
「Dくんの“変化”に注目してほしい」――春アニメ『戦隊大失格』2ndシーズン:小林裕介が語る「夢の学園編」での戦闘員Dの成長/インタビュー
4月13日からスタートしたTVアニメ『戦隊大失格』2ndシーズン。1stシーズンで、ブルーキーパーの討伐に成功した戦闘員D。だがその中で、自身の心に変化も起こり始めていた!? そして2ndシーズン、次の標的はグリーンキーパー。グリーン部隊に配属された日々輝に扮した戦闘員Dは、“怪人幹部”が関わっているとされる“神隠し事件”のため、翡翠かのんや薄久保天使や千歳と、廃校へと足を踏み入れた。
2ndシーズンの「夢の学園編」では連載インタビューを実施。第14話後は、戦闘員D役の小林裕介さんが登場!
アフレコで繰り広げられていた、バトルとは?
──TVアニメ『戦隊大失格』、1stシーズンを観た感想を教えてください。
小林裕介さん(以下、小林):まず作画の力がすごかったですよね。さとうけいいち監督のこだわりの演出、カメラワークがすごくて、特撮モノをそのまま見ているようなライブ感がありました。
あと僕、劇伴が好きなんですけど、戦隊っぽいカッコいい音楽もありつつ、メインのところで流れていたのがヴィラン味溢れるDくん寄りの音楽だったんです。決めるべきところで、煮え切らない音楽がかかっているあたりが、Dくんらしさでもあったし、作品のチグハグ感がすごく出ていて、面白かったです。
──戦隊モノだけど、やっぱり主人公は戦闘員Dですからね。
小林:そうなんです。でもちゃんと戦隊をカッコよく描くところは、これでもかというくらい、豪華に飾り立てていたので、そのコントラストもすごくしっかりしているなと思いました。
──怪人幹部は結構リアルに怖くて、ちゃんと気持ち悪かったです。
小林:戦闘員たちはあんなにポップなのに、幹部になった途端、しっかり気持ち悪い顔をしていることに、説得力がありますよね(笑)。
──さとう監督とは初めてだったと思います。オーディションでいきなり違う役を演じてもらうこともあったということですが、監督はどんな方でしたか?
小林:僕はDくんのみをオーディションでは受けたんですけど、いろんなパターンを聞いてみたいということだったので、結局3〜4パターンくらいやって受かったんです。なので正直、どのDで受かったんですか?というのはありました(笑)。
で、特殊だったのはここからで、僕と矢野優美華さん(錫切夢子役)と梶田大嗣さん(桜間日々輝役)とさとう監督で、アフレコが始まる前に台本読みがあったんです。「みんなは自分のキャラクターについてどう思っている?」って、キャラクターの解釈を話し合う場でもあったんですけど、そこで話していただいたことが、すごく印象的で。
僕は戦闘員Dが一人離れて、幹部の野望を引き継ぐという使命感を持って戦隊に乗り込んでいくイメージだったんですけど、監督は、そんな重いものではなく、もっと中二っぽいノリ。つまり、中学生の男の子が「やってやりますけど」みたいなノリでいいとおっしゃられていたんです。多分これを収録の時にいきなり言われていたら、ちょっと対応するのが時間がかかったかなぁとは思いました。
──それは、かなり参考になりますね。
小林:本当にありがたかったです。でも台本読みと言っていたのに、最初の2ページくらい読んで、あとはホントにただの雑談だったんですよ(笑)。でも、アフレコが始まってからも、さとう監督がブースに来て、小話をしてくれたりしたので、監督なりのコミュニケーションの取り方であったり、ルーティンなのかなと思いました。
──キャラクターの方向性に関しては、その後はスムーズにいった感じだったのですね?
小林:そうですね。最初に自分が思うキャラクター像をお話して、そこで組み立ててからは、それ以降何も言ってこないというスタイルだった気がします。
しかも、「何かあったら言って」という感じでもあったので、自分で組み立て方に納得がいかなかった場合は、もう一度やらせてもらったりはしました。そういうことを監督のほうから言ってくれる現場って、なかなかないので……。
──確かに、OKに対して役者側から「もう一度」と言うのは、失礼だという考え方もあると聞きますので、難しいところです。
小林:そうですね。だから僕も、もう一度やらせていただくときは、さっきはこうだったので、こういうのもありかな?と思うんですけど、どちらがいいですかね?と、ディスカッションを重ねた上でやるようにしています。ちゃんと自分の意思を伝えた上でやらないと、独り相撲になってしまうので、そこはしっかり伝えるようにしていました。
──自分に任されているという意味では、やりがいもありそうです。
小林:許容のレンジが広い方なので、「それでもいいんじゃない」と言ってもらえるところはあるんですけど、たまに、どうしてもここは譲れない!というのがあるんですよ。だいたいそれがギャグのシーンで(笑)。そこでは、「ちょっと違うな、もう1回」ってなるんです。しかも、何をどうすればいいのかは言ってくれないんですよ(笑)。特にDくんは、それが多かった気がしますね。
──いいのが出てくるまでやる感じだったのですね(笑)。
小林:だから、収録も後半になってくると、また来ましたね!となっていました。そういう意味では、ギャグのリミッターを外す良い機会になりました。これで結局オンエアで、一番最初のテイクを使われていたら、何でだ!って言うかもしれないですけど(笑)。
──後半、日々輝Dは梶田さんが演じられて、モノローグや戦闘員の姿になると小林さんが演じるというという感じでしたけど、それはいかがでしたか? 途中からどちらか判別できないような感じだったのですが……。
小林:それが理想的ではあるんですけど、それについて僕と梶田くんの間で、何かを話し合ったりはしていないんです。だいたい第3話くらいまで、僕が戦闘員Dとして演じていたのを、後ろで見ながらトレースしてくれたんだと思います。それに、収録した音源を監督から取り寄せて、自分なりの解釈でやってくれていたみたいなので、向こうから「どうやっています?」と聞きには来なかったんですよね。それが僕はすごく嬉しくて。
一度だけ迷って、収録後に「ここはこうしたほうが良かったですかね?」と聞かれたときに、「俺だったら、こうしたかな」みたいな、後での答え合わせはあったけど、やる前には聞いてこなかったことには、役者魂を感じました。
──自分で考えるというのが、大事ですからね。
小林:それに、僕もいい意味で、彼に合わせようという気がなかったんです。モノローグは僕が声を当てるんですけど、セリフの間にモノローグがあった場合、テンション感を揃えるのが普通なんです。でも、取り繕っている日々輝Dとしての言葉と、素のDのモノローグって、かけ離れていいものだと思っていたので、そこがちぐはぐになっていても許されるんですよね。逆にここは合わせたほうがいいという場合は、結構丁寧に考えた上で、合わせたりはしていました。
──それも面白いですね。
小林:それこそ、こっちがテンションを上げすぎたとき、日々輝Dはそれに合わせるの?っていうのもありますからね。テスト(※アフレコの本番前に、流れでセリフを読み合わせること)でちぐはぐになり、思っていたのと違うと感じた場合、合わせるか合わせないかを梶田くんが判断するので、「あえてそこは抑えていくのね! 面白いじゃん!」みたいな(笑)。なんか、それもバトルが繰り広げられているような感じがして、僕は楽しかったです。
──ふたりで食事とかには行かれたのですか?
小林:誘ってくれたりもしたので、行きました。そういうときはだいたい迷っているときなので、じゃあ行きますよっていう(笑)。僕はあまり人を誘えないんですけど、すごくリスペクトをしてくれているのがわかるので、話を聞いていても気持ちがいいし、アドバイスもしてあげたくなるんですよね(笑)。






























