
心のはしを辿って、君に会いに行く──ZEPP TOURを象徴する新曲「往欄印」が示す互いへの道しるべ。MyGO!!!!!の羊宮妃那さん(Vo.高松燈役)、小日向美香さん(Ba.長崎そよ役)、林鼓子さん(Dr.椎名立希役)インタビュー
みんなの道しるべになるような存在に
──「往欄印」は、これまで以上にストレートで、振り切った印象のあるパンクナンバーだと感じました。皆さんはこの曲を最初に聴いたとき、どのような印象を受けましたか?
林:楽曲的には、2ビートもあって、パンクロックを象徴するようなリズム感や、メロディのキャッチーさが詰まっている曲だなと感じました。「うわー! またこういう楽しい曲が来てくれた!」っていう、嬉しさがまずあって。歌詞については、今まではどちらかというと、寄り添うような曲が多かったと思うんです。
でも「往欄印」には〈君に会いに行く〉という言葉が入っていて、それも嬉しいんです。みんなの道しるべになるような存在になるかもしれないなって。しかもシンガロングできるポイントもありますから。シンガロングはやっぱり、私たちもやってて一番気持ちいいところなので、ツアーにぴったりな楽曲だなって思いました。
小日向:私も鼓子ちゃんと同じく、〈君に会いに行く〉っていうフレーズがすごく好きで。今までMyGO!!!!!の活動をやっていく上で「皆さんが会いに来てくれる」っていう感覚があったんですよね。私たちが待っていて、皆さんがそこに来てくれるというか……。それに対して、ありがとうって。
でも、これまでたくさんのライブを重ねて、Kアリーナまでの道のりを経て「こんなにもたくさんの人が、MyGO!!!!!の音楽を待ってくれていたんだ」って感じられるようになったんです。「会いに来てくれてありがとう」ではなくて、今度は私達が会いに行きたい、って心持ちにシフトチェンジできている気がしていて。
そしてこの「往欄印」を経てしっかりと言葉で「待っててね、みんなに会いに行くからね」って、そう伝えられるようになりました。そういう意味でも「往欄印」は、私の気持ちをガラッと変えてくれた、本当に大きな存在です。
──今回のZEPP TOURで初披露となりましたが、ライブでの反響はどう感じられましたか。
小日向:初日の東京公演で、「この曲、一緒にシンガロングしてくれたら嬉しいな」って話したんですけど、皆さんがすぐに「わかったよ」って、シンガロングを覚えてきてくれていたんですよね。次の大阪公演では、もうみんな肩を組んで横揺れしながら笑顔で歌ってくれて……その光景に、思わず涙が出そうになりました。
林:うんうん、こっちまで笑顔になりました。MyGO!!!!!のライブには海外から来てくれている方も多いので、いろいろな国や地域から来た人たちが、ライブハウスというひとつの場所に集まって、肩を組んで同じ歌を歌う──生まれた場所も育った環境も違うのに、ひとつになれるってアツいなって。
小日向:そうなんですよ、本当にあの光景は熱すぎて……。こうしてライブハウスでみんなと繋がれる、ひとつになれる楽曲ができたことが、すごく嬉しくて。まだツアー2公演目であの盛り上がりですから……千秋楽は一体どうなってしまうんだろうって、今からドキドキしています。
林:確かに!(笑)
──羊宮さんはいかがですか?
羊宮:どうしましょう、といいますか。最初に「往欄印」を聴いた時に「とんでもない曲が来たな……」っていうのが第一印象だったんですね。「この曲、覚えるの頑張らないとな」って(笑)。
──それは確かに、そうですよね(笑)。まずは曲を理解しなければならないっていう。
羊宮:そうなんです。キャラクターとしてステージに立つ以上、ただ歌詞を覚えるだけじゃなくて、その歌詞が書かれたときの気持ちや意味をしっかり理解するだとか……土台として、そういった“いろいろなことを“当たり前”にしておく”必要があって。
その上で感じたこととして、「やっぱりすごいな」って。この歌詞にある〈君はどうしてほしい?僕に何が言えるんだろう〉〈いつだってそれがはじめてで 考え込んでしまう〉って、本当に日常の中にめちゃくちゃ“在る”ことで。どういうことをしてあげられるんだろうとか、なにを考えた上でそういう態度になっているんだろうとか……人と分かち合うことって、本当に難しくって。
分かち合いたいと思うこと自体はすごく大事なこと。だからこそ入り組んでしまうんですけど、それが届かなくても、それでも「届けたい」って思ってしまう。届かないけど届けたいって、とても矛盾している言葉ではあるんです。「どうやって?」って思うじゃないですか。でも矛盾した気持ちも大事だからこそ、迷っているからこそ、「それでも大事なんだ」って想いがすごく伝わってくる。
あと、〈片道だと思ってた矢印が〉っていうフレーズがすごく好きで。
──そこ、すっごく良いですよね!! 〈反転して ここへ届いた声音(こわね)ああ 心強くて あったかくて僕の命綱になった〉という。思わずグッときました。
羊宮:そうなんですよ! 「僕たちはここで叫ぶ」(1st LIVE)から始まって、今、「心のはしを辿って」君に会いに行くまでの道のりも感じました。
最初は片道だと思っていた矢印が反転して……例えばですけど、ライブではレスポンスが返ってくるようになって、それがすごく温かくて、心強くて。怖くても、苦しくても、でも、会いに行きたい、届けたい相手がいる、助けたい、手を取りたいと思える人がいる──そういう気持ちって、ものすごく力のあるものだと思います。
なんでもそうですけど……無性にあふれてくる力の源って、愛があるからだと思うんです。だからこそ、湧いてくるもので。それは皆さんと一緒に作り上げてきた世界だと思っています。
で、最初の言葉に戻るんですけど「どうしましょう」というのは、大阪公演を経て、千秋楽でどうなっていくか。まだまだ自分自身と向き合っている最中です。すごく難しいところなんですけど、もちろん練習は重ねて、きちんと準備はしていきます。
でも、ライブってやっぱり“その場”でしか生まれない熱があるので。皆さんとの熱、大事なメンバーと作り上げていく音。そこから自分が殻を破って、怖くても、失敗しても、その瞬間にしか作れないものを大切にしていきたいと思っています。皆さんの熱が本当に大事になるので、北海道公演もよろしくお願いします!


















































