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BL実写映画『その恋、自販機で買えますか?(こいじは)』主題歌担当・ヒグチアイインタビュー

BL実写映画『その恋、自販機で買えますか?』主題歌担当・ヒグチアイさんインタビュー|年間500冊のBLを読む愛好家だからこそ「絶対に私が書いたらいい曲書けるから、絶対にやらせてくれ!」と懇願!?

BLは安心材料のひとつ

ーーかなりBL作品を読まれているそうで、年間500冊くらい読まれるとか。

ヒグチ:今350冊くらいなので、今年もだいぶ近づいてきました。ちょっとお金を持って良くなったのは、値段を見ずにBLを買えるところです(笑)。

一同:(笑)。

ヒグチ:大人になったんだな〜って思います。高校生の頃は古本屋とかで頑張って探していたので、今は原作の方に還元したくて。「描いてくださってありがとうございます。今後も新作を書いてください」という気持ちです。

ーー最初のBLとの出会いは中学生ぐらいの頃でしたよね? 最初に読まれた作品はなんだったんですか?

ヒグチ:猫田リコ先生の『ロロロマンチック』ですね。(スマホを見ながら)うわ〜懐かしい! よくこれを妹は間違って買ってきたな。

ーー間違ってですか!?

ヒグチ:間違って買ってきたんです。あの頃の本屋さんはBLのコーナーもなくて、いろんな作品が一緒に置かれていたので……。面白そうな漫画をわーって買ってくるのがうちの姉妹はすごく好きなんです。そこで妹が買ってきたものの中に入っていました。

ーーどちらが先に読まれたんですか?

ヒグチ:妹は読んでないかもしれません。私はなんとなく読んでみたいんですけど、「男同士? え?」「これはどういう……なんだろう?」って感じです。よく分からないけど、私はこの本になんだかそわそわするような、不思議な気持ちになりました。

そこで、友達に「なんかワクワクする漫画あるんだけど」とおすすめすると、やっぱり全く興味ない人とすごい興味がある人、どちらかに分かれました。でもいろいろな人と話していると、「私、実はそうだけど言えてないし、誰にも言ってない」という人もたくさんいて、私はその感覚が全くなかったから言っていたけど、そういうちょっと隠したい人もいるんだなという世界だってことを後々知りました。

ーーそこから今に至るまで、どういう流れで読み耽るようになったんですか?

ヒグチ:BL友達がいたとかではなく、ただただ自分の中で楽しかったコンテンツだったんです。人と違うものを好きでいるということが自分の中では安心材料の一つだなと感じて。自分が普通の人間だと思っていたけど、こういう偏ったジャンルのものを好きなんだということに安心しているというか。そういう感じで20代前半くらいは過ごしていました。

だんだん量を買うようになっていくと、それじゃ追いつかないというか、本当に好きなんだって感じてきて。「なんでこんなに好きなんだろう?」ということを考えたりして、本当に好きだという答えに辿り着いた今、ほっとして読んでいます。

自分の中のBLの立ち位置はどんどん変わっていますが、中学生の頃からなのでそろそろ20年くらいにはなります。「10年好きだったら本当に好きなもの」とも言うので、多分ずっとこのまま好きなんだろうなと思います。

ーーちなみに、お好きな属性とかあったりするんですか? 言える範囲でお願いします!

ヒグチ:本作みたいにリアリティのあるものの方が私は好きですね。後ろに作家さんが透ける感じがすごく好きなんです。気に入ったらその方の作品は全部読みたい。

あとはファンタジーで言えば、オメガバースとかDom/Subユニバースとかあの辺まで全部読んでます。新しいジャンルが出ているものは、初期に出たあたりの作品を読んで「まだまだこのジャンルは深くなっていくんだなぁ」っていうのを見るのが楽しいです。

結構なんでも読みますね。疲れた時こそ身に染みます。

ーー本当にオールジャンルなんでもお好きなんですね。

ヒグチ:特に好きなのは、どっちかが無表情みたいな感じのものです。二人ともわちゃわちゃしているよりは、自分の気持ちに気づかなくて、「好きなのかも?」「これは恋なのかも?」という感じで進んでいく話が好みで読んでいます。

本作も自分の気持ちを言い過ぎない雰囲気がすごく好きです。あと表紙で大体自分が好みか分かります。本当にこれは好みなのかそれともちょっと違うのか。でもその違うかどうかというのも確かめたくて買うんですけどね(笑)。

ーー「表紙でこれは自分に刺さる!」っていう選球眼はいつ頃からですか?

ヒグチ:たくさん読むようになったので、4〜5年前からくらいでしょうか。だんだん慣れ始めた気がします。でも、表紙から乳首が出ているのは気をつけています(笑)。

一同:(爆笑)。

ーー1ページ目からエッチなのもありますからね(笑)。

ヒグチ:ありますあります。そういうのも読むんですけど、ちょっとこれは違うかもしれないと思いながら読み進めて「これめっちゃいい!」みたいなものもあるので、気が抜けない(笑)。

ーー私の友人のライターさんは、黒髪でメガネの受けならなんでも買っちゃうくらい好きなんですよ。黒髪ってやっぱり攻めが多いから意外性があって好きらしくて。そういうのってありますよね。

ヒグチ:なるほどね。それこそ『その恋、自販機で買えますか?』の小岩井くんもですね。私、それで言ったら年下の攻めが好きで……敬語の攻めって「いい……いいね!」って(笑)。……これ以上いくとヤバい(笑)。

一同:(笑)。

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