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夏アニメ『無職転生 Ⅱ』内山夕実&茅野愛衣インタビュー

『無職転生 Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~』内山夕実さん&茅野愛衣さんインタビュー|第2期冒頭のルーデウスは「重なるような想いを持って演じました」

「小説家になろう」で連載された“異世界転生”作品の走りとされる、理不尽な孫の手先生によるライトノベル『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』。

そのTVアニメ第2期『無職転生 Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~』が、いよいよ2022年7月2日(日)よりTOKYO MX・BS11ほかで放送開始となります。

アニメイトタイムズでは放送に先駆け、ルーデウス・グレイラット役の内山夕実さんと、シルフィエットとフィッツを演じる茅野愛衣さんへインタビューを行いました。

おふたりには生き別れとなったルーデウスとシルフィの心境や、その過程で繰り広げられる焦れったいやり取りについて語っていただきました。また、内山さんが語る第2期序盤で失意の底にある青年ルディ、茅野さんが語る第2期のシルフィの印象や演じるうえで意識している点にもご注目ください。

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無職転生 Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~
2012年から小説投稿サイト「小説家になろう」で連載が開始されて以来絶大な人気を誇る“なろう系ラノベのパイオニア”『無職転生~異世界行ったら本気だす~』。理不尽な孫の手の著による本作は、多くの作品が生み出されている「異世界転生系ラノベ」「なろう系小説」のまさに先駆者的作品であり、幅広いファンを獲得している当ジャンルの代表作。働きもせず他人と関わりもせず、ただ部屋に引きこもってゲームやネットに明け暮れるだけの34歳のニート男が、ある日交通事故に遭い死亡…したと思った次の瞬間、剣と魔法の異世界に生まれたばかりの赤ん坊として転生!少年ルーデウスとして生まれ変わった男が、前世の記憶と後悔を糧に、出会いや試練に直面しながら「今度こそ本気で生きていく」姿と壮大な冒険が描かれる大河ファンタジー。作品名無職転生Ⅱ~異世界行ったら本気だす~放送形態TVアニメシリーズ無職転生~異世界行ったら本気だす~スケジュール第1クール:2023年7月2日(日)〜2023年9月24日(日)第2クール:2024年4月7日(日)~TOKYOMX・BS11ほかキャストルーデウス・グレイラット:内山夕実前世の男:杉田智和シルフィエット:茅野愛衣ノルン・グレイラット:会沢紗弥アイシャ・グレイ...

第2期発表時点では内山さんがルーデウスを演じると決まっていなかった

──いよいよ第2期が放送開始となります。まずは『無職転生』という作品について、内山さんは第1期をルーデウスとして走り切りましたが、改めていかがですか?

ルーデウス・グレイラット役 内山夕実さん(以下、内山):この作品は「小説家になろう」で連載された「異世界転生ものの先駆け」だと伺っていたので、ファンの方たちの熱量や愛は当初から感じていました。だからオーディションを受けてルーデウス役を演じると決まった時は、プレッシャーがありました。

実際に作品に触れてからは、原作を読んでくださっている方やアニメをご覧になってくださる方が、共感できる部分がたくさん散りばめられていることに気づきました。異世界ファンタジーでありながらリアルな表現が多数あったんです。

年齢や経験を重ねるにつれ共感できる部分が増えていきますし、心に残る部分もあるので、人気の理由がよく理解できました。本当に素敵な作品に関わらせていただけたなと思っています。

──シルフィエットは第1期でルーデウスの幼少期、第1クールに登場しました。

シルフィエット/フィッツ役 茅野愛衣さん(以下、茅野):第1期のシルフィは、本当に序盤だけの登場でした。なのでルディの旅路を知らないまま演じた方がいいと思って、「AnimeJapan 2023」の時まで第1期の後半部分を見ないようにしていました。

内山:「ルイジェルドさんってどんな人なの?」っていう発言が印象に残っているよ。「浪川(大輔)さんが演じているから絶対に面白いキャラクターなんでしょ?」って言っていましたが、あの瞬間の私たちと客席のざわめきは凄かった……!

一同:(笑)

茅野:(笑)。そこから第2期の収録もかなり進んだので、そろそろ良いだろうと思って第1期を実際に見たのですが、面白過ぎました。原作小説はこの後の楽しみにしておこうと思っていたのに、第1期を見終わったら先が知りたくなったので、原作も読んでしまって……とはいえ、ルディに何があったかシルフィは知る由もないので、演じる際は気を付けています。

──改めて第1期を振り返って印象に残っているシーンはありますか?

内山:どれも大事なエピソードなのでひとつに絞りづらいのですが、私個人が凄く重なったのは第16話「親子げんか」と第17話「再会」です。自分もこの年齢になったからか、父親のことを考えさせられたり、ルーデウスとパウロのすれ違いからの和解は胸にくるものがありました。

ルーデウスとしても自分がどれだけ大変な目に遭ったのか、その困難をどう乗り越えてきたのか、パウロに心配をかけないよう伝えたかったと思うんです。けれど置かれている立ち位置が違ったことから、パウロは思ったように受け止めてくれず、そのすれ違いがもどかしく思いました。

最初はルーデウス視点で見ていたので「なんでわかってくれないんだ」と思ったのですが、第17話冒頭の台詞のない音楽だけのシーンで、パウロも大変だったことや妹のノルンがお父さんを支えようと健気に頑張っていたので、全てが伝わってきました。

本当にみんな生きるのに精一杯で、必死に家族を守ろうとしている。その目標は同じなのに、ちょっとしたことで掛け違ってしまう。そういうところが胸に刺さりました。

きっと現実にも起こり得るすれ違いなのだけれど、ルーデウスもパウロもお互いを諦めなかった。けれど、あそこにルイジェルドやエリス、ギース、そしてあの酒場で「パウロの顔を見てやれ」と諭してくれた店主さんが居なければ和解には至らなかったかもしれない、ルーデウスとパウロだけであの和解は叶わなかったようにも思えたんです。

そうやってルーデウスたちに関わる人たちが、それぞれの温度感や距離感で助けてくれることが本当にリアルだと思います。だから私自身、色々な人に感謝して生きていかなければとか、そういう大切な事を教えてもらいました。

 

──先ほどのお話にもありましたが、茅野さんは第2期の収録合わせで第1期をご覧になったんですよね。

茅野:はい。私も『無職転生』はテーマ性が強い作品だと思いました。特に家族の描き方が本当にリアルで、第4話の「緊急家族会議」は……。

内山:凍えるような寒さの中でね……。

茅野:うん、別の意味でリアルで。あってほしくないことではありますが、とてもインパクトがあってひりつく話数だったと思います。

内山:ちょうどシルフィとのエピソードの直後だったよね。シルフィとの関わり方についていろいろ助言してくれたりして、「父さまありがとう!」みたいに温かい気持ちになっていたのに……。

茅野:パウロ株が上がったと思ったらもうどん底よ! 本当にジェットコースターのようだったので、だいぶ印象に残っています。けれどあの事件がなかったら今のルディたちにはなっていなかったとも思います。

──成長したル―デウスを内山さんが演じると発表された時は大きな盛り上がりがありました。続投が決まった際の心境をお願いします。

内山:『無職転生』のためにアニメーション制作会社「スタジオバインド」が設立されたと伺っているので、スタッフさんたちの熱意は私も感じていて。きっと長くアニメ『無職転生』は描かれていくのだろうとも思っていたので、第1期の頃からいつまで私がルーデウスを演じられるのかも考えていました。

オーディションの時から年齢ごとに台詞が用意されていたので、キャラクターが歳を重ねて成長していくことを、大切に扱っていることはわかっていました。だからこそ原作から応援しているファンの方たちにとって、第1期以降のルーデウスの声はとても気になる部分だったのではないでしょうか。

今だからこそ言えるのですが、第2期発表時点では私がルーデウスを演じると決まっていませんでした。なので制作発表の時は、私の続投に期待を持たせられなかったし、「別の方になるのかな?」と憶測を呼ぶのも避けたかったので、色々な意味でドキドキしていました。

スタッフのみなさんもルーデウスを第2期以降どうしていくのかとても悩まれていて、私としては第1期で全うした気持ちでいないとダメだと思っていたのですが、まさかオーディションの機会をいただけるとは思いもよらず。

その時点でとてもありがたいお話だったので、これまでのルーデウスから1歩成長した姿を自分なりに演じて、監督やファンのみなさんに見ていただこうという一心で挑戦しました。

自分が初期から演じさせてもらった役柄を、最後まで演じられるのは役者として凄く幸せな事ですし、この作品においてはルーデウスの生涯や成長は大切な要素です。結果的に続投させていただけたので、私に任せてもらえた喜びと同時に身が引き締まる思いでした。

──ルイジェルドやエリスとの別れもあってか、序盤のルーデウスはかなり精神的に不安定になっている印象を受けました。

内山:ルイジェルドとの別れとエリスとの別れは、かなり意味が違ってくると思っています。ルイジェルドとはまたどこかで会えるという、希望を持った前向きな旅立ちに近いものがありました。

けれどエリスは、ようやく自分の全てを受け入れてくれると感じた相手だったので、ルーデウスはそんな相手から拒絶されてしまったと捉えています。そのショックは相当なもので、これ以降に出会う人たちからの優しさを、しばらくは素直に受け入れられないんじゃないかと感じました。

実際に演じていても、泥沼編で新たに関わるキャラクターたちの言葉ひとつひとつが温かければ温かいほどに、ルーデウスが感じている惨めさを、私も感じざるを得ませんでした。けれどそれは、他のキャストのみなさんが素敵なお芝居をしてくださるからこそ響くものなんです。だからルーデウスと重なるような想いを持って演じました。

──茅野さんは成長したルディの声を聴いていかがでしたか?

茅野:事務所のマネージャーから夕実ちゃんが続投だと聞いた時は、思わず「やったー!」と両手をあげて喜びました。声変りをしている可能性は考えたのですが、やっぱり久しぶりに再会するので、ルディと第1期を共に駆け抜けた夕実ちゃんの声で、また一緒にお芝居ができるのは嬉しいことだったんです。

少年ルディはギャグ的な要素をはじめ色々な表現を見せてくれたので、お芝居として感情が忙しかったと思います。だから「青年へと年齢を重ねたルディはどうなるのだろう?」「落ち着きが出てきたから表現の幅は狭くなっていくのかな?」と思っていたら、ちょっと破廉恥な一面も含めてむしろ深みを増していまして。

内山:それ褒めてる?(笑)

茅野:褒めてる褒めてる!

一同:(笑)

茅野:そんな細やかなお芝居は絶対に夕実ちゃんだからこそなんです。今回は一緒に収録できたのですが、後ろで聴いていても凄いなって。特に杉田(智和)さんとの収録模様は印象に残っています。私は“餅つき度”と言っているのですが、その二人三脚の息が第1期よりさらに合っていたので、何度も笑いを堪えていました。

やっぱり真剣にお芝居しているからこそギャグシーンも生きてきますし、戦闘シーンや悲痛なシーンでも、夕実ちゃんの色々な引き出しが見られます。私もアフレコで感動していたくらいです。

内山:そう思ってくれていたのなら良かった。やっぱり私がこういう気持ちでいることを、かやのんや杉田さんをはじめ、第1期を一緒に駆け抜けてくださった方たちは気にしてくれていました。お会いする度にどこか励ますように、大丈夫だよとか、長いこと同じキャラクターを演じ続けている先輩方がたくさんいると言ってくれて。

エリス役の加隈(亜衣)ちゃんも、ロキシー役の小原(好美)ちゃんも「ルディが変わっちゃうの嫌です!」と言ってくれていて、その優しさに救われたことで、オーディションを受ける勇気になりました。本当にこの作品に関わるみなさんは優しい方たちばかりなんです。

そのおかげで、今はこうして頑張っていきたいという気持ちでいられます。成長したルーデウスをみなさんにお届けできる時が来て嬉しいです。


 

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