音楽
『魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~』オープニング主題歌 北川理恵ロングインタビュー

「いろいろな場所で積んできた経験や力をすべて注ごうって」――『魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~』オープニング主題歌をキセキ色に輝かせる、プリキュアシンガー・北川理恵さんインタビュー

 

時を超えて、言葉でも、歌でもつながっている

──そして偶然にも、「Dokkin♢魔法つかいプリキュア!」に〈犬喋れば ワンだフルでしょ〉というフレーズがあるのがすごいなと感じていたのですが……。

北川:そう、そうなんですよ! 今回の『わんだふるぷりきゅあ!』をリアルタイムで観ていて、こむぎが喋った時点で、「喋った!」ってずっと思ってたんですよ。「あれ? あれ?」って(笑)。

「Dokkin♢魔法つかいプリキュア!!」は関係ないとしても、私の中ではものすごくつながりを感じました。ちょっと運命感じちゃいますよね。「え、(森)雪之丞先生、すごいな……!」みたいな気持ちになりました。まるで8年前にはもうこれを予見していたかのような歌詞だなって。ああ、レコーディングのときに雪之丞先生に伝えたら良かった(笑)。しかも『わんだふる』。

だからこそ、ライブで『まほプリ』の曲を歌ったときも、「みんな! こんな歌詞あるよ!」というのを前面に出して歌ってしまいました(笑)。『まほプリ』のオープニングを初めて聴く方も「なんだって!?」ってなるんじゃないかって思って(笑)。しかも「Part2」には〈猫喋れば ニャンてコト! 〉も登場しますし。

なかなかないですよね。『プリキュア』らしさはシリーズを通して、この20年ずっとリンクしているものではあるけど、歌詞でここまで完璧にリンクしているって、なかなかないですよね。時を超えて、言葉でも、歌でもつながっているのがすごいなと。こういうことを知ると、ますます『プリキュア』のいろいろな歌を聴きたくなるんじゃないかなって。

 

 

──今回の「Dokkin◇魔法つかいプリキュア!!Part3~MIRAI DAYS~」ももちろん、森雪之丞先生が作詞を、奥村愛子さんが作曲を。さらに、おなじみの高木 洋さんが編曲を手掛けられています。「Part3」の歌詞はなんだか泣きそうになるのですが……。

北川:そう! 泣きそうになりますよね。大人になったとはいえ、ワクワクもんだぁ!な子供心を絶対に忘れていない感じが歌詞から伝わってきました。

大人になって真面目なことばかり考えていたとしても、時たま「なんちゃってね!」といった遊び心があるのが、雪之丞先生の歌詞の魅力ですよね。大人が聴いても「してやられた!」って思わされる部分があって。いわゆる普段の枠を超えた、『MIRAI DAYS』という作品ならではの面白さが、「Part3」に詰まっているなと思いました。

──歌詞にも〈パート3よ!〉という言葉が入ってますもんね。

北川:あそこはすごいですよね。しかも、これまでの〈ごめんね! 今かけたの“魔法”じゃない“御迷惑”かも〉も、〈人はね…みんな違う愛し方や 痛みも違う その違いが“素敵”だって今なら言える〉のフレーズも全部入っていて、さらに〈パート3よ!〉という言葉を加えてくださったことで、私の心はめちゃくちゃワクワクもんだぁ!になっていましたし、その部分の歌い方には、すごく気合いを入れました!〈パート3よ!〉は何が何でも耳に残したい! みたいな気持ちもあったし、私自身がこれを歌うのがめちゃくちゃ楽しかったです(笑)。

──その言葉がすごくいいタイミングで飛び込んでくるんですよね。

北川:そうなんですよ! 3番といいますか、そういう位置にあります。ライブに来られた方はもうすでに知ってらっしゃると思うんですけど、 TVサイズで知る方も多いと思いますので、ぜひフルサイズを聴いてほしいです。

 

 
また、『まほプリ』を当時観ていなかったけど、今回の『MIRAI DAYS』でご覧になるという大人の方もたくさんいると思います。『MIRAI DAYS』から入って、歌の面白さに触れて、「フルサイズを聴いてみよう!」って思っていただけたら嬉しいですね。過去にさかのぼって〈犬喋れば ワンだフル〉?えっ? ……って感じで、いろいろな発見をしていただけたら嬉しいです。

──そうやって時間も次元もシリーズも超えてつながっていくのが、『プリキュア』の魅力ですよね。

北川:本当にそうですね。それはエンディング主題歌「キセキラリンク」にも言えることだと思います。

──「キセキラリンク」(キュアミラクル(CV:高橋李依)・キュアマジカル(CV:堀江由衣)・キュアフェリーチェ(CV:早見沙織))もつながりを感じられますよね。作詞は「CURE UP↑RA♡PA☆PA!〜ほほえみになる魔法〜」や「プリキュア☆彡ハロウィンカーニバル!」も手掛けられた六ツ見純代さん。そして、作曲・編曲は高木 洋さんです。

北川:聴いた瞬間にびっくりしました。「ちゃんとつながってる!」っていうのがすごく感じられて。『まほプリ』第50話からしっかりとつながっているからこそ、この「キセキラリンク」が成立しているんですよね。『MIRAI DAYS』の世界観とリンクしながら、今の3人がいる。2人(「CURE UP↑RA♡PA☆PA!〜ほほえみになる魔法〜」)から、3人(「魔法アラ・ドーモ!」)になって、また今回の3人で歌う……。2つの曲のニュアンスやモチーフがちゃんと音にも残っているように感じました。

高木さんが実際にどういう意図で作られたのかはわからないですけど、半音で下がっていく感じとか、「あれ? もしかしてアラ・ドーモ意識してます?」みたいなところがあって(笑)。どんどんリンクしていく感じが、すごく『まほプリ』らしさを感じさせてくれますよね。大人になっても楽しめる仕掛けが散りばめられているのが、本当に素敵だなと思いました。

それと、「キセキラリンク」で3人が歌いつないでいる感じもまたすごく素敵なんですよね。阿吽の呼吸、言葉のキャッチボールを楽しんでいるのが伝わってきます。胸熱です。もう3人の声がするだけでも私は泣きそうになるんだなと改めて痛感しました。

──それは「Part3」に関しても同じことが言えますよ!

北川:そう言っていただけるとありがたいです。

 

 

──北川さんは、今回の歌詞を読んだとき、どう感じましたか?

北川:初っ端の〈“キュアップ・ラパパ!”と魔法の言葉でハチャメチャ大混乱!〉は一緒なんですよね。〈マジ無理!〉から入るのも「わ、『まほプリ』だ!」と思いました。それと同時に〈恋の涙〉って!?と(笑)。そこに大人っぽさといいますか。「成長した人たちの言葉なんだな」とも思ったんです。でも、よく考えたら『プリキュア』の初期にも恋の歌があったなって。

だから、モチーフとしてそういった要素が入りつつも、多分いろんな「恋の形」があるんだろうなって。『まほプリ』のみんなが、別の誰かに対して抱く気持ちとして、「恋の涙は止める魔法はないなあ」的な、第三者に向けた言葉なのかな、そっちまで広がってるっていう意味の涙なのかな?などと思いながら歌っていました。

でも、そこだけに注目しすぎると、なんだかそわそわそわそわしちゃうんですよね(笑)。ただ、そこまで深く恋愛にフォーカスしているわけではなさそうだなと感じているんです。“#助けて魔法つかい”という言葉や、時計がバキバキになっていたり、新しい女の子が登場していたりと、新しい要素があって。きっとみらいたちの世界が広がったということも伝えたい曲なんじゃないかなって思っていました。

──「Part3」はアニメ放送に先駆けてかなり早い段階で配信となって。だからこそ〈恋の涙〉は注目されている方が特に多い印象もありました。

北川:想像してしまいますよね。こうして歌を先に聴いて、いろんな想像ができるのってすごく良いなと思っています。今(インタビューの時点で)わかることはかなり限られていて。でももう予告から「ズルい!」って思っていました(笑)。ワクワクもんでしかないですもん。

 

 

──「Part3」の高木さんのゴージャスなアレンジも素敵ですよね。

北川:そうなんですよ! キラキラした音がたくさん入っているんですよね。それは魔法や宝石を表しているんだろうなって。今まで爆速で走り続けてきた無印と「Part2」とは違って、ちょっと視界が広がった感じがしました。「みんなに楽しさを届けしていきます!」っていう、余裕が生まれたような印象を受けましたね。今までは目の前しか見えずに突っ走ってきたものが、少し視野が広がって、「みんなも巻き込んで、もっとワクワクもんを楽しもう!」っていうメッセージになっているように感じました。「もうすごいなあ」って。

そもそも「Part2」の時点でアレンジってどうするんだろう?って思っていたんです(笑)。リアレンジをリアレンジすると、こんなことになるんだ!って。でもきっと、作品のテーマをしっかり汲み取ったからこそ、ああいうアレンジになったんだろうなって。それを考えると、より一層、本編が楽しみになりますよね。音楽から得られる情報って、本当にたくさんあるなって思いました。音楽の力ってすごいですよね。曲自体も、アレンジも、歌詞ももちろん。いろいろなことを思い起こさせてくれる……。

──高木さんの『まほプリ』への愛を感じます。

北川:実は『MIRAI DAYS』のアフレコを見学させていただいた時、高木さんもいらっしゃって。「いや~、『まほプリ』って最高ですよね!」「幸せですよね」って話をずっとお互いにしてました(笑)。

キャストの皆さんともお話できたんですけど、お一人おひとりが『魔法つかいプリキュア!』らしさをすごく大事にされているのが伝わってきて……。「本物のプリキュアたち」なんですよね。手と手を取っているのが「モフルン」というところにも、齋藤彩夏さんがいろいろな人をつないでくださっているところに、すごくリンクしているなって感じました。

また、制作陣の皆さんの愛も、すごく伝わってくるんですよね。それこそ、内藤(圭祐/『魔法つかいプリキュア!』『魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~』プロデューサー)さんは、「魔法つかいプリキュアは宝なんで……!」って、目で伝えてくださるんです。その熱意がひしひしと伝わってきて、「私も気合いを入れて頑張らなきゃ!」と思いました。プレッシャーも少しあったんですけど……でも、それ以上に「Part3」を歌えることの喜びが勝りました。皆さんのお顔を見ると、より一層その気持ちが湧いてきて……。

現場でキャストの皆さんも、「(「Part3」)すごくよかったです!」って言ってくださって、それが本当に嬉しかったです。キャストの皆さんが、オープニング主題歌のことも喜んでくれて、好きだと言ってくださるのは、本当にありがたくて。シンガーは本編には直接関わらない立場ではあるけれど、「私も『魔法つかいプリキュア!』の一員でいさせてもらえているんだな……」って、ぬくぬくと心に染みわたりました。幸せな気持ちになりましたね。本当にありがたかったです。

 

 

──話が逸れてしまいますが、今回のモフルンもかわいいですね。

北川:モフルン、可愛いですよね! モフルンは、ずっと可愛い(笑)。映画(『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!ドキドキ ゲームの世界で大冒険!』)のモフルンも可愛かったです。

──以前お話を伺った際に、「キュアップ・ラパパ」を今聞けることも嬉しいし、映画ではどう受け止められるのか気になっているといったことをおっしゃっていましたが……実際に観てみて、いかがでしたか?

 

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北川:すごく自然に溶け込んでいて、「あ、キュアップ・ラパパ!」って魔法の言葉なんだなと改めて(笑)。『まほプリ』の先輩としてのプリキュアがめちゃくちゃカッコよかったっていうのが、まず最初の印象ですね。

絶対カッコよく登場してくれるだろうなとは思っていたんですけど、あんなに頼りがいのあるプリキュアとして登場するとは……!「私が憧れていたプリキュアがここにいる……!」って、震えるような気持ちになりました。

そして「魔法ってすごいな……!」って思いました。どうしようもなくなったときに、『まほプリ』のプリキュアがいてくれることで、魔法をつかって解決してくれる。「いてくれてありがとう……!」っていう気持ちになりましたね。しかも、動物たちの中にモフルンがいてくれるのが……もう……「かわいすぎる〜!」って。

──ワンアクションで一気に解決してましたもんね(笑)。

北川:そう! すごかったですよね。「えっ、そんな感じで全部解決しちゃうの!?」って(笑)。その「お互いがお互いを補い合う姿」にプリキュアの本質を感じられて、すごく嬉しかったです。そして、そこに『まほプリ』がいてくれるのが嬉しいなって。

そして今回、ものすごい大ヒットとなったんですよね。ニュースで拝見しました。たくさんのお子さんたちに、『わんだふるぷりきゅあ!』だけじゃなく、『ひろがるスカイ!プリキュア』そして『魔法つかいプリキュア!』の魅力が伝わったんじゃないかなって。勝手に誇らしい気持ちになってしまいました(笑)。挿入歌「大好きのキズナ」(石井あみ・北川理恵)を歌うこともできて良かったです。

 

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