音楽
秋アニメ『とあるおっさんのVRMMO活動記』OP・saji ヨシダタクミ インタビュー

秋アニメ『とあるおっさんのVRMMO活動記』OPアーティスト・saji ヨシダタクミさんインタビュー|作詞作曲を手掛けた「Magic Writer」に込めた「夢」への想いとは?

中年のおじさんが目立たずにオンラインゲームを楽しもうとしながらも、思いがけずにやることなすこと全部が人助けにつながり、一躍人気者になってしまう……そんなストーリーが展開するアニメ『とあるおっさんのVRMMO活動記』が好評放送中!

先日放送された第1話では、新しく始まった新作VRMMO『ワンモア・フリーライフ・オンライン』を早速プレイすることにしたゲーム好きな38歳会社員・田中大地(CV:浪川大輔)が、アース(CV:石川界人)というプレイヤーアバターでオンラインのフィールドに入り、戦闘にあまり役立たないスキルを選んで一人静かに楽しもうとします。しかし、モンスターとの戦闘中にツヴァイ(CV:畠中 祐)率いるギルド「ブルーカラー」と知り合ったり、作ったポーションが突然爆売れし、ならず者からデュエルを吹っ掛けられ、それを撃退したりと、今後のアースの活躍が楽しみになる展開が繰り広げられました。

アニメイトタイムズでは、本作のキャスト、スタッフ、アーティストへのインタビュー連載を実施中。今回は、OP曲「Magic Writer」を手がけたsajiのボーカル&ギター・ヨシダタクミさんの登場です。作品に対する印象や、作詞作曲をするうえで楽曲に込めた思いなどをたっぷりと語ってもらいました。

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現実とゲームの世界を分けて楽しめる主人公に共感。主人公の印象は「そうか、おっさんなのか」!?

――原作を読んで感じた『とあるおっさんのVRMMO活動記』の印象や魅力を感じた点をお聞かせください。

ヨシダタクミさん(以下、ヨシダ):僕はマンガが大好きで、いろいろな作品を読ませていただいていますが、総じて心が重いまま読み終えてしまう作品があまり好きではなくて。

『とあるおっさんのVRMMO活動記』は、現実の世界(の描写)もありつつ、それはそれとしてVRMMOの世界を楽しんでいるのがいいなと思いました。ちゃんと実社会で働いていて、ゲームの世界ではエンジョイして、適度なところでログアウトしてと、分けられているほうが今の時代にはむしろいいのかなと。ここ数年、現実を突きつけてくる作品が多いですが、僕はそこを分けて考えたいほうなので、この作品は素晴らしいなと思いました。

あと全体的に明るくて、変にシリアスなトーンにならないので、感情に左右されずに読めるところもいいですね。

――主人公が「目立ちたくない」と思って、あえて戦うためのスキルを伸ばそうとしないところも珍しいですよね。

ヨシダ:補助スキルが多いし、料理や武器を自分で作る描写も多くて。でもそれらは大局的に見れば誰かの役に立っていて、誰かに必要とされるということをリアルに描きたかったのかなと思いました。普段ほとんどの大人は会社の一員として働いたり、社会の歯車としてかみ合って生きていますが、そういう自分を自覚しながらも楽しみも見出せているのがいいですね。物語の主人公になるだけがすべてではないと。

――PV等でアニメの映像をご覧になった感想をお聞かせください。

ヨシダ:原作の第1話に忠実に作られていて、おもしろいアニメになりそうだなと思いました。マンガとアニメではテンポ感も違いますし、1話の中で数話分のエピソードが入ることもあるので、どうバランスを取りながら構成していくのかも楽しみです。

マンガからアニメになる時、僕は原作から入って、アニメを見て「こんなふうにまとめたんだ」と楽しむタイプですが、人によっては「先のストーリーを知りたくないから原作を見ない」という方もいて、そういう人にどこまで情報量として届くのかも興味深いです。原作ファンの方もアニメからご覧になる方も、皆さんに楽しんでいただけたらいいなと思っています。

――主人公のアースの印象をお聞かせください。

ヨシダ:アースというか田中大地君の印象になりますが、「そうか。おっさんなのか……」ですね。大地君はまだ30代なのに(笑)。

――ゲーム内のアースの行動や立ち振る舞いを見るととても器用なので、現実社会でもかなり出世してもよさそうなものですけど。

ヨシダ:見方がリアルなほうに行っているじゃないですか(笑)。でも年齢を38歳と明記していることによって、同世代や近い年齢の視聴者もたくさんいると思うので、そういう世代の受け手感を狙ったのかもしれませんね。同世代の方が見たら「タメじゃん!」と思うだろうし、10代の子からすれば、「めっちゃ、おっさんだな」と思うのかもしれないし、年代によって主人公の印象が変わる気がします。

――ゲーム内での知識量の豊富さもすごくて、これまで様々なゲームをプレイしてきたんだろうなと。

ヨシダ:その点も踏まえての年齢感なのかもしれませんね。大地君は自分の中で人生の楽しみ方を既に決めて生きているんじゃないかな。僕が30(歳)を過ぎて思うのは、30代の男性はライフスタイルを確立させていこうとしていく気がします。1日の使い方とか。大地君もたぶんそうなんじゃないのかな。

――ヨシダさんも田中大地もしっかりした30代ですね。

ヨシダ:僕からすれば10歳下の子たちが達観して見えるように、世代によって見え方が違うんでしょうね。もし原作の椎名ほわほわ先生にお会いする機会があったら、なぜ主人公をこういう年齢にしたのか、尋ねてみたいですね。

たぶん大地君にとって『ワンモア・フリースタイル・オンライン』はセカンドライフ的な捉え方をしているんじゃないかな。リアルな自分とは別人格として、アースとして新しい人生をやり直すみたいな。

――この作品の中で好きなキャラクターはいますか?

ヨシダ:主人公を通じて、この世界を見てしまっているので、自己投影できるキャラクターはいないかもしれません。なので「Magic Writer」のジャケットも、「映画館で誰かの物語を見ている誰か」という設定にしているんです。僕は大地君の見ている物語を、見ている人として作品を見ているので、そういう意味では主人公目線なのかも。だいたいの作品では推しキャラができるものですが、この作品では僕は思いつかなくて。アース目線、大地君目線で見てしまうので。というか物語を真上から俯瞰で見ている神様目線なのかも。

「Magic Writer」で書いたテーマは中学時代から変わらずに考え続けていること。ヨシダさんが夢について歌い届けるうえで大切にしていることとは?

――今回、sajiがOP曲を担当されていますが、ヨシダさんが公式コメントで原作を読んだ上で「気合い入れて書き下ろした」とおっしゃっていたので、皆さんの期待感もすごく高まっていると思います。

ヨシダ:(笑)。OP曲とED曲はそれぞれ役割が違うと思っていて、ED曲も楽しみながら作らせていただいていますが、OP曲は「このアニメとは?」というものが特に問われるし、重要なキーになってくるので、任せられて嬉しいですし、気合が入りますよね。

――「Magic Writer」を制作される際に意識した点と、アニメの制作サイドからオーダーがあった場合はそちらも教えてください。

ヨシダ:そこまで細かい指定はなくて、自由に作らさせて頂きました。まず原作を読んでから考えることにして読んで、歌詞は物語の主人公になぞらえて、「僕もキミたちも何者かになれますよ」というメッセージを込めて、タイトルも「Magic Writer」にしました。

――歌詞は、かつて抱いていた夢をあきらめて、現実社会で必死に生きる人への応援歌のようで、大地だけでなく、中高年の我々には特に刺さりました。

ヨシダ:僕は10代の頃からこういうテーマの曲を書いていたし、中学生の時に初めて書いた曲もこういうテーマで。大人になった時に、小さい頃の夢は叶わなかったけれど、今が別に嫌いなわけじゃない。でもあの頃の夢も取り戻せるんじゃないかと。自分自身の人生の中でも掲げているテーマの1つでもあって。

僕は幸いにもやりたいことをやらせてもらっていますが、僕の曲を聴いている人やこれから聴く方にとっても、小さい時に描いていた夢は必ずあると思うんです。僕は小さい頃は「消防車になりたい」と言っていたみたいです。「消防車に乗りたい」ではなく(笑)。あとウルトラマンになりたいとか漠然とした憧れが多かったと思いますが、社会性を身に付けていくうちに現実主義であろうとする自分が顔をのぞかせてきて、下方修正じゃないですが、夢もリアルになっていって。でも自分の人生に見切りをつけなくてもいいんじゃないかと。

高校の時にバンドをやっていて、中学の時に初めて書いた曲でコンテストを受けて優勝したら、地元の新聞社の人が初めて取材に来てくれて。記者さんから「俺、もう還暦なんだけど、今から取り戻せるかな?」とめちゃめちゃ重いテーマを投げつけられて(笑)。もちろん当時、15~6歳の僕はその問いへの答えを持ち合わせていなくて。でも「別に年齢は関係ないんじゃないですか」と答えたら、非常に感激されて帰られました。その後、風の噂では退社されたそうで。定年だからなのかもしれないですけど。もしかしたら今、別の夢を追いかけられているかもしれませんね。

――1人の人生を変えてしまいましたね。

ヨシダ:いやいや(笑)。でも自分の中で「まだやりたいことがある」と思える人生って素敵だなと思います。僕も30歳になった時、常識的じゃないことや夢みたいなことを言うことがはばかられる空気を肌で感じるようになって。それを口にできることはカッコいいなと。なので歌詞の中でも「昔抱いていた夢はいなくなったわけでも失くしたわけでもなくて、そこにあることを忘れてしまっているだけなんだ」と伝えたかったんです。もし夢が実現できなくても、あきらめたわけでもなく、キラキラした自分を気持ちの中に残しつつ、折り合いをつけて生きることは素晴らしいし、「でも、やっぱりなりたい!」とチャレンジすることもカッコいいことで。折り合いをつけている振りをして苦しいのならやめればいいし、折り合いをつけて楽しめるのであればそれでいいし。たぶん大地君は後者だと思うので、肯定できるんです。「自分の気持ちにウソをつくな」というだけです。

あと僕は夢をテーマにした曲を書くことが多いですが、1つだけルールとして自分の中で決めていることがあって。それは「強制をしない」ということです。僕自身、強制されることは嫌ですし、「夢をあきらめないで!」と言われることで背中を押される人もいると思いますが、夢をあきらめても今の人生が嫌じゃない人もいるわけで。それぞれの選択肢を消してしまうような言い方は避けたくて。悩んでいるなら行けばいいし、今が楽しければそのままでいいと。ひと言肯定されることで自信になったりするものなので、この曲もそんな歌です。

そして日々意味もなくイライラしていて、その原因が周りの人がねたましいからなんだなと気付いたとして、例えば「自分にも叶えたい夢があったけど、いろいろな原因でダメだった」と思っているとしたら、現状、不遇だとしても、今の自分が来年に種をまけば、来年の自分は不遇じゃないかもしれないと気付ける可能性もあります。そんな人にとっては「君のポケットにいつでもあるんだぜ」とか「周りを見て羨んでいるかもしれないけど、君も光っているかもしれないぜ」と歌詞で言っています。

(C)椎名ほわほわ・アルファポリス/とあるおっさんのVRMMO活動記製作委員会
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