
『ある魔女が死ぬまで』声優インタビュー連載第3回:青山吉能さん×伊藤静さん | 「“死”について考える作品に参加できるのは嬉しい」。器が大きい祈でも「足が臭い」は本当に傷付いていそう……?
第3話ではほぼ二人きりでの収録に
──祈は第3話が初登場になりましたが、収録はいかがでしたか?
伊藤:実は第3話は別撮りで、ファウスト様(榊原さん)にはまだお会いできてなくて、他の面々がどんな感じなのかは、原作を読んで想像しながらやっていました。
さっきも話したところですけど、ちょっとダメなお姉さん的でありつつも、先生っぽさもあるのが祈の特徴なので。飄々となんでも知っているような雰囲気とかフランクさを出しつつ、ファウストとは違う形でメグに何かを伝えていけるようなキャラクターとして役作りをしていましたね。
──印象的なディレクションはありましたか?
伊藤:オーディションの時に出したものを確認してからリハーサルに臨んでいたのもあって、止められたりすることはほとんどなくて、結構自然体で演じられたかなと。それ以上に、もうメグちゃんが朝からものすごい一人でカロリー使っていたので、「大変だね」と声をかけたりしていたことの方が印象に残ってます(笑)。
青山:いつもいろいろ気を使っていただいて、ありがとうございます(笑)。
伊藤:祈もメグに対してそんな感じだと思うんですけど、私自身もその様子を傍から笑いながら見守っている感覚だったので、あまり難しく考える必要はないなって。ただ、場面によっては感情を多めに乗せていいキャラクターでもあると思ったので、普段のコミカルな顔と、シリアスな顔のギャップみたいな部分は意識していましたね。
──個人的に面白いなと思ったのが、「殺す」っていう発言こそありましたけど、祈ってかなりメグに失礼なことを言われているのに、そんなには怒ってないイメージがあります。
伊藤:そうですね。そういうのあまり気にしないタイプというか、だいぶ失礼なことを言われても、「この子はそういう子なんだ」って受け入れてくれるような、大きい器を持っている人なんだなと思ってます。
ただ、“足臭い”だけは本当にちょっと傷付いているんじゃないかなって(笑)。私も、自分の足が臭かったらどうしようと思って、たまらず匂いケアとかやりましたから。
青山:それ、めっちゃ分かります……! 私もパンプスをよく履くので。
伊藤:たぶん祈もそうなんじゃないかと思うんですけど、自分の匂いって気付けないものなので、何も感じてなくてもいろいろやっておかないといけないなって。祈は、そういう匂い対策の大切さみたいなことも教えてくれましたね(笑)。
──第3話の収録はほぼお二人だけだったんでしょうか?
青山:そうですね。その時は榊原さんも別撮りで、アナウンサーの方はいらっしゃっていましたが、私達とは完全に別撮りだったので。ずっと伊藤さんの隣で、私がギャーギャー言ってるっていう(笑)。
伊藤:本番も一緒に掛け合いできてね。超少人数の収録でしたけど楽しかったです。
──お二人で何か話をされたりも?
伊藤:それがなんかもう、あまりにもメグちゃんが大変そうすぎて、余計な話をするよりは休ませてあげなくちゃって。
青山:あの時って、ちょうど私がお仕事でアメリカから帰ってきた時のタイミングだったのもあって、より大変そうに見えてしまったのかもしれません。
差し入れにアメリカのマドレーヌを持っていったんですけど、めちゃくちゃ箱が大きかったんですよ。だからたくさん入っているだろうと思っていざ開けてみたら、6個しかなくて。現場で配っていたら、監督さんたちの分がなくなってしまって、一度渡したものを返してもらうっていう、本当にダメなことをやってしまって……。
これからは英語が読めなかろうが、中に何個入ってるかは絶対に確認しないといけないと学びました。
伊藤:確かにね、それは大事だったかも(笑)。
青山:でも、ああいう差し入れって渡したら「ありがとうございます」って言われて終わることが多いんですけど、伊藤さんはすぐに「美味しい」と言いながら食べてくださったのが嬉しかったです。
ただ、その時ちょうど原作者の坂先生と原作編集部さんもマドレーヌを持って来られていて、まさかのマドレーヌ被りも起きてたんですけど(笑)。そっちは小さくて食べやすいサイズのものが沢山入っていて、ちゃんと人数分もあって。やっぱりこういうところが気遣いの差だよな……と反省したりもしていました。
──第3話の収録はご一緒ではなかったようですが、伊藤さんもキャリアを重ねられ、最年長になる現場も珍しくなくなってきていると思うのですが、榊原さんのような存在がおられると気が引き締まったりもしますか?
伊藤:榊原さんとは、私は別の作品でご一緒したことがあったんですけど、やっぱりそういう方がいるといつもよりピリっとするというか、「きちんとしないといけない」という気持ちになりますよね。昔ってそれが割と当たり前だったんですけど、今ってやっぱり締めてくれる人があまりいないんですよね。それで、私もヘラヘラしちゃったりしてるんですけど(笑)。
でも、そういった良い意味での緊張感みたいな空気、私はすごく好きなんですよね。そういう人たちに「“やるな”と思われるようになりたい」みたいな想いも湧いてきますから。
「羊宮妃那を守りたい」と思わせるようなソフィのかわいさ
──まだ第3話なので、話せない部分も多いと思いますが、現時点での伊藤さんのお気に入りのキャラクターはいますか?
伊藤:第3話の最後にチラッと出てきたソフィちゃんですね。原作を読んだ時、彼女の境遇とかもあって、すごくぎゅっとしてあげたくなりました。
青山:ソフィさんはこの後の第4話に出てきて、収録も一緒だったんですけど……もう、とにかく「俺が羊宮妃那を守りたい」って気持ちになりました(笑)。
一同:(爆笑)。
伊藤:最初はちょっと失礼な人みたいに見えるかもしれないけど、決してそういうわけではないんだよね。
青山:ソフィさんもそうですけど、この作品に出てくるキャラクターって、何かしらの運命とか責務みたいなものを背負って生きている感じがしますよね。
祈さんとかも、普段は飄々としていて明るいのでそんな風には見えないんですけど、きっといろんなバックボーンがあるんだろうなと。その上で、誰かを接する時には、あえて明るくて朗らかな雰囲気を作ってくれているんだろうとか、いろいろ想像が膨らみます。
──青山さんの方はお気に入りのキャラクターはおられますか?
青山:私はやっぱりファウスト様になっちゃいますね。私って、人生の深みが見えるようなキャラクターが好きなんですけど、基本的にファウスト様って、メグに対しても街の人に対しても、平等にフランクに接するじゃないですか。
私、他人によく思われたいって気持ちが強くて、今こうして喋っている時とか、収録の現場でも、親や友達と話す時とは声からして全然違うんですよね。でも、なるべく友達と話している時みたいにしようと意識しても、それはそれで嘘に嘘を重ねるみたいで、本当の自分って何なんだろう、とか考えちゃうこともあって。
伊藤:でも、それもひっくるめて全部本当の青山ちゃんだってことだと私は思うよ。相手とか場面に応じてちゃんと顔を変えられるのも大事なことだし。今日も「おはようございます」って挨拶してくれたけど、これが「おはよう」だったらめっちゃビックリしてるよ(笑)。
青山:でも、たまに先輩に対しても後輩に対しても、すごくニュートラルに接する方もいらっしゃるじゃないですか。そういう方を見ると、本当にすごいなって思っちゃうんですよね。ファウスト様の他人への距離感を見ていると、そういう方たちと通じるところがあるなって。
──確かに、ファウストの他人への接し方って面白いですよね。メグが祈の弟子になるという話を切り出した時とかも、あっさりとOKしたり。それだけ祈のことを信頼しているからではありますが。
青山:ファウスト様って、メグが余命一年なのを知っているのにいろんな雑用をやらせたりするんですけど、それもきっと、どんな小さいことでもいろんなことを知っていくのが大事だって考えを持っているからだと思うんですよね。
そういう意味では、きっと自分には見せられない景色を、祈さんならメグに見せてくれるだろうっていう信頼があったからこそ、助手にするのを承諾したんだと思いますね。
伊藤:私もそこは同じ意見で、祈は祈でファウスト様とはまったく違う経験をしてきているはずなので、それをメグに見てほしいと考えたんだと思うんですよね。祈の方も、ギャーギャー文句は言うし、口も悪いけど、土いじりとかの仕事はちゃんとしているメグに何かを感じたから、助手にしたいと思ったんでしょうし。
きっとファウスト様は、そこまで見抜いていたからこそOKしてくれたと思うので、七賢人同士の信頼関係みたいなところも凄く感じましたね。
──ちなみにお二人なら、ファウストと祈のどちらの弟子になりたいですか?
青山:難しいですね。どっちにもどっちの良さがあって……。
伊藤:でも、(祈は)足臭いんだよ? こうやって洗ってあげないといけない(笑)。
青山:なんでそんなに臭いんだろう(笑)。やっぱり生活習慣なんですかね。でも、命ってやっぱり有限じゃないですか。私はやっぱり別れのことも考えてしまうので、どちらかというなら祈さんと、より長く一緒にいたいかもしれないです。
伊藤:私は祈といると自堕落になっていきそうなので(笑)、ファウスト様に厳しくされた方がいいような気がします。実は「やれ」と言われたことをやるのって割と好きなんですよ。逆に自分から探すのは苦手だったりして、言われたことをきちっと守っていく生活の方が合ってるんじゃないかなと。そうしないと、無駄にダラダラしちゃいそう(笑)。




















































