『時光代理人 -LINK CLICK- Ⅱ』豊永利行さん×櫻井孝宏さん×古賀葵さんインタビュー｜「視点がずらされているようなトリックが散りばめられている」

豊永くんのお芝居はすごくアクロバティック

――第2期のアフレコはいかがでしたか？

櫻井：本作は中国語の原音があるので、それを聞いたうえで我々も芝居をするんです。なので、吹き替えに近いんですよね。アニメーションと言っても、ちょっとやり方が違うところがあって。

その中でも豊永くんのお芝居はすごくアクロバティック。それは、特殊なことをやるっていう意味じゃなくて。アイデアが豊富なんですよね。ちゃんと原音のニュアンスを活かしながら、日本語でトキを表現しているんです。聞いていて、すごく楽しいですね。

豊永：ありがとうございます！　今回は1、2回ほどしか櫻井さん・古賀さんと一緒にアフレコする機会がなかったのですが、第1期で他の方のお芝居の感じは分かっていたので、「きっとこう来るだろうな」というのを想像しながら演じることができました。トキは割と振り回す側だったので、受け取る側である櫻井さん・古賀さんのほうが大変だったのではないかと思っています。

　
古賀：なかなかご一緒できなかったのは残念でしたが、収録する前のテストで、豊永さんのお芝居を流していただけたんです。それを聞いて「なるほど、豊永さんはこうなんだ」と感じながらお芝居ができて。ありがたかったですね。

櫻井：第1期で真ん中にトキがいて引っ張ってくれるというイメージが出来上がっていたので、第2期もそれを踏まえながらお芝居ができました。あとは、それぞれの置かれている立場が変わることで、ヒカルとの距離もちょっと変わっていて。

豊永：現場で一緒にアフレコしたとき「あれ、ヒカルと全然会話してないな」って感じました。

櫻井：だよね。豊永くんが喋っているときに、僕は出番がなくて座っているなんてことも結構あって。

豊永：今までは基本的に横並びでやり取りしていたのに、そんなに絡むことがなくなっていて。アフレコ現場でも第1期との違いを感じていました。

櫻井：「働いているな、豊永くん」と思いながら、後ろで見守っていました（笑）。

豊永：ありがとうございます（笑）。

古賀：環境の変化という点でいえば、リンちゃんは話が進むにつれて、肖力（シャオ・リー）刑事と連携するシーンも多くなっていくんです。私はシャオ刑事役の阪口周平さんと比較的一緒にアフレコできたので、それもすごくありがたかったですね。

――今後の見どころを教えてください。

古賀：よくよく見ていると、映像にちょっとした違和感を抱くと思います。第2期を見終わった後に、もう一度最初から見たくなるんじゃないかな？

櫻井：映像的に振り切って表現しているところがあり、強烈なカットもあって、複数の意味で心が奪われちゃうようなシーンも出てくると思います。時間の流れなどがセリフだけで理解しようとすると拾いきれない部分も出てくると思うので、映像の情報と合わせて掘り下げてみてください。第2期はリンの視点が加わることで、着眼点がちょっと変わってきます。その辺にも注目してみてください。

豊永：おふたりがおっしゃっていたように本作の映像は「何だ、このカットは？」とか、「何だ、このシーンは？」みたいなのが、要所・要所で挟まれていくという見せ方になっています。映像で見たときに演じた僕自身が「あのとき芝居したやつが、ここに入ってくるのか！」と、驚くこともありました。第1期から続く謎の部分を考察いただきつつ、映像の見せ方や工夫なども楽しんでいただければと思います。

　
［文＆写真・M.TOKU］

作品概要

あらすじ

繁華街の一角に佇む「時光写真館」を経営するトキ(程小時)とヒカル(陸光)。
「撮影者の意識にリンクし、写真の世界に入ることができる能力」を持つトキと、「その写真の撮影後12時間の出来事を把握できる能力」を持つヒカルはコンビを組み、トキの幼馴染・リン(喬苓)を通じて舞い込む顧客からの依頼を解決していた。
事件に関わるなか、トキとヒカルは一連の出来事の裏に「未知の能力」を持つ人物がいることに気付く。
暗躍する能力者に翻弄されながらも、謎の人物から渡された1枚の写真を手掛かりに真相を探っていくトキたち。
そこには、数年前に起きたある事件が深く結びついていて――。