声優
江口拓也、田中美海ら出演の朗読劇『確率捜査官 御子柴岳人』レポート

神永 学さんの人気シリーズ『確率捜査官 御子柴岳人』が朗読劇に! 江口拓也さん演じるイケメン数学者と田中美海さん演じる熱血新米刑事コンビが難事件に挑む! 朗読劇『確率捜査官 御子柴岳人』レポート

アニメ化された『心霊探偵八雲』や『怪盗探偵山猫』シリーズを手掛けた推理作家、神永 学先生による人気作『確率捜査官 御子柴岳人』が待望の朗読劇に! 2022年8月7日、埼玉・ところざわサクラタウン ジャパンパビリオンホールAにて、朗読劇『確率捜査官 御子柴岳人』が開催されました。

効率的かつ公平な取調を目的として、警視庁世田町署内に新設された「特殊取調対策班」。同班に異動してきた熱血新米刑事の新妻友紀がペアを組むことになったのは、イケメンだけど毒舌で自由奔放な数学者の御子柴岳人。犯人の深層心理を数字で読み解いていく「前代未聞の取調エンタテインメント」。

御子柴岳人役を江口拓也さん、新妻友紀役を田中美海さんが演じ、特殊取調対策班の班長・権野道徳役は水島 裕さん、津山重臣役は酒巻光宏さん、島田遼平役は駒田 航さん、鈴木美佐子役は比嘉久美子さんと、幅広い芸歴の実力派声優が一堂に会しました。

ミステリーファンや声優ファンなどが大注目! そして1公演限りというプレミアムな朗読劇のレポートをお届けします!

大学准教授の御子柴が数学的なアプローチで難事件の真相究明! 取調と自供へのプロセスは独特で唯一無二!

小洒落たジャズナンバーが場内に流れると暗転、6人がステージにセッティングされた椅子に。時計の時を刻む音が聴こえ、徐々に大きくなり、ゴーンと鳴り響くと明転し、背後のスクリーンには取調室の写真が映し出され、新妻友紀の取調シーンから始まります。冷静にゆっくりと容疑者に問いかけていく新妻、何も答えない容疑者に対して、同席していた警部補が、業を煮やして容疑者である島田へ自供を強要。二人の言い合いから予期せぬ方向へ……。

それからしばらくして、新妻は特殊取調対策班へ異動することになり、入室すると白衣姿の御子柴岳人が。会話をしてもまったくかみ合わない二人。そこに特殊取調対策班の班長であり、どんな容疑者も自供させる「おとしの権野」と呼ばれる権野道徳が現れ、御子柴が大学の准教授であり、オブザーバーとして参加していることを知らされる。数学的なアプローチから事件や犯人の真相を追究するのが彼の役目であると。

そして御子柴と新妻がコンビを組んで最初に取り組む事件は、パートで働きながら子供を育てている鈴木美佐子が以前付き合っていた男性を、アパートの自室で殺害。鈴木は容疑を認めていながらも、殺意の有無など確証を得るために二人が取調することに。新妻の問いかけに答えようとしない鈴木を見て、モニタリングしていた権野が世間話から入るように指示。ようやく口を開いた鈴木だったが、もう話すことはないと拒否。

突然、「当日の朝食のメニューは?」や「もし空を飛べるとしたら?」など、関係なさそうな質問を次々、投げかける御子柴に、怒る新妻。そんなやり取りの最中、「そうか!」と何かを発見した御子柴。「これはすごい確率だぞ」。ここで確率捜査官たるゆえん、そして独特な取調で事件の真相に迫っていく……。

本作は犯人の推察や容疑者追究のプロセスが数学のロジックや方法論から導き出されており、これまでのミステリー作品とはまったく違っており、未読の方にとってはかなり新鮮かつ衝撃的だったのでは?

そしてこれだけ取調シーンが多い舞台も珍しく、ほとんどの時間を取調室で過ごしており、まさに「前代未聞の取調エンタテインメント」。ほぼワンシチュエーションだからこそ、1つひとつの会話劇が濃密で、役者同士の真剣勝負を見ているよう。そして別々の案件だと思われていた事件や推理がつながっていく過程と御子柴が自供に導いた瞬間のカタルシスも心地いい。

豪華キャスト陣による大迫力の熱演! 素晴らしい推理劇創りのためのシンプルなステージ&演出も見どころ

演じるキャスト陣の演技も素晴らしく、まず冷静で洞察力が優れていながら、新妻との言い合いでムキになって反論する子供っぽさもある御子柴を、江口さんがメリハリとギャップを見事に表現(「~もん」の語尾と表情もかわいい!)。数学者らしい意外な方法で犯人を追い込んでいくシーンは鳥肌が立つほどのカッコよさ。難しい数学理論をスラスラしゃべれるだけでもすごい!

田中さんは正義感あふれる新人刑事の新妻を、キリっとした凛々しい表情で演じつつ、御子柴と言い合いしたり、ことわざが苦手な御子柴に「そんなことも知らないんですか?」とドヤ顔するところなど、まじめさとかわいさ、そして御子柴への信頼感が徐々に芽生えていく様子を演じ切りました。観客と同じ目線に立つポジションかつ、ストーリーテラー的なモノローグの長ゼリフも多い難役でしたが、舞台上で最年少ながらも好演。

御子柴と新妻を見守る権野役を演じた水島さんはステージや朗読経験が豊富なベテランらしく、温かさと包容力あふれる雰囲気と佇まい、そしてアドリブなどでオチャメな面も。一方、冒頭に登場した中村警部補役も演じており、権野とは対照的な短気で暴力的な役を演じる姿を最初に見ていたからこそ、改めて演技力を実感します。

駒田さんが演じる島田は、シーンによって感情や喜怒哀楽で激しく揺れる難しい役柄ながら、エネルギッシュに、新妻の元上司にあたる津山役の酒巻さんは重厚感あふれるシリアスなお芝居で物語を締めるポジション(その分、アフタートークでの明るいご本人の人柄とのギャップにビックリ)、比嘉さんは母親の子への想いや愛の強さを、それぞれ素敵に演じ、御子柴との対話シーンはシビれる緊張感がありました。

ステージ上には人数分の椅子が並んでいるシンプルなものでしたが、後方のスクリーンには取調室や研究室などの写真が場面転換のたびに映し出されたり、御子柴が数学用語を使ったり、容疑者との会話で使われた表なども見られ、難解になりそうな部分もフォローされていることで、ストレスなくお芝居に没頭できました。

 

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