
猫はもちろん可愛い。でもこの作品の魅力は猫だけではない! 『ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット』クナギ役:水中雅章さん・アラタ役:川島零士さんが語る“猫好き”が織りなす真面目で独特な世界観【インタビュー】
この作品の魅力は猫だけではない
──クナギとアラタを演じる上で、意識されたポイントを教えてください。
水中:クナギの“まっすぐなところ”を意識しました。僕のクナギの第一印象は「全部でけえな」だったんです。
絵のタッチも相まってか、リアクションも大きいし、声も大きいし、お芝居も濃く見えました。僕の中でそこが他のキャラクターとクナギの差だったので、技術的なことにとどまらず、「でけえ声を出そう」「大きくリアクションをしよう」と。躊躇せずに声を出して、映像にその雰囲気が乗れば、と思いながら演じていました。
──クナギは持っている熱のあまり、早口になるシーンもありました。
水中:あそこは楽しかったですね(笑)。マニア特有の、つい早口になってしまうシーンだったので、「伝えよう」ではなく「自分さえ分かっていればいい」というニュアンスでお芝居をしました。
……結果的に、猫の説明ではないところだけゆっくりになっていましたね。「……という、ことなんだ……」って(笑)。
──(笑)。川島さんはいかがでしたか?
川島:アラタが持っている、先輩やみんなに好かれる元気な大学生感……“後輩感”を意識していました。
アラタは途中から参戦する仲間なので、今までの仲間とまた違った角度も意識して演じています。「猫に触れたら猫になってしまう」というシリアスな世界観ですが、「アラタは、そんなことを気にしていないのではないか」「危機感は持っているけれど、危機感がなさそう」というようなニュアンスです。
本作のキャラクターの中では珍しいポジションにいるキャラクターだと思ったので、このニュアンスについては、特に重点的に役作りをしました。
──クナギとアラタの掛け合いについては、どのような意識で演じられましたか?
水中:クナギとしては、全員に対して同じ意識で演じています。
一方で、僕から見たアラタは「猫みたいな子」だなと思っていました。そんなアラタに、零士くんの奔放さ、飛び跳ねるような雰囲気がマッチして、より魅力的なアラタになったなと思いながら、現場で声を聞いていましたね。
川島:アラタにとってのクナギは、ピンチを助けてもらった恩人ですから、「憧れの兄貴」に対する意識でした。
──クナギ、アラタ以外で、印象に残っているキャラクターやお芝居についてもお聞かせください。
川島:猫アレルギーで、終始鼻水がダラダラな「ツツミ」というキャラクターがいるのですが、担当する芹澤優さんの鼻をすすりながら喋る演技がすごかったです。
水中:SE(サウンドエフェクト)を使ってるのかな? と思うレベルで上手でしたね。
川島:その場にいた全員が、「あれ、どうやってやってるの?」と話題にしていました。あの演技と、ツツミが持つ一般人的な雰囲気のバランスが印象に残っています。
水中:あとは……グランマ役の宮寺(智子)さんでしょうか。グランマはシリアス筆頭なキャラクターなのですが、それでいて一番おもしろかったキャラクターでもあるんです。
川島:宮寺さんは舞台の経験も豊富な方なので、音の響きや音圧が圧倒的でしたよね。
水中:さらに、台本を隅々まで読んでいらっしゃって、「学ぶところしかない」と思いながらご一緒させていただいていました。
あと、やっぱり千葉(繁)さんのナレーションは世紀末感が漂ってました。
川島:『マッドマックス』感がありましたよね(笑)。
水中:あったね(笑)。みなさんそれぞれの役割に没頭されていて、各々が集中して自分の役を演じていました。
カオルもずっと真面目だったのですが、そんなみなさんに毒されてか、面白いキャラクターになりましたね。
川島:カオルはクールそうに見えるキャラクターですが、(上田)麗奈さんのお芝居で、より幅の広さが際立ちましたよね。
水中:カオルが思い切るシーンがあるのですが、上田さんの心からの言葉が出ていて、とても素敵なシーンになっていました。猫ももちろん可愛いのですが、この作品の魅力は猫だけではないんだなって。「次も見たい!」と思う作品です。30分と言わず、まとめて一時間流してほしいくらい(笑)。









































