
“文学的”な歌詞が生まれる源は、マンガ、アニメ、ゲームで得た知識。作品の魅力を表現した“会心の一行”とは? 『異世界黙示録マイノグーラ』ED主題歌「more than W」発売記念・寺島拓篤さんインタビュー【前編】
2025年7月より放送中のTVアニメ『異世界黙示録マイノグーラ~破滅の文明で始める世界征服~』。
本作のED主題歌であり、寺島拓篤さんの約2年ぶりとなるシングル「more than W」が8月27日(水)に発売となります。
今回、シングルのリリースを記念し、寺島さんにインタビューを実施! 歌詞に込めた想いや、レコーディング時のエピソードなどを前後編に分けてお届けします。
前編では、表題曲「more than W」の制作秘話を中心に語っていただきました。
『異世界黙示録マイノグーラ』は、ダークさとコミカルさのバランスが絶妙な作品
──『異世界黙示録マイノグーラ~破滅の文明で始める世界征服~』の原作やアニメをご覧になった感想をお聞かせください。
寺島拓篤さん(以下、寺島):まず原作を読んだ時、主人公の拓斗が「邪悪な文明と国家を作ろう」としていることで、ヒールっぽい設定やダークな雰囲気になるのかなと思いきや、そういった部分を織り込みながらも、ライトかつコミカルに拓斗と仲間たちの会話が展開されていて。真逆に位置するものをうまいバランスで配合しているのが絶妙で、おもしろいなと思いました。
それをアニメでどう描くのだろうと興味深くもあり、楽しみでした。(取材時点では)まだアニメの第1話だけだったので、「ここからしんどい設定や出来事がいっぱい出てくるんだよな」と思いつつ(笑)。拓斗が汚泥のアトゥと共にどんなマイノグーラを作って、運営していくのか、災難や敵にどう立ち向かっていくのかを楽しみにしています。
──好きなキャラクターを教えてください。
寺島:「全ての蟲の女王」の異名を持つイスラです。まだキャスティングが発表されていない時点で、原作を読んでいる時に自然と(井上)喜久子さんの声で再生されていたので、もし違う声優さんだったら許せなくて、ED主題歌の制作に影響が出てしまったかもしれません……「アーティスト寺島」と「オタク寺島」のせめぎ合いに頭を悩ませていたことでしょう(笑)。でも僕の中のイメージとキャスティングが合致したので、気持ちよく制作に臨めました。ありがとうございます!
エルフール姉妹をテーマにしたED主題歌「more than W」。“W”に込められた意味とは?
──本作は、第1話からED映像と曲が流れましたね。
寺島:ファンの皆さんからは「最近聴いてなかったタイプの寺島が来たっ!嬉しい!」という声や「純粋に作品の雰囲気にピッタリでした」などの声をいただいて、嬉しかったですし、ホッとしました。
ED主題歌を制作するにあたって、「メアリアとキャリアのエルフール姉妹を題材に曲を作ってください」というオーダーをいただきました。「おじさんがこんなにかわいい娘二人の芯の部分を描かなきゃいけないんだな」と思いながら(笑)、原作とコミックスを何度も読み返しました。
シングルが発売される頃は、エルフール姉妹が抱えているものや待ち受けている運命について、まだハッキリ描かれていないので、「歌詞としてどこまで書いていいんだろう?」という悩みがありました。考え抜いた末、物語を観続けていけば、皆さんもその答えにいつかたどり着ける、いつか目にするだろうと予感させるような書き方ができたかなと思っています。
なので、第1話のEDを観た皆さんは何を思っているのかなと。原作を読んでいる方はご存知だと思いますが、アニメで初見の方は、どんな感情を抱かれたのか気になります。
──ED映像を観ていない段階でも、歌詞に「無垢な双鉾(そうぼう)」や「絡み合う相」など姉妹を連想させる言葉が使われていたので、イメージしやすかったです。
寺島:タイアップをいただく時、「どれくらい作品に寄り添えるのか」や「作品と離れた時、どうなるのか」などいろいろ考えますが、今回はエルフール姉妹にすごく寄り添った形で書いています。
タイトルの「W」は、日本では姉妹を表す時によく使われますし、この曲をライブで披露したら、かなり異彩を放って際立った雰囲気になるんじゃないかと思いつつも、細かいことは考えず、ただ作品に向き合い、寄り添おうと思って歌詞を書きました。
──「more than W」というタイトルの意味を教えてください。
寺島:エルフール姉妹を書く上で外せないのは第二の母、イスラの存在と二人の本当の生みの母です。姉妹が巻き込まれていく運命の中で、彼女たちが常に大事にしているものは自分たち以外で、お母さん達や仕えている拓斗という新しい王様なんです。自分たちに何かを与えてくれた、自分たち以上に大事なものが世界にあるんだということへの向き合い方が、彼女たちの人生にとってすごく大切なんだなと感じました。
なので本当は、「言葉では語り尽くせないほどの愛情」をもらっているから「more than Words」を意味していましたが、これは他の作品や楽曲でもよく使われているなぁ、と踏みとどまりまして。「言葉だけじゃないんだよな」と思って探していったら、意外と「W」で表現できるものをいくつも内包した歌詞になったので、そこに集約しました。
「more than Words」だけでなく、文法的には違いますが、「more than We(私たち)」、世界がどうなってもいいくらい大切なものという意味を込めて「more than World」など、いろいろな「W」を込めています。
──歌詞を見ると、「戻ることない 愛しきあの日々よ」や「遠く霞む 尊きあの日々よ」など、今厳しい状況にある中で、素晴らしかった昔を思い出しているような。
寺島:エルフール姉妹に寄り添った曲なので。音楽は聴き手にどんなメッセージが伝わって、どう受け取るかで形が変わるものだと思っていて、今回は曲の中にどれくらい希望を入れるのかが大事な課題でした。
「昔は良かったけど、今はつらい」という内容ですが、「その先に何かがあるかもしれないから進んでいこう」という想いも込めていて。誰でも人生の中でつらく厳しい時ってあると思いますが、「大丈夫だよ。行ける行ける!頑張れ!」と励まされると、余計にしんどく感じてしまうこともありますよね。「今はしんどいよね?」と共感したり、寄り添っているように受け取ってもらえるかなと僕は思っているんです。無理に立ち上がろうとか、這い上がろうとするのではなく、つらさや痛みを分かちあった上で、ちょっとだけ先を感じてもらえる曲になったかなと。
元々は作品に寄り添おうという気持ちが強かったんですが、作ってから振り返ってみると、作品を離れてもメッセージ性があって、今までの自分の中にはなかった、聴き手への寄り添い方を歌った曲になったかなと思っています。


















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