
単純な“子ども向け”にはしたくない。お父さん・お母さんが心の中で「頑張れ」と思うような応援歌――『映画クレヨンしんちゃん 超華麗! 灼熱のカスカベダンサーズ』橋本昌和監督インタビュー
『映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ』が、8月8日(金)よりROADSHOW!!
シリーズ32作目となる今作では、しんのすけたち“カスカベ防衛隊”がインドを舞台に大乱舞! 踊って踊って踊りまくる『映画クレヨンしんちゃん』のダンスエンターテインメントが誕生しました。
アニメイトタイムズでは、映画の公開を記念して、橋本昌和監督にインタビュー。作品の制作過程やアフレコのエピソードを伺いました。
インド映画が好きな人にも観てほしい
──まずは、今作の舞台をインドに設定した理由をお聞かせください。
監督・橋本昌和さん(以下、橋本):実は『映画クレヨンしんちゃん オラの引越し物語 サボテン大襲撃』(※1)の企画段階で、「しんのすけたちがインドへ行く」という構想が一度出たんです。色々と検討をして、最終的にメキシコに行きました(笑)。
脚本家もうえのきみこさんだったので、今作の企画会議の時に「そういえば、まだインドに行けてないよね」と。その他にもいくつかテーマが出る中で、「このテーマをインドでやれば面白いんじゃない?」という意見が出て、そのままインドが舞台になりました。
いろんなアイディアをみんなで持ち寄って、話した時に組み合わせがうまくいったという感じですね。
※1:2015年公開。監督・絵コンテ・挿入歌作詞を橋本監督、脚本をうえのきみこさんが務めた。
──今作を見ていると、『ムトゥ 踊るマハラジャ』(1998)『きっと、うまくいく』(2009)や『RRR』(2022)といったインド映画を思い出します。
橋本:もともとインド映画が大好きだったので、もちろん意識はしています。『映画クレヨンしんちゃん』で何かのパロディを入れるのは恒例なので、「やっぱりインド映画のパロディは入れたいよね」と。
そういう意味で、今作は『クレヨンしんちゃん』好きな人はもちろんですけど、インド映画好きな人にも観てほしいです。何ならインドの人にも観てほしいので、積極的に入れていこうと思いました。ロケハンで現地にも行ってきたので、インド映画+実際のインドを合わせるような感覚で制作を進めていきました。
──ロケハンで刺激を受けたことや思い出についても伺いたいです。
橋本:インドは行く人によって賛否が分かれる国だと聞きますが、僕はすごく好きでした。
インドの人たちはすごくウェルカムな感じで、目が合うとニコッとしてくれるんですよ。みんな笑顔で迎えてくれるので、柔らかい気持ちになると言いますか。
あとはカレーがすごく美味しかったです。辛さにも幅があって、「これは流石に無理!」という辛さはもちろんありましたけど……(笑)。
──(笑)。今作ならではの要素として、やはりダンスシーンは外せないと思います。
橋本:インド映画のダンスシーンをたくさん見て、どうすれば雰囲気が出るかを研究しました。ただ、今作に登場している楽曲は、インド風というよりはロックとかJ-POPとか色々な要素を取り入れてバラエティ豊かな仕上がりになっています。
──作中でしんのすけが「オラはにんきもの」を歌うシーンには感動しました。
橋本:今回は歌がテーマのひとつになっていますから、「主人公であるしんのすけが何を歌うか」という時に、やっぱりしんちゃんの代名詞みたいな曲が必要だなと。
その曲を今作の舞台にちなんでインドバージョンにアレンジさせていただきました。歌も、インドの中で歌うということで、遊び心を多めに入れて歌い直してもらっています。
──ボーちゃんの新しい一面が見られる点も注目ポイントかと思います。
橋本:今作のボーちゃんは敵役のようなポジションで、だからこそ絶対に歌ってほしかったんです。佐藤智恵さんに「歌のシーンがありますけど、いいですか?」と聞いたら、快諾してくださいました。歌って踊って、ボーちゃんがこれほど活躍した作品は初めてだと思います。



































