
ついに明かされた兄妹の目的! 物語の鍵を握るのは乙を“帰す”こと――『怪異と乙女と神隠し』緒川菫子役・ファイルーズあいさん&化野 蓮役・山下大輝さんインタビュー
化野は芯があるけど“掴めない”キャラクター
――お次は、第二怪、第三怪について伺えればと思います。
ファイルーズ:畦目先生の初登場時、現場にいらっしゃった先生が堀江由衣さんにどんなキャラクターなのかを説明されていたんですけど、そのあと、畦目先生は堀江さんの声を想像して描いていたと教えていただいて。私も香盤表に堀江さんのお名前が書いてあったのを見たときはピッタリだと思ったんです。コロナ禍の収録であったものの、一緒に掛け合うこともできて嬉しかったことを覚えています。
――そんな畦目先生のエピソードが描かれました。
ファイルーズ:やり方は過激でしたけど、本当に良い先生ですよね。生徒の夢をすごく応援してくれるところとか、いじめは絶対に許さないところとか。私自身、学校に馴染めなかった時期があったんですけど、あの頃に畦目先生みたいな人がいたらもう少し違っていたんじゃないかなって。
――本編では畦目先生に迫るため、菫子は若返りを上手いこと利用していましたね。
ファイルーズ:楽しかったでしょうね。私もたまに高校生に戻りたいと思うので、逆万引の本がほしい(笑)。
山下:でも血を吐いちゃうかもよ?(笑)
ファイルーズ:最近は吐かなくなったから大丈夫かもしれないです!
――たしかに血が出なくなりましたね。
ファイルーズ:コントロールできるようになったんでしょうね。小さくなり過ぎなければ良いのかもしれないです。
山下:「子供の体に押し固められているだけ」って言っていたから、バランスが大事なのかもしれないね。
ファイルーズ:そうですね。でも制服が弾けちゃったりして(笑)。
――そこはお決まりとなりつつありますね(笑)。そして後半、畦目先生の正体に驚きました。
山下:実は塵輪鬼というめちゃくちゃ強い怪異でしたね。同じような怪異でも、特徴が違っていたり、上位がいたりして。蓮は怪異の解説をすることが多いので、僕自身、怪異の歴史を学べた回でした。
ファイルーズ:先生は本当にオカルトが好きで研究されているんだなと伝わってきましたよね。
山下:うんうん。
――後半は蓮の活躍や怪異の解説が印象的です。
山下:解説係ですからね。今後を含め、専門用語をたくさん言うので大変です(笑)。
――そこは調べながら?
山下:そうですね。チェックしながら、これはどういう意味なんだ?とか、なにを言いたいんだ?と苦戦していますが(笑)。ただ、解説役として視聴者にちゃんと伝えないといけないので、なにが一番大事なのかを探りつつ、“初めての人にもわかりやすく”を心がけています。
あと、この頃はまだまだ謎が残るキャラなので、なにかの能力があるんだろうなくらいに留めていて。彼自身、怪異に全力で向かってはいますが、演じる身としてはその辺りの匙加減は意識しました。
――只者じゃない感が出ていましたね。
山下:只者じゃないけど常に飄々としていたりして、“只者じゃない”に振り切っていないんです。糸目キャラって開眼したら別人みたいになるイメージがあるんですけど、彼の場合、自分の持ち味を生かしたバランスになっていて。演じる上でここは重要だなと思ったので、変え過ぎないけど、どこか違いを感じてもらえるように意識していたりします。
――ファイルーズさんは、山下さんの熱演を横でご覧になっていかがでしたか?
ファイルーズ:大変そうだなって(笑)。でも山下さんの化野は、掴みどころがないけど、ちゃんと芯がある上での“掴めない”なんです。その絶妙なラインがお芝居を聞いていてすごいなと思いましたし、それと同時に化野は霧みたいだなって。
――霧ですか。
ファイルーズ:霧って掴むことはできないけど、こちら側になにかしら影響を与えることがあるじゃないですか。そこが化野に似ていると思いましたし、声にも乗っかっていて素晴らしいなと思いました。
山下:菫子さんっぽい表現だね!
ファイルーズ:本当ですか? 小説家になれるかも?(笑)

























































