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冬アニメ『その着せかえ人形は恋をする』放送終了後レビュー・感想

冬アニメ『その着せかえ人形は恋をする』放送終了後レビュー・感想|令和の“ハイブリッド”ラブコメ、爆誕。

「ヤングガンガン」にて連載中の『その着せかえ人形は恋をする(以下、着せ恋)』。

本作は、お雛様に心を奪われ、雛人形製作に没頭している主人公・五条新菜(ごじょうわかな)が、ギャルでオタクなヒロイン・喜多川海夢(きたがわまりん)と出会い、彼女の「コスプレ衣装」を作る事から仲良くなっていくラブコメディ漫画だ。

2022年1月にTVアニメが放送開始され、大きな話題を集め、3月26日には最終話が放送された。コミックスの売上はアニメ放送開始から一ヶ月ほどで150万部以上伸びるなど大注目の作品となった。

本稿ではTVアニメ『着せ恋』の放送終了後レビューとその魅力を考察したい。実は私はこの作品を見るまで、ラブコメ作品イップス(今まで出来た事ができなくなる)のような状態に陥っていた。ほんの数年前まではヒロインの言動にいちいちドキドキして楽しんでいたのに、それができなくなったのだ。

しかし、『着せ恋』は何かが違う。見れば見るほどその深みにハマりあっという間に1クールが経ってしまった。

なぜ『着せ恋』という作品は多くの人の心を掴み、私のラブコメイップスを克服させたのか。その理由を考えてみた。

 

目次

第1話で“ある作品”を思い出す

本作の第1話を視聴した際、真っ先に『俺の妹がこんなに可愛いわけがない(以下、俺妹)』を思い出した。両作品に登場するヒロインの設定に共通点があるからだ。

『俺妹』には高坂桐乃というヒロインキャラクターが登場する。彼女は、ギャルでありエロゲーオタクという設定だ。『着せ恋』のヒロイン・海夢にも似た特徴があり、作品内でのオタク特有のギャグやあるあるネタなどのコメディ要素も相まって「令和の『俺妹』が始まったぞ!」という印象だった。

しかし、『着せ恋』はメインキャラクターがダブルでオタクなのだ。主人公の新菜も筋金入りの「お雛様」オタクである。ヒロインも主人公も大好きで仕方のないものがあるからこそ、お互いに共感できることや「違う部分」がハッキリとする。そんな2人の関係性に興味を惹かれた。

そしてもう一つ両作品には違いがあった。それはヒロインの「オタク趣味との向き合い方」である。
 

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今のオタクを象徴するようなヒロイン

両作品のヒロインが持つギャルという属性のキャラクターは、陽気で開放的であり、自由奔放ながらも芯がしっかりしているイメージがある。

それに対して「オタク属性」はどちらかというと暗く(突き抜けた明るいオタクキャラもいる)、ギャルとは対極なイメージだ。

その2つの属性が掛け合わさったキャラクターが『俺妹』の桐乃や『着せ恋』の海夢である。

上記で登場した『俺妹』のヒロイン・桐乃は「ギャルだけどオタク」であった。イケイケで明るい反面、「エロゲオタク」という個性を勝手に世間には理解されないマイナス面だと感じている。その陰と陽のギャップが魅力となっていた。

対して海夢は「ギャルだしオタク」なのである。自分の好きなものはとことん好きだし、隠さず突き詰める。自分の趣味を微塵も恥ずかしいと思わない。

ギャル属性のもつ底抜けの明るさ、芯のある行動と「オタク的価値観」がマッチすることにより、「海夢」というオリジナルな属性を生み出している。

昨今オタク趣味はどんどん主流になっており、海夢のように胸を張って「私は〇〇オタクです」と言える人も多い。そのような令和のオタク像を象徴するようなキャラクターであり、彼女のオタ活に共感できるファンも多いだろう。

 
私は桐乃側、平成のオタクだった。私がオタクとして過ごした学生時代は、今みたいに同世代の誰もが流行りのアニメを見ている状況ではなかった。私は桐乃のように自分のオタク趣味にどこか後ろめたさを感じていた。

そんな私からすると海夢が羨ましく思えた。自分の好きなものを堂々と好きだと言えて、コスプレまでして、オタクを謳歌している。また、あの姿をみると「好きなものは好きって言って良いんだ!」と自分を肯定された気さえしてしまう。これは新菜が海夢に惹かれていく要因でもある。

今のオタクを共感させつつ、私のような想いを抱いていた人にも元気を与えるキャラクターが海夢であり、その魅力に引き付けられ作品を楽しむことができた。

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