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アニメ

『キングダム』楊端和(ようたんわ)とは? 山の民を率いて「血祭りだ!」 長澤まさみさんの演技でも話題になった、美しい山界の王を解説!
史実の楊端和
さて、ここまで『キングダム』の楊端和を見てきましたが、今度は史実の楊端和を見ていきましょう。
『史記』の楊端和
中国 戦国時代のことを知ろうと思ったら、頼るべきは『史記』です。
『史記』は、前漢 武帝の時代に司馬遷が編纂した約53万字の紀伝体(年代順ではなく人物や国ごとに出来事をまとめた形式)ものです。武帝の時代なので、秦が滅んでから100年ほどのちに書かれた歴史書ということになります。
楊端和が、『史記』に出てくるところは、以下の3ヶ所です。
「九年(中略)楊端和が衍(えん)氏(魏邑、河南・鄭州に所属)を攻めた」
「十一年、王翦が主将、桓齮が副将、楊端和が末将となり、軍をあわせて鄴(河北・彭城)を攻めたが、なかなかおちいらず、まず九カ城を取った」
「十八年、大兵を興して趙を攻めた。(中略)端和は河内の兵を将(ひき)いて邯鄲(かんたん)を囲み」
(司馬遷『史記1本紀』筑摩書房、1995 より引用)
以上はすべて、「秦始皇本紀」内の記載となっています。時代背景を考えると女性ではなく男性だったと思いますが、秦の中華統一に貢献したことは確かではないでしょうか。『史記』の書き方では、山岳地帯の異民族だったということは書かれていないので、ふつうに秦の武将だったのでは、という気もします。
家族や性格、私生活、どのような最期だったのかなど、詳細については不明です。
それにしても、楊端和を女性にして、山の民という“異文化民イメージ“を造形するなんて、原先生はすごいですね。楊端和は、作品を彩り、強力な場面転換をもたらすキャラクターとして、立っているのではないでしょうか。






























