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『異世界失格』ニア役・小市眞琴インタビュー【連載第5回】

自身もニアも「もっとうまく生きられるはずなのに」? 感情移入しやすいニアと一緒に異世界の旅を楽しんでほしい――『異世界失格』ニア役・小市眞琴さんが第5話を振り返る【インタビュー連載第5回】

「とある文豪」が異世界に転移してモンスターを倒す……わけでもなく、ダメな作家のまま、しかし確実に異世界に影響を与えていく異色作『異世界失格』(野田 宏さん原作、若松卓宏さん作画。小学館『やわらかスピリッツ』連載中)のアニメが7月から好評放送中!

先日放送された第5話では、教皇の元に憤怒の魔王を倒した7人の転移者たちから、ザウバーベルグ全土を理想世界へと創り変えるという声明が届きます。イーシャを含む司教たちは、その7人の転移者を“七堕天使”と見なし、対策を講じる中で転移者を送還するセンセーの名前を挙げ、ある方法を提案しました。

一方、センセーたちは旅の途中に立ち寄った村で、転移者を紹介するニアという少年と出会います。センセーの身を案じたアネットは、勇敢な転移者を仲間に入れたいと報酬を渡すも、騙される羽目に。しかし、ニアが孤児であること、村に立ち寄った旅人を騙して得た金で何とか暮らしていることを知るセンセーたち。

そんなニアですが、3人の不良転移者に有り金を奪われ、処刑されようとしていたその時、センセーが登場します。センセーのステータスを見て襲いかかる不良転移者ですが、「殺す」と放った転移者の一言にニヤリと笑いながらHPがぐんぐん上がるセンセーの異常さを恐れて逃亡。救われたニアはセンセーに憧れを抱き、旅仲間の剣士として同行することになるのでした。

そしていよいよタマの故郷、グリューン城にたどり着いた一行でしたが、タマを見た衛兵たちに囲まれて、牢屋に拘束され…。センセーたちはいったいどうなるのでしょうか?

放送開始時からお届けしてきた声優陣のインタビュー連載もついに最終回。今回は、第5話でセンセーたちと出会い、一緒に旅することになったニア役・小市眞琴さんです。

作品の印象と、放送されたばかりの第5話の振り返り、読者の皆さんへのオススメの本の紹介もしていただきました。

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異世界失格
とある文豪と、その愛人がこの世を去った。憂い多き人生の如く渦を巻く激流へと身を投げ...るよりも早く、猛スピードで突っ込んできた〝例のトラック〟によって。文豪が目を覚ますとそこは、異世界の教会。案内人は、慈愛に満ちた瞳で微笑みかける。「ようこそ冒険者よ。あなたは選ばれ、転移したのです」御多分に洩れず、勇者の使命を背負わされてしまう文豪。だが、彼は転移者の誰もが与えられる〝あるもの〟を持たなかった......。「...ふふ。恥の多い生涯だ」この世でも、異世界(あの世)でも<失格者>の烙印を押された文豪(センセー)の冒険が幕を開ける。きっと、どこかにいるはずの「さっちゃん」を見つけ出し、今度こそ、あの日の本懐——心中を遂げるために。作品名異世界失格放送形態TVアニメスケジュール2024年7月9日(火)〜2024年9月24日(火)AT-X・TOKTOMXほか話数全12話キャストセンセー:神谷浩史アネット:大久保瑠美タマ:鈴代紗弓ニア:小市眞琴メロス:木野日菜ウォーデリア:悠木碧イーシャ:中原麻衣ヴォルフ:島﨑信長スズキ:岡本信彦カイバラ:小野大輔ユリコ:小原好美センゴク:杉田智和さっちゃん:上田麗奈シャルロット:水瀬いのりトマス:茶風林オットー:福山潤...

ツライ思いをたくさんしてきたニアを応援したくなる

――原作を読んだり、演じられて感じた作品の印象と魅力をお聞かせください。

ニア役 小市眞琴さん(以下、小市):原作コミックの表紙やアニメの予告PVを見ても、すごくシリアスな空気を醸し出していますが、かなりポップでおもしろいシーンが盛りだくさんな作品だと思いました。シリアスなパートでは手に汗握ったり、泣かせに来たりと心を揺さぶられることが多くて。

そんな緩急が見事な作品だったので、原作もずっと楽しく読ませていただきましたし、収録でも毎回作品の世界観に引き込まれてしまうほど魅力的な作品だなと思いました。

――主人公のセンセーを見て、「アレ? この人、どこかで見覚えがあるような」と思いませんでしたか?

小市:そうですね!出で立ちから雰囲気まで、「知っている人かも」とは思いました。

――世に数ある異世界作品の中でも、かなり独特ですよね。

小市:個人的に、センセーがトラックにはねられたシーンはめちゃめちゃ笑ってしまったんです。ひと昔前を感じさせる時代感から、異世界に転移した時のギャップのすごさといったら。おもしろすぎます!

――小市さんは、あの冒頭からスムーズに異世界に入れましたか?

小市:私は異世界に耐性があるというか、よく異世界に行ったり、異世界にいることが多いので(笑)。きっと異世界作品をよく読んだり、アニメで見ている方も「そうなんだ」と違和感なく、入れたのではないでしょうか。

――演じるニアの印象とご自身と似ている点や魅力を感じる点をお聞かせください。

小市:ニアは、つらい生い立ちで、子供にしては背負っているものも大きくて。大人たちに騙されたり、苦しく嫌な想いをたくさんしてきたので、センセーと出会った時もひねくれた、大人の目をしていました。でもそこからセンセーたちと接していくことによって、元々持っていた真面目さや「本当はこうありたいのに」という想いが見えたり、瞳の輝きが戻ってきて。

だから視聴者や読者の方も応援したくなったり、温かく見守りたくなるキャラなんじゃないかなと思います。私自身も演じがいがあるキャラだなと感じたし、演じながら「ニアくん、頑張れ!」と心の中で応援していました。

――転移者に会わせると言って、お金を騙し取るということは頭もキレる子ですよね。

小市:頭がいいと思います。私はニアくんみたいに口も上手じゃないし、人を騙せる狡猾さもなくて。良くも悪くも単純なんですよね。でも唯一の共通点は、もっとうまく生きられるはずなのに、と思うところでしょうか。

――あとはニアのように、輝く瞳の純粋さがあるところも?

小市:そうですね……って自分で言うのもなんですけど(笑)。たぶん私はニアくん側ではなく、センセーに出会う前のニアくんに騙される側だと思います。エイプリルフールで友達がついたウソがSNSで流れてきた時、騙されて、すぐに「大丈夫?」とリプを送ってしまうタイプです。それで「アレはウソだから」と言われて悔しい想いを結構していますね。

(C)野田 宏・若松卓宏・小学館/「異世界失格」製作委員会
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