の子たちに、本当の笑顔を取り戻してあげたいと思いました。

第2期の最終話のラストで、キャルが「(新生【美食殿】のクエストは)あたしの料理を食べること!」と言って、キャル、コッコロ、ユウキの微笑みに迎えられたペコリーヌが涙をためて「はい」と駆け出すシーン。あの笑顔を取り戻すのが、僕の中では第2期のゴール地点。だから、あの【美食殿】のエピローグだけは早い段階でシナリオにしたんですよ。

──そこに至る経緯を決めていないうちに?

金崎:そうです。どういう流れでそこに行くかは自分でもわかっていなかったけど、この子たちの幸せな笑顔を取り戻してあげたい──それが全てのモチベーションでした。そのゴールに向けて各キャラクターの心情に嘘をつかないように、ずっとキャラクターと心の中で対話しながらシナリオを作っていった感じです。

──ゴールに向けて無理やりな方向づけをしたら、視聴者は気づきますからね。

金崎:一番難しかったのはペコリーヌです。作り手側がそういうドラマにしようとすると、悲しい涙が流れそうになるんですよ。

──言ってしまえば、“悲劇のプリンセス”ですからね。

金崎:そうなんです。でも、ペコリーヌ自身が言っているように「いつでも明るく振る舞うこと」があの子のベース。なので、第8話でおにぎりを食べながら涙したように、泣くのは基本的に嬉し涙にしようと。そう思って心の中でペコリーヌと対話していました。

いわもと:そういう話を聞いて、良かったなと思うのは僕が第1期の最終話を(演出として)やっていたことなんです。話の流れ、いわゆる縦軸はそのままで第2期に入っていったので、メインのキャラクターの心の動き、心情は外さずにやれたかなと。プロット会議でも、話を聞きながら「ここは抑えていこう」とか丁寧に補足して、最後の嬉しさに繋げていけたと思います。

 

(C)アニメ「プリンセスコネクト!Re:Dive」製作委員会
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