
「退屈すると死ぬヒロイン」と「不器用ヒーロー」の絆に注目! 春アニメ『この恋で鼻血を止めて』潘めぐみさん×花江夏樹さんインタビュー
退屈を感じないものは何?
──アフレコはいかがでしたか?
潘:ヤーセンと掛け合っていて、花江さんは、お芝居とかセリフに対しての真摯さが抜かりないし、丁寧な人なんだなと改めて思いました。そういうところがヤーセンに通じるんですよね。几帳面さというか、妥協のなさを感じました。
花江:そうですか。感じますか(照笑)。
潘:第1話で超長台詞があったんですけど、聞き惚れちゃう感じで、それを聞いていて、出遅れそうになるっていう。そのくらい、いつも感動しちゃいます。
あと、モカに関しては、演じていて、追いつかないですね。追い抜かされていってトチることもあったので、そのくらいスピードと切り替えが大事な作品だなと思いました。
花江:以前共演した作品が、クールで落ち着いた役だったから、どんな感じなんだろうなと思ったら、すごくいいよね。
潘:ホント? 恥ずかしーな〜。
花江:モカは、気力のなさの中にワイルドさみたいなものがあって、聞いていて心地いいんです。しかも次、どういうアプローチで来るんだろう?っていうのが楽しみになるお芝居なんです。
あと、モカはポンポンポンポンセリフと表情が切り替わるし、途中でジュースを飲んだり、変な効果音が入ったり、アドリブが挟まれるんですね。そこも、原音とはまた違った、潘ちゃんならではの音で演じるので、聞いていて楽しかったです。共演して以来、本当に久しぶりに一緒になったから、そういうところも新鮮で。
潘:共演していたときも、私にとって花江さんはヒーローでしたけどね(笑)。役だけではなく、花江くん自体がヒーローでした。
──今、原音とありましたが、吹き替えという意味で、中国語の音も意識はされたのでしょうか?
潘:日本語でこの作品を観たときに、心地良くあればいいなぁという意識はあったりしますし、「たぶん中国ではこういうニュアンスなのかもしれないけど、日本でオンエアするにあたり、こういうニュアンスで演じていただきたいです」というディレクションがあった箇所もあったので、そこは臨機応変に、という感じでした。
花江:原音を参考にする部分もあるんですけど、基本的にはあまり気にしないでやっている部分が多かったです。というのも、実写の吹き替えだと、本人のお芝居と声が、完全に口と顔に合っているので、そこは大いに参考にするんですけど、アニメなので、また違ったアプローチをしてもいいし、おそらく原音の方は、絵がすべて出来ていない状態で声を当てていると思うので、絵が出来た状態で当てたほうが、こうしたいああしたいっていうことができるんですよね。
だから、いいなと思うことは取り入れつつ、ここはもっとこうしたほうが面白くなるんじゃないかなと思ったところは、積極的に絵に合わせていきました。基本的には口パクに合っていればいいというお話だったので、そっちを優先することは多かったです。
──アクションが派手だったから、結構大声になったのではないですか?
潘:だいぶ大きくなりました。息くらいで入っているところも、大げさにやってみたりしたので、だいぶ賑やかになっているんじゃないかな。きっと元のアフレコでは、SEとか音楽も入っていない収録だったろうから、それが完成形で出来るというのは、あとから声を吹き込める吹替えの強みですよね。このくらい効果音が聞こえるんだったら、このくらい叫んでも大丈夫でしょうとか。そういう調整も出来たりしたので、ありがたかったです。
──おふたりが、これをやっていれば退屈しないなと思う、熱中しちゃうものを教えてください。
潘:私はオンラインゲームはずっとやっていられるなって思っています。やれることが多すぎるんですよ。なので、今はハウジングにハマってます。
花江:『ファイナルファンタジー』?
潘:そう。14。土地を買うまでにもすごい苦労があって、抽選になかなか当たらないんです。それを土地が手に入るまでやって。私、土地代が家代だと思っていたら、土地とは別に、家代もかかるんですよ。
花江:へ〜。リアルだね。
潘:家具も作る技術も必要だけど、ないからお金が必要なんです。お金がないと引っ越しもできないというのもリアルで……。この世界にずっといてもいいと思っちゃうし、1時間でゲームを止めるなんて無理!って思うくらい、延々とできちゃうんですよね。しかもそれを友達とやるのも楽しいんですよ。退屈させてもらえない!
花江:僕もゲームかなぁ。ハマる期間と何もやらない期間があるけど、今結構やっていて、人と対戦するゲームをやっているんです。今ハマっているのは、キャラクターが数百体いる対戦ゲームなんですけど、能力やスキルが全部違っていて、このキャラと戦うときは、どういう戦術を取らなければいけないのかとかを、全部考えないといけないので、その対策をYouTubeで調べたりして(笑)。
潘:最初は見ないで挑まないの?
花江:一回挑んで、ボコボコにされて、こいつに勝つにはどうしたらいいんだろうって調べて、再度チャレンジする感じかな。だからゲームをやっていたら、全然時間が足りないなと思うんですけど、よくないですよね(笑)。
潘:でも、楽しいから。
──ありがとうございます。では最後に、ファンへメッセージをお願いします。
潘:この作品、何と戦っているんだろうと思うかもしれません。敵らしい敵が出てくるのかな?と思いきや、そうじゃなかったりするんです。進展的に、1話の中で大きく変わったりはしないんですけど、皆さんの実生活に寄り添える、心情、感情が散りばめられていると思っています。なので、そういうことを感じられるものが、ひとつでもあればいいなと思っています。
花江:タイトルのインパクトがあるので、内容が気になると思うんですけど、わりと気軽に楽しめるような、ノリがいいアニメなんです。その中でも、日常生活で、ふとした時に感じる題材が詰め込まれているので、いろんな方に見ていただきたいです。ぜひ最後まで楽しんでください。
[文&写真・塚越淳一]
作品概要

あらすじ
キャスト
(C)bilibili 改編自騰訊動漫人気漫画《無聊就会死》 原作者:澄子