声優
声優・水島 裕が子どもたちに伝えたい、自分だけの個性と魅力

僕は“別に”という言葉は使わないほうがいいよ、と子どもたちに言っているんです――81ACTOR'S STUDIOキッズクラス代表講師・水島 裕さんが子どもたちに伝えたい、自分だけの個性と魅力

「引っ込み思案は悪くない。その個性を魅力にしてほしい」

――では改めて、81ACTOR'S STUDIOキッズクラス【81キッズ】立ち上げの経緯を教えてください。

スタッフ:立ち上げについては、私からも説明させていただきます。弊社の代表がそもそもキッズ向けの養成所を立ち上げたいという話をしていました。業界として子どもの声が求められている中で、社内には子どもの声優が所属していません。そのため、「キッズ声優のスーパースターを輩出していく」という理念のもと、今回のこのクラスを立ち上げました。

水島:81キッズの話が浮上したのって、2~3年前なんです。その後、南沢(道義)社長と「キッズの養成所を立ち上げたい」という話をしていました。でもコロナ禍になってしまって。

スタッフ:私としてもそのお話は聞いていたんですが、「じゃあ立ち上げようか」というタイミングでコロナ禍になってしまったんです。

水島:やはり子どもたちにもしものことがあったら大変なので、情勢を鑑みて、という話になりました。だから満を持して、です。(大人向けの)普通の養成所と違うのは、保護者の方たちに同伴してもらわなければいけないこと。行き帰りの安全もありますから。そのご家庭ごと巻き込むことになりますので、大人のクラス以上に神経質になっていました。だからやっとですね。

――子どもの声が求められていることは、81プロデュースとしても感じられていましたか?

スタッフ:はい。特に昨今、様々な「動画配信サービス」(VOD)が増加傾向にある中、その海外ドラマなどに出演している子供の役の吹替えを、同世代のお子さんの声でと求める業界の声が非常に多くなってきた現状があります。

――【81キッズ】では『感情を表現する力』を育てる、『コミュニケーションスキルを上げる』、『感じるチカラ』や『伝えるチカラ』を育てることを大切にされています。

水島:言葉にするとしたら、そうですね。それをまとめて一言で表すとしたら「あなたの魅力を出してよ」ってことです。僕がレッスンしてきた子たちの中にも、いろいろな個性を持った子どもたちがいます。中には控えめでおとなしい子も。それで良いと思うんです。ただ、それを魅力にしてほしい。引っ込み思案なことは悪くない。その個性を魅力にしてほしい。そう思っています。

実際、キャラクターにもいろいろな個性があります。控えめなキャラクターや、元気なキャラクターがいます。だからこそ、声優にも個性を求められます。一緒くたになる必要はないんです。それを伝えるのが、この【81キッズ】になってくるんだと思っています。

――講義の内容は水島さん自身が決められているのでしょうか?

水島:そこは任せてもらっています。キッズのレッスンは1年間しっかり見られるので、じっくりと伝えていけたらなと思っています。まずは感じるところから。

でも敏感であることってしんどいんですよね。敏感であれば、苦しい、悲しいっていう負の部分を人の倍感じることになりますから。それでも、敏感であることで「凹むことも悪くはないよね」と思ってもらえるんじゃないかと。それを引き出しにすれば演技にもプラスになる。そうすると、凹むことが怖くなくなるんですよね。

――それすらも糧になる。

水島:そう。苦しい、悲しいが悪いことじゃないと分かれば、じゃあこの思いを自分の中でどう昇華していけば良いのか、探してもらえるようになる。ただ落ち込むのは……悪くはないけどつまらないよねって。だから、早く元気になろう、そういったことを伝えていきたいなと思っています。

以前、子どもたちにレッスンしていたときに、1年、1年、子どもの目線が変わることにも驚きました。子どもたちって本当にすごいんです。そしてどんどん吸収していく。だからこそ、いろいろなことを伝えてあげたいなと思っています。

――これから受講を考えられている方や、声優になりたいというお子さんにアドバイスされるとしたら、どんなことでしょうか。

水島:2つあります。1つはどういう過ごし方をしても1年。極端に言えば、昼寝をしていても1年。でもいろいろなものを感じようとしても1年。それであれば、多少しんどいことはあるけど、気持ちが揺れているほうが、あとで振り返ったときに豊かな人生を送れたと思えるんじゃないかなと。一番怖いのは何も感じないこと。僕がいつも「別に」という言葉は使わないほうがいいよ、と言っています。

――「別に」ですか。

水島:つい言っちゃう言葉じゃないですか。例えば「このあとどうする?」「このあと何食べたい?」って聞かれたときに……。

――「別に…なんでもいいよ」と。

水島:そう。それって自分の心を探さなくする言葉なんです。自分の気持ちを探すことをさせなくなる。極端な言い方をすれば、自分の心を殺す言葉なんです。うれしくもない、悲しくもない。心電図で言えば平坦な一本線にさせてしまう。だから【81キッズ】に来れば「別に」と言わない生活を、時間を過ごすことができるんじゃないかな。楽しい、悲しい、を増幅させることができると思う。感情が豊かになれば、多少つらいこともあるよね。でも楽しいことも倍増するから、ぜひ一緒にレッスンしましょう。

あともうひとつ……さきほど「業界が求めている」というお話がありましたが、本当にその通りで。動くなら早いほうが良いとは思っています。子どもの1年間の変化は大きいので。子どもにとって今がチャンスと言っても過言ではない。必ず需要があるはずです。

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