爽やかに疾走する「Chasing the dream」のように、アーティストとしても、声優としても未来へと全力疾走――『ワッチャプリマジ!』第3クールOPテーマ 鈴木杏奈さんロングインタビュー|意外なバックグラウンドも明らかに?
空を思い浮かべながら
――「Chasing the dream」はプリマジスタたちの気持ちを代弁しながらも、女の子の夢を応援する曲であり、さらに『プリマジ』ファンの日常にも寄り添った曲にもなっていますよね。
鈴木:さまざまな人たちの夢や日常にリンクする応援ソングになっています。歌詞を書いてくださった山北さん、アッシュ井上 (Dream Monster)さんに対して、改めて凄いなと思いました。日常やお仕事などでつらいときにも聴いていただき、元気になってもらったらなと思ってます。
――レコーディングはいかがでしたか?
鈴木:サビはすっごく気持ちよくて。伸びが多い曲なんです。高音も勢いでスラッと出せるので、MVのように空を思い浮かべながら気持ちよく歌いました。難しいパートもあるんですけど、気持ち次第ですっと出るんです。
――その経験は「Chasing the dream」をカラオケで歌いたい人の参考になりそうですね。
鈴木:なると思います。この曲に限らずなんですけど「行ける!」って思うと声が出るものなんですよ。跳び箱と一緒なんです。「飛べる!」って思うと不思議と飛べませんか?
――確かに!
鈴木:ぜひそういうお気持ちでチャレンジしてくださったらなと。
初のバラード曲は「母への感謝の気持ちでもある」
――カップリングの「てのひらのありがとう」は、昨年12月12日(日)に行われた自身初となる単独トーク&ライブイベントで公開された曲です。あのライブで披露されてから、いよいよ音源化ですね。待ってましたという声も多かったのではないでしょうか。
鈴木:12月の単独公演で披露したときに「音源化してほしい!」という声をいただいていので、SNSで皆さん「楽しみにしてました!」と言ってくださっていて。ここで収録できて、そして発表できて良かったなと思っています。
――「てのひらのありがとう」はファンの方への感謝の気持ちが表れた曲ですよね。
鈴木:初の単独イベントだったので、会いに来てくださった方に感謝を伝えたいなと思って急遽作ってもらったんです。あまりに急だったので、実は私からはリクエストなどはしていないんです。スタッフさんが曲を用意してくださって。すごく素敵な曲にしてくださり感謝です。私自身、はじめてのバラード曲なので大切に歌っていきたいなと思います。年齢を重ねるごとに味が出ていくような曲にしていきたいですね。
――バラードってアーティストにとってひとつのステップアップだと思うんです。難しい面もあったと思うのですが、歌ってみていかがでしたか?
鈴木:やはり難しかったです。サビに高音の部分があるんですが、そこを地声にするか、ファルセットにするかで印象が違うので、そこは悩んだところでした。それで1コーラス目、2コーラス目、落ちサビで使い分けました。歌詞がストレートに伝わるような歌い方を意識しています。
――落ちサビの部分は柔らかい印象がありました。
鈴木:そうですね。伸び伸びと歌うというよりかは、言葉を囁くように伝える感じで歌いました。ライブで歌っていたこともあって、最初の時点で「だいぶ完成されているね」と言っていただけて。普段のレコーディングでは誰の前でも歌ったことのない状態で録っていたので、お客さんの前で歌えたことは大きかったです。
――ファンの方に届けた曲ですけど、<たまに喧嘩もしてしまったけどいつも意地っ張りな私でごめんね>という、近い方に歌われたような言葉も。
鈴木:実は母に向けての歌詞でもあるんです。私が歌手として、声優として、夢に向かっていく中で支えてくれていて。だから<てのひらに積もった想い>というのは、母への感謝の気持ちでも、ファンの皆様に対する気持ちでもあります。
――お母様はこの曲を聴かれたときになんて言ってました?
鈴木:「いい歌だね」って言ってくれました。泣きそうだった、と。本当にいつも支えてくれているので、いつか親孝行しなきゃなって思ってます。
――お母さんというのはやはり大きな存在ですよね。
鈴木:そうですね。オーディションを受けてもうまくいかないこともあって。そういう時、すごく凹むんです。でも母が「次もあるからまた頑張ろう」って言ってくれて励みになりました。オーディションに受かったときは盛大にお祝いしてくれたり、『プリマジ』が決まったときは泣いて喜んでくれたり。いつも支えられてきました。
――小さいころから「やりたいことがあればなんでもチャレンジしてみなさい」といった感じで言ってくれていたんですか?
鈴木:そうですね。私は小さい頃に演歌を習っていたのですが、習い始めたきっかけは祖母が演歌を好きだったからで。「歌を(本格的に)やりたい」と言ったときも母と祖母が背中を押してくれたんです。もともと母は水樹奈々さんが大好きで、家で水樹奈々さんの曲をよく聴いていて……。
――そうだったんですか!? はじめて聞くエピソードかも。
鈴木:もしかしたら、公の場で言うのははじめてかもしれません。だから小さなころから刷り込まれていて(笑)。「水樹奈々さんも演歌からスタートしてるし、杏奈もアニソン歌手になれるよ!」ってよく言ってもらってました。母は水樹奈々さんがとにかく好きだったので、『バジリスク~甲賀忍法帖~』をよく見ていて、その影響で私も好きになりました。それと陰陽座も好きなんですよね。アニソンからロックまで幅広く好きなので、私もその影響を……今考えるとめちゃくちゃ受けてますね(笑)。
――お母様、歌も得意なのでは?
鈴木:得意だと思います。昔、一緒にカラオケに行って、ふたりで別々に部屋に入ってフリータイムで歌ってました(笑)。時々お互いの部屋に入ったり、LINEで連絡取ったりとか。歌が聴こえることもあるので「今の曲いいね」って。
――まるで修行のようですね(笑)。
鈴木:(笑)。ふたりともずっと歌いたいタイプだったので、お互いの歌っている時間がもどかしかったんですよ。混んでいるときは一緒の部屋に入っていたんですけど、地元のカラオケ屋は平日だとそこまで混んでいなくて。最近も仕事帰りにひとりカラオケに行ってます。時間があるときはフリータイムでお昼から夜まで(笑)。ライブでもしっかり歌えるようにと、楽しみつつ歌っています。
――そしたら、いつか水樹さんと共演されたら……。
鈴木:母は絶対に泣くと思います(笑)。私も泣くかも。そんな日が来るかは分かりませんが、水樹奈々さんとの共演は目標のひとつです。ライブや作品で、いつか……と思ってます。