
もし山下さんが、声優ではなかったら?──「らしんばんラジオ」2025年5月パーソナリティ・山下誠一郎さんインタビュー|「『声優』という“自分の好きなこと”を仕事にできている今は、本当に恵まれているなと感じています」
山下さん流! 旅の楽しみ方
──5月にはゴールデンウィークがありますが、「やるべきことをすべて済ませた状態の山下さん」は何をしたいですか?
山下:多分旅に出ます。自分の中の優先順位的に、部屋が汚いままなのはちょっと嫌なのですが、もし掃除などの家事が全部終わっていたら、外に出るしかないかな。
ラジオでは、以前京都に行った際のお話をしました。そこでしか買えないお守りを買ったとき、「1年経ったら返納してくださいね」と言われたんです。ただ、遠くて気軽には行けないので、多分2年ぐらい返せていなくて……(笑)。そのお守りを返しに行きたいなと。
──旅への意欲も自然と高まってきますね。山下さんご自身が、旅やお休みの中で楽しみにしていることがあれば、ぜひ教えてください。
山下:その地域ならではの電車に乗るのが好きですね。地元のメーカーさんや工務店など、地域に根ざした会社が出している車内広告を見るのも楽しくて。例えば大阪の電車だと、「このホールでコンサートがあります」といった、地域密着型の広告に出会えるのが面白いなと思っています。
それから、その地域のCMやローカル番組も好きですね。全国区で活躍している方が、実はローカル番組にも出演していて、「あの芸人さん、この地域でもお仕事してるんだ」と発見するのも楽しいです。
──広告や番組に注目されるのは、やはり職業柄でしょうか。
山下:僕はナレーションの仕事もしているので、広告が流れると耳がピクッと反応するんだと思います。
たまに朗読劇などの仕事で地方へ行けたりするので、その時が楽しみですね。
──そして5月といえば、21日は山下さんのお誕生日です。記憶に残っている誕生日のエピソードはありますか?
山下:ラジオでもお話ししたのですが、現場で誕生日をお祝いして貰ったことがあるんです。
現場が終わった後に、深刻な面持ちのスタッフさんに「ちょっと話があるので、お疲れのところすみませんが、アフレコの後ロビーに来てください」と言われたんです。当時はまだ新人だったので、何かやらかしたのかと思って……。泣きそうになりながらロビーに行ったら「誕生日おめでとうございます!」って(笑)。
──ドッキリのようなお祝いだったのですね。
山下:その現場では僕が主演だったのですが、まわりは大先輩ばかりで……。学生時代は、そういった方々とのご縁が少なかったのでとても新鮮でしたし、なんて素敵な業界なんだろう、と改めて感じました。
──またひとつ年を重ねられるということで、この一年の抱負・目標をお願いします。
山下:「これをしたい」「ここに行ってみたい」という気持ちに遠慮をしないことが目標です。
物事に対して「でもな……」と、自分の中で理由をつけない。「欲しいと思ったら欲しい!」「行くって言ったら行く!」というように、常識で自分の目標を測らないようにしたいなと思っています。遠慮なく色々と手に入れよう、行動しようというのが目標です。
──前回のインタビューでも、「最初の一歩を小さくしたい」と仰っていましたね。
山下:大事なことだと思っています。筋トレも始めていて、ライブが4月の中頃にあるので、それに向けて加減を考えていますね。(本インタビュー実施は4月の初旬)
健康第一なので、体調管理なども含めて気を付けています。最近は急に寒くなったりするので、体調管理が難しいですからね。
もし山下さんが声優になっていなかったら……?
──新コーナー「せいちの未来日記」にて、山下さんが「声優になっていない別の世界線」を想像して語られたとか。
山下:玩具メーカーに興味があった時期がありました。設計やマーケティングなど、同じ会社でも様々なお仕事があると思いますが、当時の自分としては「“作る側”としておもちゃを考えるのって面白いだろうな」と思っていましたね。
──“作る側”としておもちゃを考える?
山下:長く特撮が好きというのは何度も話していることなのですが、中・高校生くらいの時にライダーの変身ベルトを買ってみたことがあったんです。「変身したい!」という気持ちではなく、おもちゃの構造に対して「どうなってるんだろう?」「どのように変身を再現しているんだろう?」という好奇心からの購入でした。
分解とまではいかないのですが、そのベルトのパーツを外してみるなどしてイジっていたんです。そうしたら、期せずして強化変身する音声のスイッチを押しちゃったりして。「なるほど、ここで部品が噛むからスイッチが押されて音が鳴るんだ!」など、仕組みを見つけるのが面白かった記憶があります。
──なるほど。
山下:これもラジオでお話ししたのですが、多分僕は、仕事とプライベートのオンオフがあまり上手くない方なんです。「仕事が終わりました。今からは自分の好きなことをします」って、スパッと切り替えるのが苦手で。
だからこそ、「声優」という“自分の好きなこと”を仕事にできている今は、本当に恵まれているなと感じています。
──声優というお仕事に就くまでには、さまざまな選択肢があったのではないでしょうか。
山下:そうですね。学生時代は水泳をやっていたのですが、それよりも芝居のほうが面白いなと感じるようになって、声優の道を選びました。
それと並行して、ずっと特撮が好きだったので、「おもちゃを考えたり、作ったりする人ってすごいな」と、昔から憧れの気持ちがありましたね。
──「ファン」と「制作者」というふたつの視点から楽しんでいたのですね!
山下:実は、それは今でもそうなんです。最近だとプラモデルを組み立てる動画を見て、「こういう風になってるんだ!」と、楽しんでいます。
──「山下のふつおた日和」のコーナーでも、プラモデルのお話をされていましたね。
山下:「どうしてこのようにパーツを分けたんだろう」「この形にした理由って何なんだろう」と、つい気になって見ちゃうんですよね。
たとえばガンプラだと、「マスターグレード」「ハイグレード」など、複数の規格があるんです。そのグレードによってパーツの細かさも全然違っていて、それぞれの違いを見比べるのも面白いなと思っています。
たくさんのパーツを、一つひとつ切り離して塗装して……あれだけの作業をこなしているのが、本当にすごいなと思っています。見ているだけでも圧倒されますね。
──プロフェッショナルを感じますよね。
山下:そうなんです! スプレーの塗料ひとつ取っても、メーカーによって全然色が違うようで、「今回はメタリックに仕上げたいからこの塗料を使います」とか、「別の色を上から重ねて塗ります」とか……。僕にはできない作業だと思っているのですが、だからこそ見るのが楽しいですね。最近の趣味になっています。
──ガンプラといえば、山下さんご出演のTVアニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』も話題ですよね。
山下:『ジークアクス』のガンプラも、かなり難易度が高いみたいですね。
3月の「AnimeJapan 2025」で先行展示されていたのを見たのですが、パーツ数がとても多いと聞いて、「どうしてこんなにパーツが多いんだろう?」と、単純に気になりました。でも、そうやって分けることにも、きっと“作る上での最適解”があるはずなんですよね。裏側の設計意図なども、いつか知りたいと思っています。
──プラモデルの世界も奥が深いですね。
山下:そうですよね。……「なっとく買取」でガンプラを査定したら、どのくらい価格に幅が出るんでしょうね?
近年になって、昔のガンプラが新規造形で再販されることもありますが、90年代あたりに出たものにはプレミアがついてたりするのかな。いつかしっかりと調べてみたいです。

















































