マンガ・ラノベ
中華BL漫画(日本語版)おすすめ人気作品6選をご紹介

『天官賜福』の漫画も日本語版が登場! 『銅銭龕世』『烈火澆愁』など日本語版が続々と発売──中華BL漫画おすすめ人気作品6選をご紹介

中国の漫画プラットフォーム「快看漫画」「哔哩哔哩漫画」「騰訊動漫」などで配信されている中華BL漫画。近年では日本の電子書籍配信サイトにて、日本語版を読める作品が増えてきました。

中華BL漫画といえば、絵が綺麗でフルカラー、縦スクロールというイメージがあるのではないでしょうか。人気小説を原作とした作品もあり、ストーリーが濃密なのも特徴のひとつ。物語の序盤では見えなかった予想を超える展開、世界観、並々ならぬ萌えに心を鷲掴みにされることもあると思います。

中国版とタイトルが違うこともあって、神作品の日本語版がいつの間にか出ていた、なんて経験がある人も少なくないと思います。本記事では、中華BL漫画日本語版のおすすめ人気作品6選をご紹介。なかには書籍化している作品もありますので、ぜひチェックしてみてください!

 

目次

『銅銭龕世』

 

 

作品紹介&おすすめポイント

木蘇里先生が描く人気BL小説を漫画化。真龍と僧侶の深い愛を描き、小説&漫画とともにラジオドラマ(猫耳FM)も人気を博しています。真龍・薛閑役は路知行さん、僧侶・玄憫役は趙毅さん。(路知行さんはラジオドラマ『魔道祖師』&ドラマ『陳情令』魏無羨役などを演じ、日本でも愛される人気声優さんです。)

天罰を受けた日、何者かの策略にはまり、皮と肉を引き剥がされ背骨を奪い取られた真龍・薛閑。深い傷を負い、霊魂と分離してバラバラになった肉片と骨は金の珠となり海の奥底へと沈んでいきます。

薛閑は奇跡的に意識を取り戻すも、身体を動かすこともままならない状態。しかし半年間の修行の末、なんとか人間の姿を保てるようになり、上半身はある程度動かせるようになります。

己の龍骨を探す旅を続ける薛閑は記憶喪失の僧侶・玄憫と出会います。五枚の銅銭を腰から下げ、神秘的な雰囲気を纏う玄憫。眼差しは冷たく、薛閑の術をいとも簡単に見破るなど、ただ者ではない風格を漂わせています。

龍骨を取り戻していくなかで、謎に包まれた玄憫の過去も明かされていきます。薛閑を陥れたのが一体誰なのかも気になるところ。

身体を動かせない間、薛閑はほぼ紙人形の姿で登場しているのですが、威厳ある真龍でプライドも高い俺様タイプなのに見た目がめちゃくちゃ可愛いことになっているのも面白い。玄憫に雑に扱われているのもつい笑ってしまいます。不思議な銅銭を通して感覚が繋がる薛閑と玄憫の心の機敏にもご注目。

私の個人的な好みですが、寡黙で聖人君子のような攻めほどあらゆるギャップに萌えますし、自尊心が高くておしゃべりな受けなんて最高。薛閑と玄憫の深い愛の物語をぜひご堪能ください!

 

 

『烈火澆愁』

 

 

作品紹介&おすすめポイント

『天涯客』(『山河令』)、『鎮魂』などでも知られる人気作家・Priest先生によるBL小説を漫画化。カップリングは、現代人として生きる超能力者×古代から蘇った陛下。

妖族を倒して人族の世を確立し、血も涙もない悪人だと言われた武帝・盛霊淵。彼は若くして皇太子に後を任せて赤淵の火の海へ身を投げます。しかし、三千年の時を経て、何者かが「陰沈祭」という術で盛霊淵を蘇らせたのです。

超常現象などの事件を管轄とする国家機関・異特局に就職した超能力者の宣珠。経験値が高く、主任として善后科(主な業務は事件の収拾と損害賠償、デマを止めること)に配属された彼は、出勤初日から事件対処のため出張に。その現場で「盛霊淵」と名乗る謎の人物と出会います。

古代の言葉を使い、色仕掛けまでしてくる盛霊淵と対峙し、共に行動することになった宣珠。これまで己の正体が分からず人間の宣珠として生きてきましたが、任務をこなすなかで盛霊淵との三千年の因果が紐解かれていきます。

古代の常識を当然のごとくぶつけてくる盛霊淵に、宣珠が時代遅れと指摘するやりとり、二人の価値観の相違もお楽しみください! 過去、現在ともに謎が多いですが想像を超える秘密が潜んでいるのも魅力です。

Priest先生の作品を漫画の日本語版で読めるのも貴重。本作は猫耳FMにてラジオドラマも配信中なのですが、非常にドラマティックでビジュアルの良さにも痺れます。宣玑役を云惟一さん、盛霊淵役をアニメ『魔道祖師』&ドラマ『陳情令』の藍忘機役でも知られる人気声優・辺江さんが演じています。

また、ブロマンスとして描かれるアニメの日本語字幕版が2023年4月からCSホームドラマチャンネルにて放送され、こちらも注目を集めています。(全12話)

 

 

 

『不覚にも敵を救ってしまった』(原題:『不小心救了江湖公敵』)

 

 

作品紹介&おすすめポイント

原題は『不小心救了江湖公敵』(著者:六木喬先生)。医者と魔教の主、謎を秘めた二人の運命が絡み合う物語。

医者として日々を過ごしている陸九のもとに、ある日、血だらけで今にも死にそうな少年が助けを求めてたずねてきます。助かりそうもない彼を見て、陸九は面倒だと思いながらも手当をしてあげることに。重症で丹田もやられており、急所ばかり狙われているなど訳ありな様子でした。

そんななか、銀雲紋が彫られた昆山玉を少年が所持していることに気づいた陸九は、彼が極悪非道な魔教の教主・柳江鶴であると察します。

生かしてはならない者を救ってしまった──

万一に備えて柳江鶴の霊識を封印しようとしたところ、彼は目を覚まし「生死の契り」(少年が死ねば陸九も死ぬ契り)を結んでしまいます。この契りを結ばれたからには、柳江鶴を救うしかない陸九。強制的に運命を共にする羽目になったのです。

少年らしさ溢れる普段の様子からはとても魔教の主とは思えない柳江鶴。彼に何があったのか、どう生きてきたのか気になるところですが、陸九も何やら訳ありで、過去に多くの謎を秘めています。柳江鶴が陸九の正体を知っているそぶりを見せているのも注目です。

絵がとても綺麗で、柳江鶴の赤い瞳やゾクリとさせる表情も魅力的。本作に登場する美しい女性たちにもウットリ&ドキドキしてしまいますし、複雑に絡み合う人間関係も見どころです。丹田を抜き取られた状態でいつ死んでもおかしくない柳江鶴と、つれない態度をとる陸九のただならぬ関係から目が離せません!

 

 

『悪役として生き残る方法』(原題:『穿越成反派要如何活命』)

 

 

作品紹介&おすすめポイント

原題は『穿越成反派要如何活命』。漫画は王一先生、原作は伊依以翼先生による同名小説。漫画の日本語版が書籍化しており、現在第1巻が発売中(出版社:KADOKAWA、レーベル:フルールコミックス)。異世界の悪役に転生した現代人が最悪な結末を回避していく物語です。

蕭氏グループの後継者である蕭予安は、優秀なビジネスマンとして会社のために仕事を続けていくものだと信じていました。しかし、彼は人生の最盛期に突然余命宣告を受けるのです。

そんななか、気になっていたネット小説の展開に納得できずに感想を送った蕭予安は、なんと小説の世界に転生してしまいます。しかも彼が転生したのは小説の主人公である敵国の皇子・晏河清に無残にも殺される悪役皇帝!

北国の先帝は敵国である南燕国が飢饉に陥った隙に一気に攻め込み、皇子を拉致してそのまま色欲に溺れた生活をしていました。その地位を継いだ悪役皇帝は、先帝と同じような生活を送って朝政を疎かにし、あっという間に主人公に攻め落とされて悲惨な結末を迎えるというのが小説のストーリー。(このあと主人公がクズ皇子に成り下がるなど残念な展開になっています。)

蕭予安は自分が殺される運命を回避するため、今のうちに晏河清を殺そうとするもできるはずもなく……たっぷり寵愛して好感度を上げることに。けれど、晏河清と過ごしていくうちに物語は思わぬ展開へと進んでいきます。

いわゆる異世界転生もので読みやすく、悪役皇帝と敵国の皇子の思いがけない展開は必見。どんどん心に入り込んでくる無自覚な蕭予安に対する晏河清の感情にキュンとなります。国同士の争いのなかで蕭予安と晏河清が織りなす珠玉の愛の物語を堪能してください。

紙書籍で読めるのもありがたいですよね。もちろんフルカラーです。電子とはまた違った味わいも、ぜひお楽しみください。

 

『悪役として生き残る方法』第1巻試し読み

 

 

『蛇遇伝』(原題:『遇蛇』)

 

 

作品紹介&おすすめポイント

原題は『遇蛇』、原作は溯痕先生。千年の黒蛇×孤独な青年、異種族の切ない愛の物語が紡がれます。漫画の日本語版が書籍化しており、現在第1巻が発売中。(出版社:KADOKAWA、レーベル:フルールコミックス)。

裕福な家庭の長男として生まれるも、幼少期に氷水で溺れて足が不自由になり、声も失ってしまった沈清軒。ある日、黒い蛇に噛まれて生死をさまようなか、沈清軒を噛んだその蛇妖・伊墨が人間の姿で現れます。

伊墨は渡劫(仙人になるための試練をクリアすること)の協力を条件に命を助けるという取り引きを提案。筆談を通して二人は仲を深めていきます。身体が弱いため家族に心配かけないように距離をとり、ずっと孤独に生きてきた沈清軒にとって伊墨はかけがえのない存在に。離れている間も、伊墨のことが頭から離れず、自身の想いに気づくことになります。

蛇妖にとって人間の寿命は束の間。異種族ならではのテーマも見どころ。途が異なると分かっていても、沈清軒は伊墨と同じところに行き着きたいと告げます。しかし、伊墨はそんな沈清軒の想いをただの恩返しとして受け取ります。

妖艶で美しいラブシーンは本作の魅力のひとつ。紙書籍でもぜひお楽しみください。(個人的に……本作のカバーですが、デザインだけでなく質感、手触りも好きです。)沈清軒と伊墨の感情の描写にもご注目。薄情な蛇妖と孤独な人間が心を繋げていく、三世にわたる切ないラブストーリーは必見です!

 

『蛇遇伝』第1巻試し読み

 

 

『天官賜福』

 

 

作品紹介&おすすめポイント

『魔道祖師』などでも知られる墨香銅臭先生が描くBLファンタジー小説を漫画化。日本語版の発売に喜びの声が多数寄せられました。武神と鬼王、美しき二人の愛溢れるストーリーは多くのファンを魅了し、アニメも絶大な人気を誇っています。

八百年前、仙楽国の太子であった謝憐は、数々の美談を残して17歳の若さで飛昇。人々から信仰される神となったものの、その後、二度も天界から追放されてしまいます。

そして長い年月を経て、三度目の飛昇を果たした謝憐。今や「三界の笑い者」と嘲笑され、信徒は誰もいません。彼は、下界に降りて功徳を積むことに。

任務を手伝うために自ら志願しにやってきた二人の若い神官・南風と扶揺。そして紅い衣を纏う謎の美少年・三郎と出会い、 共に事件を解決していくなかで、謝憐の過去や天界の闇が次々と明かされていきます。

注目は天界が恐れる鬼王・花城。親密になっていく謝憐との関係は大きな見どころです。きっと、とてつもない巨大感情を体感することになるでしょう。天界の神々も魅力的で、様々な事情を抱える彼らの秘密も気になるところです。

とにかく絵が超絶美麗で、ずっと眺めていたくなるほど。すでに小説やアニメを履修している方にもオススメです。その美しさを存分にご堪能ください! また、紙書籍の邦訳版が発売決定との発表もされていますので、こちらもお見逃しなく。

 

 

 

おわりに

古代、異種族、転生など様々なジャンルにわたる中華BL作品。最初はライトな感じの内容なのかなと思っても、超シリアスになったり辛い展開になったり攻めが激重だったりということも。そのなかで描かれる美しく深い愛がたまらなく魅力的で、多くの読者の心を捉えています。

中華BL漫画は続々と上陸しており、本記事でご紹介できなかった注目作品もまだまだあります。今後も日本での様々な展開に期待が高まりますね。

 

この記事をかいた人

藤崎萌恵
大阪府在住のライター。数年前にBLと出会い、心に潤いを取り戻しました。

 

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