思い出を胸にそれぞれの道を歩んでいく、若き錬金術師たちの“卒業”ーーVシネクスト『仮面ライダーガッチャード GRADUATIONS／ホッパー1のはるやすみ』本島純政さん×藤林泰也さんインタビュー

Vシネクスト『仮面ライダーガッチャード GRADUATIONS／ホッパー1のはるやすみ』が、2025年2月21日（金）より期間限定上映！

《錬金術師》と人工生命体《ケミー》を巡る戦いが繰り広げられた『仮面ライダーガッチャード』。TVシリーズでは、人間とケミーが共生する世界を目指して、大きな一歩を踏み出す一ノ瀬宝太郎たちの活躍が描かれました。TVシリーズ最終回後が舞台となる今作では、黒鋼スパナをはじめとしたキャラクターたちが再登場し、若き錬金術師たちの“卒業”の物語が展開されます。

アニメイトタイムズでは、一ノ瀬宝太郎／仮面ライダーガッチャード役の本島純政さん、黒鋼スパナ／仮面ライダーヴァルバラド役の藤林泰也さんによる対談をお届け。今作のみどころや撮影時のエピソード、ガッチャードの撮影を通しての成長を語っていただきました。

思い出という名の「永遠」

ーーTVシリーズを終えて、Vシネクスト『仮面ライダーガッチャード GRADUATIONS』の発表と共に『仮面ライダーガッチャード ファイナルステージ』を駆け抜けてこられたかと思います。まずは、現在の率直なお気持ちを教えてください。

一ノ瀬宝太郎／仮面ライダーガッチャード役・本島純政さん（以下、本島）：改めて『仮面ライダーガッチャード』という作品を、みんなで1年間やれてよかったなと思っています。次の作品の撮影に入っても、仮面ライダーで1年間学んだことはすごく役に立っているし、一ノ瀬宝太郎として、仮面ライダーに携われたことに感謝の気持ちでいっぱいです。

黒鋼スパナ／仮面ライダーヴァルバラド役・藤林泰也さん（以下、藤林）：率直に言うと“ロス”ですね。朝起きる習慣もやっと身に付いたのに、今はもう寝たいだけ寝れちゃうので（笑）。みんなとの思い出がこれ以上増えないと思うと、寂しくなりました。

でも、外で頑張っているみんなの姿をSNSで見て、「自分も頑張っていかないと」って。最近、純政ともオーディションでばったり会ったんですよ。今はそういう気持ちになっています。やっぱり1年間一緒にやっていた子たちの活躍は、自分にとっても刺激になりますね。

藤林：ファイナルステージでは、地方を回る合間にみんなで会食も出来て、とても楽しかったです。スタッフさんも含めて、一年間やってきた人しかいないので、もう家族みたいなものです。そういう意味では、自然体でいられる時間をいただけたと思っています。

本島：楽しかったね！　ファイナルステージは「虹色の卒業旅行」というテーマでしたけど、僕たち自身も卒業旅行のようなテンションだったかもしれないです。

ーー今作は本編の後日談になりますが、Vシネクストのお話を聞いた時、台本を読まれた時はどんな感想を持ちましたか？

本島：毎年Vシネクストがあるのは聞いていたんですけど、本当にガッチャードもいよいよこの時が来てしまったかと思うと……正直寂しい思いも強かったんです。

台本を読んで、「みんなこれから先もそれぞれの人生を歩み続けていくんだな」と感じて。それぞれの卒業式を迎えても、一年間やってきた思い出を忘れることはないし、身体に刻まれているものだという想いが僕の中でも強くリンクしました。卒業してもバラバラになっても、思い出は残っている。それが「永遠」という作品のテーマにもつながっていると感じます。

藤林：実は「スパナの視点で描かれる」という話を事前に聞いていたんです。ただ、台本を読んでみると、それぞれの卒業がしっかり描かれていて、個人的には嬉しかったですね。

藤林泰也としては、「またスパナが孤独に戦うのか」と思ってしまうところもあって。自分一人だけで戦うのではなく、みんなで撮影を終えられた気がしたのは良かったです。

ーーTVシリーズのゲスト、鉛崎ボルトや九十九静奈も再登場します。

藤林：何の違和感もなく、すんなり戻ってきてくれました。「1年間一緒にやってた？」くらいの雰囲気で。共演したのは序盤の方だったので、「あの時から成長したね」と言われたのも嬉しかったです。

本島：僕も再会出来て嬉しかったです。少しショックだったのは、「九十九、もう宝太郎のこと好きじゃないのかな？」って（笑）。

ーー（笑）。TVシリーズ49話より登場した「仮面ライダーヴァルバラド黒鋼」、そして今作では新フォーム「仮面ライダーヴァルヴァラドGT」が登場します。それぞれのフォームの気に入っている部分を教えてください。

藤林：ヴァルバラド黒鋼に関しては、ヴァルバラッシャーの二刀流が好きですね。ラケシスがヴァルバラッシャーを持っていた流れもあって、すごく意味のあるフォームだと個人的に感じています。メカメカしいのも良いですし、動く度にシャキン、シャキンという音がなるのが面白いなと。

本島：（第49話の）スパナの最後の戦いのシーンで、「一ノ瀬宝太郎がオレにくれた輝きだ！」と言っていて。あのシーンでは、スパナは1人で戦っているけど、みんなの力があるからこそ戦える、スパナの後ろにはみんながいるというのが好きな部分です。

藤林：今回のヴァルヴァラドGTは、専用の変身ポーズにこだわっているので、注目して観ていただきたいです。あと僕、ずっとアイアンガッチャードのテンライナーの手の部分（ヘビーエクスプレッシャー）が格好良いと思っていたので、今回付けることが出来てすごく嬉しくなりました。

ーー今作ではミナト先生と鏡花さんの結婚式も注目ポイントですよね。

本島：本当に面白くて……。

藤林：面白いとか言うな（笑）。

本島：（笑）。撮影現場では、ふたりの仲の良さにすごく和んでいたので、結婚のシーンも、特に違和感を感じなかったというか。「あ、結婚するんだ」という感じで自然に受け入れられました。

藤林：キャストのふたりが同い年なんですよね。だから意気投合していた部分はあると思います。藤林泰也としては自然に受け入れていましたけど、スパナとしてはどうなのか、という部分はぜひ本編で確かめていただきたいです。

ーー宝太郎と九堂のシーンもすごく素敵でした。

本島：そこは僕もお気に入りです。みなさんの心の中で、宝太郎と九堂が今後どうなっていくのかを考えていただけるようなシーンになっていると思います。
藤林：青春が凝縮されているシーンだよね。等身大のふたりならではの雰囲気になっていて。

ーー「卒業式の1日がタイムループする」という設定も面白いなと。

藤林：後から気づく楽しさもあると思うので、何度も観てほしいです。演じるうえでも、ループを覚えるのは難しかったですね。例えば、2回目、3回目を演じるときの手の位置の意識だったり、再現性の高い俳優になるのもすごく大切だと感じました。難しかったですけど、中々ない題材なので楽しかったです。