音楽
近藤孝行&小野大輔「TRD(トラッド)」初ライブBD&DVD発売記念インタビュー

近藤孝行さん&小野大輔さん『TRD Special Live 2021-TRAD-』BD&DVD発売記念インタビュー|曲順通りのセトリは試行錯誤を重ねた上での最適解な前半、シングル2曲を披露した後半戦のキーポイントは「ハモり」

ソロコーナーのリーディングから歌の流れに込めた想い

――シンプルなライブをするだけでも難しいのに、今回ソロで長めの朗読からのソロ曲の歌唱という新機軸に挑戦するのはすごいです。

小野:この時世では、お客さんと一緒に歌うことはできませんよね。だから僕らが歌を届けることで、会場に来てくれた方や配信で見てくれた方の力になるようなライブにしたい。むしろそれしかできないという思いでした。

TRDの楽曲にはコール&レスポンスするような曲はなく、ダンスパフォーマンスで圧倒するエンタメ、こちらから魅せるエンタメを目指してきたので、それに特化しようと。お客さんからもらうよりも、自分たちが完成したパフォーマンスをキメて、魅せたいなと思って。その一環がリーディングから楽曲へシームレスに移行していく形を提案しました。

実はFMのラジオ番組(『小野大輔のDelightful Days』)でリーディングから曲をかけるということを試験的にやってみたら、「これは声優だからこそできるエンタメだな」とすごく手応えを感じて。またライブで皆さんが声を出して反応することができないので、リーディングと歌で魅せてみようと。

――リーディングで演じた後、すぐにアーティストとして歌で表現するということは、気持ちの切り替えも必要なのでは?

小野:確かに難しかったです。

近藤:メンタル的な部分だけではなく、のどの使い分けの面でも。僕は歌になると高音域を担当することが多いし、お芝居では最近、落ち着いたキャラを演じることが多くなって。声の作り方がアフレコの日と歌の日では違うんです。今回はその両方が続けてあったので、苦戦しました。

でもやってみたら、リーディングは歌の前のプロローグみたいな感じで、ストーリーが進むにつれて徐々にテンションが盛り上がったところで歌に入ったことで、ソロ曲に彩りが加わったように感じたし、皆さんも喜んでもらえたのではという手応えもありました。

――リーディングも10分超あってからの歌だったので、がっつりと「近藤孝行コーナー」と「小野大輔コーナー」を堪能できた満足感がありました。

小野:そう言っていただけてよかったです。あのブロックは言ってみれば「ミュージカルのようなエンターテインメント」です。セリフを紡いでいった中で、最終的に何を言いたかったのか、何を伝えたかったのか。その答えが歌になっていて。

パッケージ化された楽曲は皆さんが聴いてくれる場所や時間、シーンによって感じ方が違うと思うし、聴いてくださる皆さんのものだと思っています。ただライブではパフォーマンスするのは僕らで、皆さんには受け取ってもらう形になるので、「こんな解釈どうでしょう?」と明示してみるのもおもしろいかなと。

僕のリーディングでは、コロナ禍における遠距離恋愛を描いてもらいました。そういう環境に身を置くファンの方もいるかもしれないなと思って。朗読する僕自身も切なくなりましたね。気持ちが高まった状態で歌に入ったので、気持ちを抑えたり、整えたりするのに苦労しましたが、その分いつも以上にエモーショナルに歌えたと思っています。

――近藤さんのリーディングは、序盤は大人の恋愛を連想させて、正直エロいなと思ってしまいました(笑)。

小野:アレはミスリードを狙っているよね?

近藤:家の軒先にいた女の子を部屋に上げて、同棲が始まるなんて、エロいですよね。というよりアウトでしょう(笑)。実は女の子ではなく、ネコだったという。ちょうど僕がウサギを飼い始めた時期だったこともあり、ライターの方が僕のツイートを見て書かれたのかなと。だからすごく感情移入できました。ウチのウサギちゃんも女の子なので(笑)。

――ライブで披露した楽曲やパフォーマンスもアダルトでスタイリッシュだったので、朗読も少し大人っぽいものになったのかなとも。

近藤:そうですね。僕らの年相応の内容だった気がします。

小野:打ち合わせの時、「これは若手の子だと難しいかもですね」と話していた気がします。内容もそうですし、朗読から歌という流れの点でも。スタッフの皆さんも大変だったみたいで、すごく手がかかることをやらせてしまったなと申し訳ない気持ちもありました。ただ声優として、歌い手としてキャリアを重ねてきた今なら、これを表現できるんだという確信がありました。スタッフさんもそう思ってくださったのかなと。今だからこそのパフォーマンスだったと思っています。

前半はミニアルバム『TRAD』の曲順通りのセトリは試行錯誤を重ねた上での最適解

――前半は1stミニアルバム『TRAD』の曲順通りのセットリストでした。『TRAD』のインタビューの時に、完成されているセットリストとおっしゃっていましたが、ライブで実際に体験したことでその理由がわかったし、ライブで本領を発揮するアルバムだったんだなと。

近藤:初期の頃、「Vermillion Phoenix」の制作中の時から、「これは絶対、ライブのOPだよね」とか「やっぱり炎の演出が欲しいよね」と話していました。

小野:きっと楽曲を作っている時からライブをイメージしてくれていたんでしょうね。もちろんライブのセットリストは熟考しまして、曲を何度も入れ替えたりもしてみました。最終的にミニアルバムの曲順そのままでやって、最後は1stシングルの2曲目「Clock Hands」→1曲目「Strangers」の順番でやろうというところに落ち着きました。

近藤:作詞してくださったカミカオルさんも「ライブのOPで歌ってほしい」というツイートしていて。クリエイターさんの想いも感じられて嬉しいです。

――ミニアルバムの最後の曲「Game Changer」を雄大に歌って魅せたところで、前半が終了しました。すごく集中して見たので肩が凝ってしまいました(笑)。

近藤:前半だけでもかなりカロリーが高かったですからね。

小野:率直にお話しすると、僕らはまだミニアルバム1枚とシングル1枚しかリリースしていない状況で。ボリューム感を持たせるためのアイデアでもあったのがリーディングでした。

普通のライブでは、5曲なんて序盤じゃないかなと感じてしまうかもしれないけど、僕らは必死でした。実際にライブでパフォーマンスしていくと、1曲1曲が濃密で、短い時間の中にいろいろな要素が詰まっている、満足感があるものが作れたなという感覚がありました。

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