
「クソみたいな世界」を変えるのは、「奈落」に落とされた少年の煮えたぎる“怒り”ーー『ガチアクタ』ルド役・市川蒼さん×ザンカ役・松岡禎丞さん×リヨウ役・花守ゆみりさんが底なしの魅力を「ガチ」で語り合う!【インタビュー】
松岡さんとザンカ、花守さんとリヨウに共通するもの
ーー続いて、松岡さん演じるザンカについてお願いします。
松岡:ザンカは特徴的な方言を抜きにすれば、共感できる部分がすごく多いキャラクターです。自分とは全然違いますが、彼のバックボーンを考えると昔の自分に重なる部分があるんですよね。僕はストーリーを先読みしないタイプなんですけど、ザンカが登場した瞬間から「コイツ、何かあるな?」と一目で感じさせてくれました。
演じるうえでは、ぶっきらぼうに見えて、一本しっかり芯が通っているところを大切にしています。ただ、ルドと初対面で戦うシーンは難しかったですね。というのも、ザンカのような強者の立場でバトルシーンを演じた経験が少なかったんです。普段は強者に圧倒される側が多いので(笑)。
ザンカは戦っている最中でも冷静に相手を分析しつつ、飲み込んでしまうくらい圧倒する部分がある。テストで試しにアドリブを入れてみると、どうしても焦っている感じが出てしまったので、人器を使うシーンも「(アドリブは)入れないでください」と。「そのうえで、相手を圧倒するお芝居ってどうすればいいんだろうか?」と考えていくうちに、どんどんお芝居の方向性が固まっていきました。
ーー最後は、花守さん演じるリヨウです。
花守:リヨウを最初に演じる時、「声に表情をつけすぎず、ダウナーでギャルっぽい話し方にしてほしい」というオーダーをいただいたので、そこから自分でかみ砕いていきました。猫ちゃんは表情が変わらなくても、手足やしっぽの動きなどの所作で感情が伝わってくるので、そんなお芝居にしたいなと。彼女自身も黒猫ちゃんみたいに謎が多い子なので、彼女のことをもっと知りたいと思っています。
個人的には、「親って色んなものくれるよな。良い事も悪い事もね…」というセリフがストンと腑に落ちてきて。この言葉をリヨウと自分のつなぎ目にしようと思いながら演じています。私も27年間生きてきて、「両親から沢山のものをもらった」と感じる瞬間があって。
私自身は「受け取ったものがいいものなのか、よくないものなのか」を判断してこなかったけど、両親の言葉が自分の価値観になっていると感じます。リヨウを演じている時はそのセリフがいつも心の片隅にありますね。
ーーアフレコ現場での印象的なエピソードについても教えてください。
松岡:エンジン役の小西(克幸)さんのマイクの位置が高すぎて、入りにくいことでしょうか。
一同:(笑)
花守:小西さんはすごく背が高いですからね。
松岡:すべてのマイクが埋まっていて、どうしても小西さんが使っているマイクに入らなくてはいけない時は一生懸命つま先立ちしています。
花守:松岡さんの座っている席が小西さんと市川くんの間くらいなんです。ルド(市川さん)が基本的に1本マイクを使うとすると、小西さんのマイクに入りたい瞬間も多いと思います。
松岡:スタジオの構造上、左右にあるモニターのどっちを見るかが大切で。右のモニターを見るとギリギリ半分くらい視界に入りますけど、台本は左手にしか持てないので、本当は左側を見たいです。
市川:確かにどちらが見やすいというのはありますね。実は今のマイク位置に決まったきっかけがあるんです。
僕は掛け合いをする時、相手と近い方がやりやすいんですけど、ルドとエンジンが初めて会うシーンでお互い声をすごく張るので、間を1つ空けようということになって。そこで小西さんのマイクの立ち位置が決まりました。
松岡:なるほど。
花守:ということは、市川くんに苦情を入れればいいんですね(笑)。松岡さん、私のマイクに入りますか?
松岡:一番右ですよね? できればあそこに行きたいです。
花守:でもルド(市川さん)とクロスすることになるから、心理的に入りにくいですよね。
市川:禎丞さんは端っこのマイクを使っているイメージがあります。
松岡:個人的に端が好きというのもあるけど、自分が一番喋る役だと想定した時、「両サイドにいれば、自分を跨がなくてもいい」という気遣いです。自分が主軸でしゃべる作品では、必ず右のマイクに入っています。
市川:他のキャストさんが自由に動きやすいように。
花守:ありがたいです。
松岡:今のスタジオは大丈夫だけど、だいたい左のマイクに入ると左にモニターがあるので……。
花守:左手で台本を持つと見えなくなりますね。これからは少しずつ右側に寄ってきてもいいですよ(笑)。
市川:(笑)。いつの間にか、左右のマイクに入る人が入れ替わるかもしれません。





















































