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『葬送のフリーレン』岡本信彦インタビュー

「人間って美しいんだな」作品が教えてくれた“言葉”の美しさ──アニメ『葬送のフリーレン』ヒンメル役・岡本信彦さんインタビュー

「週刊少年サンデー」で連載中の『葬送のフリーレン』がTVアニメ化! 2023年9月29日の「金曜ロードショー」での初回2時間スペシャルが話題となった本作。10月6日からは毎週金曜よる11時の日本テレビ系のアニメ枠「フラアニ」にて放送されます。

物語の舞台は、勇者のパーティーによって魔王が倒された“その後”の世界。パーティーの一員だったエルフのフリーレンは、老いていく仲間たちの最後を見届け、人を知るための新たな旅路に向かいます。

アニメイトタイムズでは本作のキャスト陣・制作陣へのインタビューをお届け! 今回はヒンメル役の岡本信彦さんに、放送されたばかりの作品の印象や、難しかったという老ヒンメルを演じるにあたってのポイントを伺いました。

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葬送のフリーレン
勇者ヒンメルたちと共に、10年に及ぶ冒険の末に魔王を打ち倒し、世界に平和をもたらした魔法使いフリーレン。千年以上生きるエルフである彼女は、ヒンメルたちと再会の約束をし、独り旅に出る。それから50年後、フリーレンはヒンメルのもとを訪ねるが、50年前と変わらぬ彼女に対し、ヒンメルは老い、人生は残りわずかだった。その後、死を迎えたヒンメルを目の当たりにし、これまで“人を知る”ことをしてこなかった自分を痛感し、それを悔いるフリーレンは、“人を知るため”の旅に出る。その旅路には、さまざまな人との出会い、さまざまな出来事が待っていた―。作品名葬送のフリーレン放送形態TVアニメスケジュール2023年10月6日(金)~2024年3月22日(金)日本テレビ系ほか話数全28話キャストフリーレン:種﨑敦美フェルン:市ノ瀬加那シュタルク:小林千晃カンネ:和氣あず未ラヴィーネ:鈴代紗弓ヴィアベル:谷山紀章ユーベル:長谷川育美デンケン:斉藤次郎ラント:小松昌平リヒター:花輪英司ラオフェン:石上静香エーレ:伊藤かな恵ゼンゼ:照井春佳ゲナウ:新垣樽助ゼーリエ:伊瀬茉莉也ヒンメル:岡本信彦ハイター:東地宏樹アイゼン:上田燿司スタッフ原作:山田鐘人・アベツカサ(小学館「...

「人間って美しいんだな」

──原作や脚本をご覧になった感想を教えてください。

ヒンメル役・岡本信彦さん(以下、岡本):初めて作品を知ったのは、とある企画だったんです。

──企画ですか?

岡本:以前出演した番組で、互いに好きな漫画を語り合うコーナーがありまして。そのときに『葬送のフリーレン』という作品を教えてもらいました。

フリーレンというエルフは1000年以上生きていて、そのフリーレンを通して人間の時間や命の尊さを学ぶ。だから「葬送」なんです、と紹介していただいて。

そこからアニメ化が決まって、僕もオーディションに参加することになったので原作を買って読みました。なんといいますか、本当に時間の流れがゆっくりで、随所で人間の尊厳のようなものを感じて。もっといえば「人間って美しいんだな」と教えてもらいました。

──人間の生が様々な角度から描かれていますよね。

岡本:人間のいやらしさや弱さも見えたりしますが、僕としては言葉の美しさが特に好きです。魔族は人を欺くために言葉を使うんですけれど、人間は心を通い合わせるために言葉を使っていて。そういう対比を交えて人間というものを描いていて、面白いなと思いました。

──放送されたエピソードでは、ヒンメルを含め人間たちの散り際も美しかったです。

岡本:柔らかさと儚さがありました。今回、年老いたヒンメルも演じさせていただいたんですけれど、これまでにおじいちゃん役はやったことがなかったので悩んでしまって。

──なにかオーダーはありましたか?

岡本:若い頃とあまり声を変えないでくださいと言われました。でも僕としてはそのオーダーは怖くて。年老いたヒンメルは、つるっ禿になって、背も低くなってしまい、可愛いおじいちゃんでしたよね。演じる身としてはどうしてもデフォルメしたくなるんですよ。

──たしかに、見た目が大きく変化したからこそ、演じ方も変えられるのかと思ってしまいます。

岡本:でもデフォルメしないでくださいと言われてしまって、悩みましたね。そんな中、アイゼン役の上田燿司さんはいろいろな役をやられていて、業界でも有名な方だったので、「老いた役はどのように演じられるんですか?」と伺って。そうしたら「丹田に意識を送るんだよ」とアドバイスをいただきました。

──丹田ですか?

岡本:丹田は、どっしりと構えるときに押すところです。でもその丹田を意識しようにも年老いたヒンメルには筋肉がなく、どっしりしようがなかったので、脱力することも教えていただいて。結果、そのふたつを組み合わせて老いた感じを出せば良いんじゃないか?となりました。

ただ、難しかったですね。でも、試しながらフリーレンと会話を重ねるごとに、自分の中で、おじいちゃんになるまでの“空白の何十年間”をどう補完したら良いのかがわかってきて。

──描かれていない時間をイメージされるなかで、どういった結論になりましたか?

岡本:おそらく平和に過ごしていたんじゃないかなって思いました。なので、年輪を重ねた穏やかな部分を出していければ良いな、と思いながらお芝居させていただきました。

年老いたヒンメルはとにかく脱力しながら、あまり声を張らないけど自分が演じるヒンメルのままでトライしました。

──それはなかなか珍しいパターンなのでは……?

岡本:そうなんですよ。難しかったですね。僕としても、おじいちゃんヒンメルを別のキャストにしない意味を考えたことがあるんですけど、わざわざ声を変えるなら“そもそも僕じゃなくてもいい”ということだと思って。

そう考えてから声質を変えないことを、より意識しました。結果的には変わっているんですけどね。

脱力している分、しゃがれるわけではないですが、そこまで声を張れない状態で。でも昔は魔王を倒すほどの力を持っていたから普通のおじいちゃんとは違う。そんなバランスの中で演じました。

それだけおじいちゃん役はどうしたら良いのか悩みまして。アドバイスをいただいた上田さんは、僕が新人の頃から、生徒役からおじいちゃん役まで演じられるスーパーバイプレイヤーなんです。今回、そんな方にお話を聞けて良かったなと思います。

──同じ声優さんから見てもすごい技術なんですね。

岡本:本当にカメレオン声優です。外画にもたくさん出演されているんですけど、声質が100種類くらいあってわからないんですよ。

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