
春アニメ『死神坊ちゃんと黒メイド(第3期)』(クライマックス直前):ウォルター役・内田雄馬さん×ダレス役・日笠陽子さんインタビュー|ウォルターとダレスは一人じゃないことによって縛られ続けてきた人たちかも【連載第3回】
ダレスは救われてばかりじゃなくて自分も寄り添いたいと思っている
――ウォルターとダレスは、第3期6話の舞踏会でのやり取りも印象的でした。
日笠:歌っちゃったもんね。あんないいシーンの後に。
内田:歌の中で血を吐くところはどうなったんだろう(※)
日笠:あそこ、どうやって歌ったの?
内田:血を吐きながら歌うパターンと、歌ったあとに吐くパターンを収録しました(笑)。
日笠:そうだったんだ!
内田:はい。あのシーン、完全にミュージカルでしたよね。
日笠:だね。もうセリフのようなイメージで歌った(笑)。でも、いい歌だったよね。特に「私も次女よだから寄り添える」ってところ。ダレスはウォルターの言葉にたくさん救われているけど、ウォルターの孤独も救いたいって思っていて。救われてばかりじゃなくて自分も返したい、寄り添いたいという気持ちを歌に乗せるダレスが印象的だったなぁ。
内田:キャラクターソングではなく、ワンシーンのための楽曲ならではの良さがありましたよね。1分半くらいのイメージソングですが、あの瞬間の二人をあの歌が絶妙に表現していると感じました。
(※)取材時はまだオンエア前でした。
――物語の重要人物であるシャーデー。お二人はシャーデーに対して、どのような印象をお持ちですか?
内田:怖いですよね。
日笠:怖かった。瞳孔が開いているような表現も多くて。
内田:すべてを見透かされているような感じがする目をしていましたよね。
日笠:それに加えて、甲斐田(裕子)さんのお芝居が地に足付きすぎていて。
内田:説得力がもう…。 言葉の力を感じました。
日笠:息が多めのダレスの芝居を甲斐田さんが圧でねじ伏せてくるみたいな感じがあって……。アフレコ現場に一緒にいると音圧の違いを感じた。
――ダレスもきっと同じように圧を感じていたのかなと。
日笠:でしょうね。言葉だけじゃない圧を。でも、ダレスにとってシャーデーは恐ろしい存在だけれど、坊ちゃんとアリスから見たら孤独で救いたくなるような存在だったんだろうな。
内田:それは、坊ちゃんが呪いを受けたことで孤独を感じたからこそ生まれた感情なのかなと。そんな坊ちゃんの孤独を埋めてくれたのは、アリスや彼の周りにいた人たち。彼女たちが埋めてくれたことを、そして孤独が埋まることを坊ちゃんはシャーデーにも伝えようとしているんだと思います。
――シャーデーは恨みを込めて坊ちゃんに呪いをかけたかもしれませんが、結果的にはそれが自分を救うことになるかもしれませんね。
内田:誰も孤独にならない未来が来ることを願っています。
――お二人は、孤独でいたいなと思う瞬間はありますか?
内田:一人でいるのは寂しいし怖いので、誰かといるようにはたぶんしてきたと思います。でも、実は根本的には一人でいるほうが落ち着くんですよ。
日笠:えっ、そうなんだ。
内田:はい。一人で落ち着く瞬間は結構あります。ありますけど、でも孤独では生きていけなくって。寂しがり屋なんです。僕を中心に楽しんでいるというよりかは、みんなが楽しんでいるところを見ているのが好きですね。
日笠:ちょっと意外かも。
――「みんな、焼肉行こうぜ!」と言っているイメージが勝手ながらにありました
日笠:それは言っています。
内田:確かに(笑)。日笠さんは先輩ですが、友人のような関係だと勝手に思っています。
日笠:そうね。もう何度もご飯一緒に行ったもんね。ちょっと家族的になりつつある。
内田:ですよね(笑)。
日笠:でも、私も独りでいる時間が好きなのにさびしんぼうで。みんなで「わーい!」ってやっている時間も好きで。不思議ですよね。みんなとワーワー言っている時間と同じくらい、独りでホッとする時間も必要なんです。カフェに行って一人になることもよくあるんですよ。
内田:そうなんですね!
日笠:この前も、現場と現場の間で「ここなら知り合いも来ないだろう」と思って喫茶店に入って。そしたら、(坊ちゃん役の)花江がいたの。あっちゃーと思ったよね。
内田:まさかの出会い(笑)。
日笠:そうなの(笑)。でも、この作品で花江くんとの距離がすごく近くなった気がする。収録が終わった後、みんなでご飯に食べに行くこともあったよね。
内田:ありましたね。ちょっとだけお茶したりとか。
日笠:みんなが私の世話を焼いてくれるんですよ。
――世話を焼いてくれるというのは……?
日笠:私がカフェで間違えて草花を触っちゃってバラバラってなっちゃったことがあって。そのときみんなが一緒に片付けてくれたんです。あの瞬間「なんか家族っぽいな」と思いました。
内田:確かに! ファミリー感ありましたよね。
日笠:アフレコを一緒にやるメンバーは、ある意味でファミリーなのかなと。ただ、花江はとにかく私に奢らせようとして……。お会計がある度に「日笠さん、奢ってくださいよー」って言ってきたんです。あれ、忘れないからな!
内田:僕と二人でご飯に行くときは、花江さんが奢ってくれます。
日笠:ふざけんなよ!
――何だかんだ仲の良い関係だということが伝わってきました(笑)。いよいよクライマックスへと向かっていく本作。今後の見どころを教えてください。
内田:いよいよシャーデーにみんなの気持ちを届けに行きます。それができるのかどうか、見届けてください。かなり激しい戦いが待っています。そのなかで、シャーデーの心の表現がどのような演出として描かれているのかにも注目していただけたらと思います。
日笠:シャーデーを救えるのかどうかという視点に加えて、それぞれの関係がどうなるのかも見どころだと思います。ダレスとウォルターの行く末もそうですし、ダレスとシャーデー、そして坊ちゃんとアリスはどうなるのか。お互いが向かい合う瞬間、手を繋ぐ瞬間を目撃してもらえたら嬉しいですね。
[文&写真・M.TOKU]
TVアニメ『死神坊ちゃんと黒メイド』作品情報
2024年4月7日(日)より第3期放送!
TOKYO MX 4月7日より毎週日曜22:00~
BS11 4月7日より毎週日曜24:30~
読売テレビ 4月8日より毎週月曜25:59~
DMM TVにて4月7日より毎週日曜22:30~独占配信
スタッフ
原作:イノウエ(小学館「サンデーうぇぶりSSC」刊)
監督:山川吉樹
シリーズ構成:白根秀樹
キャラクターデザイン:桑波田満(SMDE)
CGディレクター:石原裕也(SMDE)
キャラクターモデルディレクター:畑野雄哉(SMDE)
美術監督:鈴木朗
色彩設計:木村美保
撮影監督:福世晋吾
編集:坪根健太郎(REAL-T)
音響監督:明田川仁
音楽:奥田弦、渡辺剛
アニメーション制作:J.C.STAFF
CGI:SMDE
製作:死神坊ちゃんと黒メイド製作委員会
キャスト
坊ちゃん:花江夏樹
アリス:真野あゆみ
ロブ:大塚芳忠
ヴィオラ:水瀬いのり
カフ:倉持若菜
ザイン:神谷浩史
ウォルター:内田雄馬
ダレス:日笠陽子
シャーデー:甲斐田裕子
公式サイト
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原作情報
死神坊ちゃんと黒メイド(サンデーうぇぶりSSC)全16巻 好評発売中!































