アニメイトタイムズがオススメする年末年始に見てほしいアニメ！ 編集者＆ライターの人生を変えた“バイブル”アニメ作品鑑賞会！ 名シーン、作品の魅力を解説！

お洒落すぎる賞金稼ぎたちから「かっこいい」を学んだ

石橋：次は俺だ。俺が選んだのは『カウボーイビバップ』です！

カウボーイビバップ

あらすじ

ワープゲートで各惑星が結ばれた２０７１年の太陽系を舞台に、宇宙空間を「ビバップ号」で飛び回る賞金稼ぎスパイクとジェットは元マフィアと元警官。
記憶喪失の上に莫大な借金を背負っている謎の女フェイ、野生児のような天才ハッカーのエド、人間並みの知能を持つデータ犬アインが加わって４人と１匹が奇妙な共同生活を送ることになる。

キャスト

スパイク：山寺宏一
ジェット：石塚運昇
フェイ：林原めぐみ
エド：多田葵

(C) サンライズ

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タイラ：今年実写にもなって話題になってましたね！

石橋：そうそう〜。声優もアニメ版と一緒で良かったなぁ。『カウボーイビバップ』はとにかく声優が良くて……。

主人公の賞金稼ぎスパイク・スピーゲルが山寺宏一さん。相棒のジェット・ブラックが石塚運昇さん。ヒロインのフェイ・ヴァレンタインが林原めぐみさんと、今では考えられない布陣なのよ。他にもスパイクのライバルのヴィシャスが若本規夫さんだし、各話しか登場しないゲストキャラクターでもけっこうな有名な声優さんが出てて、本当にびっくりしちゃう。

杉村：すごい！

タイラ：石橋さんはなんで『カウボーイビバップ』を選んだんですか？

石橋：アニメにガッツリハマったときが大学生のころなんだけど、その時は時間が有り余っていたし、「自分は周りの皆が知らない作品を知っている！」という謎の優越感があって、手が届くアニメ作品は片っ端から見てたんだよね。そこで友達におすすめされたのが『カウボーイビバップ』だった。それでドハマリして……。

『カウボーイビバップ』のなにが良かったかと言うと、まずは音楽がすごかった。ジャズ、ロック、カントリー、たまにクラブミュージックとかもあって、とにかく劇中の音楽がお洒落。高校生の時から音楽にハマったのもあってとにかくドンピシャだったんだよね。

誰もが聞いたことがあるオープニングが印象的だからそこにも注目かな。

タイラ：あの曲って『カウボーイビバップ』が最初なんですか？　バラエティ番組とかでもよく聞きますよね。

石橋：そうだよ。印象的な曲すぎてどこでも使われてるよね。

音楽も含めてハマったし、「アニメでもこんなことができるんだ」って教えてくれたのが『カウボーイビバップ』だったんだよね。ということで第1話「アステロイド・ブルース」を見ていこう！

賞金首のアシモフを追うスパイクとジェット。アシモフは敵対する組織から非合法の目薬ドラッグ“ブラッディアイ”を盗み出していた。アシモフは恋人のカテリーナと共に、ブラッディアイを売り捌こうと売人のバーテンの店を訪れるが……。

タイラ：最初からお洒落すぎるんだよなぁ……。

石橋：基本的には1話完結型なんだけど、冒頭のシーンは後半の伏線になってるんだよね〜。そしてオープニングが来るぞ。

杉村：おお〜！　聞いたことあります！

石橋：でしょ！　あまりにもかっこよすぎる。なんか古い言い方になっちゃうけど、男がかっこいいと思うものがてんこ盛りなんだよな。タバコ、銃、メカ、戦闘……。

杉村：セクシーな女性とか（笑）。

石橋：そうそう（笑）。

タイラ：セクシーで手に負えない女ね（笑）。スパイクが使う格闘技のジークンドーもかっこいいんですよね。

アシモフがブラッディアイを取引するシーン。追手に見つかり襲われそうになるも、ブラッディアイの力で敵をなぎ倒していく。

タイラ：目から入れる麻薬ってのも面白い設定ですね。絶対血管に入れたほうが効率的だろ（笑）。

石橋：目に吹きかけるから動体視力が上がって強くなるんだよ！！！

杉村：（笑）。ところで、おもしろい台詞回しが多いですね。

石橋：そうそう。映画みたいな台詞回しが多いんだよね。昔、サントラが出てて、曲と曲の間にアニメの台詞が入ってる不思議な構成だったんだけど、それがまた良くてね……。今でも台詞を空で言えるくらい聞いたなぁ。

アシモフとともに逃げるカテリーナと接触を図るスパイク。なぜか、すぐに捕まえようとはせずに、たまたま仲が良くなった風を装っていた。しかし、スパイクはついに本題を切り出す。危険を察したカテリーナ。それをアシモフに見つかり、二人は逃げ出した。そしてカテリーナがスパイクに言った。

「アディオス、カウボーイ（賞金稼ぎ）」

タイラ：いちいち台詞が臭いんだよな（笑）。

石橋：これがいいんだよ！！！

スパイクから逃げるアシモフとカテリーナ。カテリーナはアシモフと逃げて新たな生活を夢見ている。

タイラ：普通、こういう時って女性の方が現実的になりません？　組織にも賞金稼ぎにも追われて、ただじゃすまないって思うはずなのに、カテリーナは夢を見てますよね。

石橋：なんか“いい女感”がすごいよね。

タイラ：そうそう！　まさに男が求めるいい女って感じ。

杉村：（苦笑）。でもドラマがしっかりしてるので黙って見ちゃいますね。

石橋：そうなんだよね。ほんと映画みたい。

追手やスパイクに見つかり、逃げ出すアシモフとカテリーナ。警察にも目をつけられ、もう逃げ場はない……。遠くに見えたスパイクにカテリーナはつぶやく。

「アディオス」

タイラ：諦めちゃった……。

全員：SEE YOU SPACE COWBOY…。

タイラ：か、かっけぇ……。

石橋：これはかっこよすぎるよなぁ。

タイラ：ラストシーンの無重力状態でジェットがスパイクにタバコを渡すシーンとかめっちゃかっこいいですよね。やりてぇ……。

杉村：石橋さんは音楽がいいって言ってましたけど、本当に音楽も良くて、それに合わせて静と動が混在しているのがいいなって思いました。

石橋：わかる。こんなお洒落な展開が続くアニメって最近ではできないんじゃないかってくらい。

最初に見たときな「こんな第1話ある!?」ってびっくりしたなぁ。

杉村：対象年齢いくつですか？（笑）　って感じですよね。

タイラ：平均してずっとこのテンション感ですよね。

石橋：そうなんだよねぇ。しかもあのカテリーナをアシモフより先に捕まえなかったのも、今後の展開につながっているんだよね。何気ない1話だけど、実は一周回ってここがめちゃくちゃ伏線になっている。

渋い展開とハードな内容がかっこよすぎてめちゃくちゃ影響を受けた作品だね。スパイクがマールボロってタバコを吸ってるから影響を受けて当時吸ってたくらいだもん。

杉村＆タイラ：（笑）。