ガンダムを鹵獲したシャアに魅了された人々「マリガン編」|『ジークアクス』考察

ガンダムを鹵獲したシャアに魅了された人々「マリガン編」|『ジークアクス』考察

シャアへの進言聞き入れられず

マリガンに対するシャアの扱いはかつての副官であるドレンとかなり異なっている印象があり、シャアの臨機応変な対応に振り回されているように見えるところも。

さらに、第37話「テキサスの攻防」では、マリガンはゲルググで出撃するシャアに対し、ノーマルスーツ(ガンダム世界における宇宙服)の着用を進言しますが、これもあっさりと拒否されてしまいます。

後にララァ・スンにも同じようにノーマルスーツを着て出撃するようお願いされた際には、シャアはモビルスーツに乗っても必ず帰ってくる主義を曲げて「ララァがそう言うのならな」と答えるのです。

この時には着なかったものの、後にジオングに乗ってからは着ているあたり、シャアの中ではマリガンよりララァの存在の方が大きかったのではないでしょうか。

ただし、シャアの命令を聞かなかった部下は他にも登場しており、例えば第40話「エルメスのララァ」においてララァ・スンの駆るエルメスの護衛を命じられたはずが、逆にエルメスを前に押し出し自分たちは後方に下がってしまったリック・ドムのパイロット、バタシャムとその部下でしょうか。

その責を問われた際に「ひょっとしたら、エルメスはシャア大佐のゲルググ以上でありましょう」と言われてしまう場面があり、加えて地球方面軍司令だったガルマを死なせ左遷されたという立場から、この時のシャアは部下たちを上手く統率できない状況にあった可能性が捨てきれません。

結局このふたりがエルメスの後衛に回ることを許可することになっているあたり、もしかしたら物語前半の頃のようなカリスマが、『機動戦士ガンダム』では既にシャアから損なわれていたの......かも!?

明確な活躍なく戦死

そしてマリガンの最期は、明確な描写がないまま母艦であるザンジバルを撃沈され運命を共に……というものでした。劇場版ではその描写もなく戦死しているようで、シャアと上手に関係を構築できていればその運命もまた違ったのではないかと思わずにはいられません。

『機動戦士ガンダム』におけるマリガンは、シャアという特異な上司に翻弄されるどこか悲劇的な人物像を漂わせています。


『機動戦士ガンダム』のマリガン

シャアの命令無視
上官であるシャアの命令に背き、トクワンの仇討ちに逸るデミトリーに対し、無謀なザクレロでの出撃を許可

デミトリーの戦死によるシャアへの負債
自身の判断ミスによりデミトリーを戦死させ、結果としてシャアに大きな借りを作ってしまった

シャアへの進言聞き入れられず
ゲルググで出撃するシャアにノーマルスーツの着用を進言するも聞き入れられず

明確な活躍なく戦死
劇中で特筆すべき功績を残すことなく、最終的に母艦ザンジバルと共に宇宙の塵と消えてしまった


一方で、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』のマリガンは別人のような活躍をします。

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