『祝福を！』から巻き戻した関係値で表現する、めぐみん＆ゆんゆんの繊細な距離感―― 『この素晴らしい世界に爆焔を！』高橋李依さん＆豊崎愛生さんインタビュー

『祝福を！』から時間を巻き戻したふたりの関係値

――めぐみんとゆんゆんが掛け合うシーンについて、おふたりで何か事前に話し合ったりするのでしょうか？

高橋：実は事前に話し合ったりしなくても、愛生さんが拾ってくれるんです！　例えばめぐみんが焦って「こ、こここここめっこが……」と動揺する場面でも、そのお芝居をすぐに拾ってくださって……様々なシーンで助けていただいています！

豊崎：こめっこちゃんがいなくなってしまって、狼狽えているシーンだったね。こういった掛け合いはキャスト同士のキャッチボールからキャラクターたちの表情が見えてくるので、できるだけコメディとして面白くしたかったんです。

『爆焔を！』では、現場の雰囲気も含めて李依ちゃんがどれだけめぐみんをのびのび演じられるのかが鍵だと思っていたので、私のお芝居でそれを支えられたのなら良かったなと思います。

高橋：本当に好きに楽しく演じさせていただきました。愛生さんは私が何をやっても絶対に受けてくれる最強のレシーバーでした。とても頼もしかったです！

豊崎：きっと私以外のキャストも、めぐみんが中心として動くお話だと考えていてくれたんじゃないかな。だから自然とめぐみんが立つお芝居の構図ができた現場になっていたと思っています。

――また、『爆焔を！』でもお馴染みとなっているめぐみんとゆんゆんの勝負ですが、おふたりがシリーズを通して印象に残っているものはありますか？

高橋：やっぱり第1期の第11話「この素晴らしいチョーカーに祝福を！」のじゃんけんですね。じゃんけん「ぽん！」のタイミングを絵に合わせるように収録したのですが、本当に楽しい時間でした。

豊崎：初めて長く他のキャラクターと絡んだのがそのシーンだったように思います。収録はもう何年も前になりますが、その時点のめぐみんとゆんゆんの関係性は『爆焔を！』のずっと後の出来事なんです。いわば『爆焔を！』を経て出来上がった関係性なんですよね。だから今回は、時間を巻き戻してほしいとアフレコに入る前からシリーズ構成・脚本の上江洲誠さんに言われていました。

めぐみんとゆんゆんは『祝福を！』の頃には息ピッタリなので、喧嘩をしていたとしても餅つきみたいな掛け合いができるんです。でも、『爆焔を！』はまだそこまで辿り着いていないので、仲が良くないわけじゃないけれど、知り合って間もない微妙な距離感を繊細に描いていきたいとディレクションをいただいて。

だから、まだ色々なところが噛み合っていなかったり、勝負の仕方や種類が一方的だったりして。そういうところも『爆焔を！』らしさなのかなって思います。

高橋：確かに『祝福を！』の頃はちゃんと勝負として成立していましたね。これは『祝福を！』のふたりだからこそだと私も感じます。

豊崎：『爆焔を！』で、めぐみんが爆裂魔法を覚えると言った時に取っ組み合いの喧嘩をするシーンがありましたが、そこでゆんゆんが「勝った！　はじめて勝った！」って言うんです。その喧嘩が土まみれで馬乗りになるかなり本気なものになっていたのですが、ふたりの喧嘩も最初はそんな感じだったんだなって感慨深くなりましたね。

そこからじゃんけんになったり、かけっこになっていったんだなって。ふたりの勝負の種類は少し子供っぽいんですが、そこが可愛いところでもあるんです。

――勝負の話題で言えば、『祝福を！』第2期の第2話「この紅魔の娘に友人を！」でふたりの過去をカズマたちに知られてしまうシーンがありました。

豊崎：ウィズさんの店でカズマさんたちにドン引きされていた場面ですね。あのシーンを思わせるものが、今作では何度か見られましたね。

高橋：当時はドン引きされてしまいましたが、ザリガニは食料であることもだいぶ定着したのではないでしょうか。それこそ『爆焔を！』の第1話はザリガニから始まっていますし（笑）。こめっこと歌えたのも嬉しかったな〜！

豊崎：もちろん今作からシリーズを見始めた方も絶対に楽しんでいただけると思いますが、『祝福を！』からのファンの方は答え合わせ的な要素がたくさんあって、より楽しんでいただけると思います。